ストーリー語り、納得させる 変革リーダーの条件識者に聞く(上) 早稲田大学ビジネススクール准教授 入山章栄氏

――日本企業では女性管理職比率も課題になっていますが、女性活用についてはどう考えますか。

「多様な知が集まるほどイノベーションは生まれやすいので、ダイバーシティー(多様性)は絶対に必要です。ただ日本企業の経営者の中には、ダイバーシティーが何のために必要なのか、きちんと理解できていない人も多いと思います」

「米グーグルの社是はダイバーシティーなのですが、彼らは『ダイバーシティーのためのダイバーシティーはしない』とはっきり言っています。ダイバーシティーはイノベーションを起こしたり、業績を上げたりするのに不可欠なのです」

未来のリーダーシップは分散型に

未来のリーダーシップは自律分散型に

――「一人ダイバーシティー」という考え方も提言しています。

「これは最近の経営学で注目されている考えで、一人の中に多様な考えや経験値があるということ。これもある意味ダイバーシティーです。日本企業のジョブローテーションでもある程度の幅広い経験は積めるのですが、私は中途半端な印象を持っています。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のようなグローバル企業のリーダー育成は極端で『島流し』に近いような人事をします。例えばブラジルで新規市場開拓して結果を出すと、次はフランスで潰れそうな子会社を立て直してこいと言われ、今度は韓国で労働争議が起きたから行って収めてきてとか。本人は左遷されていると思っているぐらいです」

――未来のリーダーシップはどんなものになると思いますか。

「シェアード・リーダーシップという考え方に注目してください。これまでの組織のあり方は頂点にリーダーがいて上意下達という構造でした。しかしもう少し世の中が変わると、複数の人がリーダーの役割を同時に果たして中心がない、自律分散的な形になると考えられています。リーダーシップという言葉の意味は人に影響を与えることです。だとすると全員が横同士で影響を与え合えば、中心がなくていいんです。特に欧米のコンサルティング会社や一部のクリエーティブな企業などの知的産業では進み始めています。未来のリーダーシップは、中心がないものになると考えられるのです」

入山章栄
慶応大大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院の博士号取得。13年から現職。

(安田亜紀代)

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