就活生座談会(上) 就活開始!「面接はすでに受けました」
就活リポート2019(6)
3月1日を迎え、2019年春卒業予定者向けの就職活動が始まりました。本来であれば、1日から企業説明会に参加して企業を理解し、働きたいと思えばエントリーシート提出などの選考を受けるという流れで就活が進みます。ところが、3月以前に1Dayインターンシップを説明会の代わりに開催し、すでに選考を始めている企業も多いのが実情のようです。都内の大学に通う就活生3人に、現在の活動状況や今後の進め方などを座談会形式で聞きました。2回に分けて紹介します。
Aさん(男性、明治大学、文系)
Bさん(男性、上智大学、文系)
Cさん(男性、首都大学東京、理系)
――いつから就活を開始しましたか? 志望業界と合わせて教えてください。
Aさん志望業界は高校生の頃から鉄道と決めていました。鉄道が好きというよりも鉄道を中心とした街づくりに興味があり、鉄道以外では不動産も志望しています。インターン情報が出た3年生6月から始め、夏に1Dayインターン3社、秋に2Days1社、冬が1Day1社に行きました。内定はまだありませんが、インターンに行った不動産1社と、就活サイトからスカウトが来たメーカー1社では、テストセンターや1次面接などの選考を受けています。
Bさん 私も6月から始め、夏は1Dayはなく3Daysと4Daysで3社に行きました。秋冬もそれぞれ3社に参加しています。志望業界は新聞社なのですが、業界研究目的でITや金融などのインターンにも行きました。現状では出版社と生命保険会社の選考で落ち、今日もITの選考を受けてきました。
――今日ですか? どんな内容の選考でしたか?
Bさん いかにも選考という形ではなく、先輩社員とラフな感じで話しながら企業理解を深めるといった内容でした。でも、うわさなどでは「ラフな感じでも実は選考」という話があるので、選考だと思って受けてきました。
Cさん 私も6月にIT系企業のインターン説明会に参加し、8月にそこで見つけた1社のインターン(1週間)に参加しました。12月下旬から1月の終わりにかけて1Dayや2Daysのインターン3、4社に参加しました。選考は8月にインターンに行った会社と、もう1社受けています。IT以外には鉄道関連の会社も受けています。
――周囲の就活状況も同じような進み具合ですか? 今年の就活生は先輩たちの就活状況が良かったので、のんびりしているとも言われますが。
Cさん 私は理系の大学院なので周りにもこれから就活を始める人もいますが、それが楽観的というわけではないと思います。
Bさん 内定率が高いのでどこかには入れると思っているでしょうが、行きたい会社となると、それなりに難しいと思っています。周囲を見ても夏のインターンから参加して選考慣れしたり、業界研究をしている人は多いです。
Aさん そうですね。だいたい同じです。
1Dayは説明会、選考の練習
――今年から経団連が1Dayもインターンとして認めたために1Dayが増えていますが、就活生の中では1Dayをどのようにとらえていますか?
Aさん 説明会のようなものとして行く人もいますが、選考が課されることもあるので選考に慣れる意味で行く人もいます。
――1Dayでも選考はありますか?
Aさんある会社はエントリーシートとグループディスカッションがあり、通過して参加したインターンは3時間で終わってしまい、1Dayにもならない(笑)。あまり意味がないな、と思いました。秋に参加した2Daysは抽選でしたし、インターンもいろいろあってわけが分からないですね。
Bさん そうですね。エントリーシートは基本的にはどこの会社もありました。企業によってはWEBテストもあります。
Cさん 私はエントリーシートを書くことはなかったのですが、「インターン参加者は早めに選考を実施します。2月に適性試験を受けてください」という通知が来ました。
インターン参加者限定セミナーも
――インターン参加による優遇はありましたか?
Bさん 会社によって違うと思いますが、中堅企業やベンチャーのほうが1Dayインターンでも選考につながることが多いよう感じます。生保や損保なども1Dayを多く開催していますが、企業説明会の色合いが強く、選考に有利になるような雰囲気はありません。
Cさん 優遇ではありませんが、インターンで行った会社は人事の方と親しくなれたので、個別に相談に乗ってもらっています。親しくなれたので面接も気楽に受けられました。
Aさん インターン参加者限定のセミナーに呼ばれることは多いですね。
――現在、3月1日以降の就活本格開始に向けてどんなことをしてますか? もう自己分析などは終わりましたか?
Cさん 自己分析はもう終わったかなと思っています。いろいろな人に「自分はどういう人か」を聞き、自分のことは分かっていると認識しています。今は、選考の面接に向けて集中している段階です。
Bさん 3月からテストセンターを始める会社が多いので、最終的な追い込みをしている状況です。エントリーシートや面接といった選考は、インターンシップでの選考が練習になったので、今は実際の選考に向けて準備をしているところです。
Aさん 僕も筆記試験対策をひたすらやっています。あとは自分の行きたい会社から内定をもらった4年の先輩がいるので、選考スケジュールを聞いてイメージを膨らませたり、話を聞いて志望動機を固めたりしています。
以上が、現在までの活動状況です。次回は志望企業の優先順位のつけ方、参考にしている情報源、就活への不安などをお聞きします。
(協力 日経HR)
日経HRコンテンツ事業部長、桜美林大学大学院大学アドミニストレーション研究科非常勤講師。91年入社。高齢者向け雑誌編集、日本経済新聞社産業部記者を経て98年より就職関連情報誌・書籍の編集に携わり、2005年日経就職ナビ編集長、2015年日経カレッジカフェ副編集長、2018年から現職。著書は『これまでの面接vsコンピテンシー面接』『マンガで完全再現! 面接の完璧対策』『面接の質問「でた順」50』など。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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