多様な人財支えてこそリーダー 経営者たちは変わった識者に聞く(下) G&Sグローバルアドバイザーズ社長 橘・フクシマ・咲江氏

――働き方の多様化も進んでいます。

「兼業や副業が許されるようになり、一つの組織に属しながら兼業するプロフェッショナルや、独立して働くフリーランスが増えてくるでしょう。今までのように『新卒一括採用で画一的に育てます』ではなく、多様な人財を使いこなして業績を上げる必要があり、それはひとえに、リーダーがどこまで多様性を生かす経験をして、その能力を発揮できるかにかかっています」

リーダーシップは支配型から支援型に変わっている

「以前社外取締役を務めたソニーが先進的だと思ったのは、1990年代初めに創業者の盛田昭夫さんにお会いしたとき、『ソニーは来る者は拒まず、去る者は追わず、帰ってくるもの大歓迎の会社なんです』と話されていたからです。出て行く人は市場が評価して買ってくれたので喜ばしい、外から来る人はソニーにないものを持ってくるから歓迎、戻ってくる人は両方持っているから大歓迎だと」

「日本企業は採用した人を育てるために適材適所に配置する文化でしたが、私は『適所適財(ポジションのミッションに最適な人を、内外を問わずに登用すること)』が重要だと長年訴えてきました。当時は理解されませんでしたが、最近では日本企業も外部人財の登用が増え、経営者の方々が『人財市場』の存在を意識して、『優秀な社員にいてもらうには会社が魅力的でなければ』と考えるのも新しい傾向ですね」

社員に自分で考えさせるリーダーシップ

――リーダーシップの性質も変わってきそうですね。

「連載に登場するリーダーの方々の傾向として感じたのは、支配型リーダーシップから、サーバント(支援型)リーダーシップに変わってきているということです。『社員に自分で考えさせる』という趣旨の言葉が多いですよね。後ろからサポートして、社員が自律的に行動できるようにするのがリーダーだと」

「私自身の話ですが、コーン・フェリーで最初のアメリカ人上司が、何か相談すると必ず『君ならどうする?』って聞くんです。後から考えるとこれは大変ありがたかった。そのときは何も教えず、無責任だなと思いましたが」

「良かったのは、自分で解決策を考え、いくつかの選択肢のメリット・デメリットも考え、選ぶということをするようになったことです。すると上司は、『自分の経験から言うとこの選択肢がいいと思うよ』と助言してくれました。私も部下には同じように聞くようにしました」

――フクシマさんが考えるリーダーの条件は何でしょうか。

「過去30年間グローバルリーダーの要件を提唱し続けてきましたが、常に学びながらアンテナを高く張り、グローバルな動きを客観的に分析し、それがどう自社のビジネスに影響を及ぼし、かつ機会とするかを常に気にかけ、それを戦略に落とし込んで、実行し、結果を出せることです」

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