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小沢コージのちょっといいクルマ

ボルボが日本で「脱ディーゼル」に踏み出した理由

2019/1/9

木村 本社でもまだ決めていないと思います。厳しいCAFEがありますし、25年くらいまで予断を許さない。燃費の悪いラージクラスはしばらくディーゼルを残さざるを得ませんし。

小沢 それに、根強いディーゼルファンはいますよね。日本もそうですが、販売には影響しないんですか。BMWなどは「3シリーズ」「5シリーズ」は半分以上がディーゼルモデルが売れているという話も一部にはありますし。

木村 うちも前のV60は、販売者数の約7割がディーゼルモデルでした。

小沢 やはり。そう考えると痛い。

木村 かなり痛いですよ。今でこそいろいろ言われますが、ディーゼルを買われるお客様は、ディーゼルの良さを知っていますから。逆に悪口を言うと「あなたたちは世間知らずだ」と言うくらい。ディーゼルユーザーは8割以上が品質に満足されているので、ちゃんと説得しないとガソリンには戻っていただけないと思います。

小沢 そう考えるとすごく難しい判断ですね。基本海外での話なので。

木村 ものすごく厳しかったですが、うちは代わりにプラグインハイブリッド車「T6」を普及させる戦略を取りに行きます。今の想定ではV60「T6」は650万円を切るのでインパクトあるんじゃないかと。さすがにモーターとバッテリー内蔵なのでディーゼルには負けますが。

小沢 今後のボルボ・カー・ジャパンはそこを訴えていく。

木村 新世代のエコパワートレインはハイブリッドという方向です。

小沢 一方で、完全に脱ディーゼルとは言えないわけですよね。

木村 完全に言い切る必要もないですし、ディーゼルがお好きな方はXC60以上の車格でぜひディーゼルを楽しんでくださいと。その両面作戦で考えています。

小沢 つくづくかじ取りの難しい時代ですね。

1965年、大阪府生まれ。大阪大学工学部卒。87年、トヨタ自動車入社。2003年、米ノースカロライナ大学でMBA(経営学修士)取得。日本でのレクサス事業立ち上げに参画。07年、ファーストリテイリングを経て、08年に日産自動車入社。インドネシア日産、タイ日産社長などを経て退社。14年7月から現職
小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

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