靴の人気ブランド、スニーカーが席巻 不動の1位は
マクロミル ブランドデータバンク(bdb)が約3万人に向けて「あなたが持っていてお気に入りの靴・シューズ」を聞いたところ、男女ともに1位になったのは「ナイキ」だった。ナイキは5年前の同じ調査でも男女ともに1位であり、「不動の1位」となった。
ナイキは、さまざまなブランド、デザイナーとのコラボレーションモデルや、アプリや公式サイト、店舗で抽選販売するスニーカーの入手困難さなどが度々話題になる。こうしたファッション分野に加え、近年は、国内外のマラソン大会でも選手の着用ブランドとして注目を集める。ファッションとスポーツの両分野で快走を続け、トップの座を守った。
男性トップ10は主にスニーカー
18年の男性の回答に着目すると、4位の「リーガル」以外はトップ10をスニーカーブランドが占める。順位を上げたのは、3位「ニューバランス」、8位「VANS」、10位「リーボック」の3ブランドだ。
ニューバランスは、ナイキと同じく、ファッションとスポーツの両方で支持を得るブランド。低価格でカジュアルなモデルが多いVANSは、6位「コンバース」と双璧を成すローテクスニーカーブランドだ。リーボックはフィットネスなどの分野に強い。
男性の10位以降を見ると、トップ10と対照的に、革靴ブランドが多く並ぶ。11位には順位を下げたものの「ホーキンス」がランクインし、革靴を中心に幅広く商品をそろえる「クラークス」が13位に浮上。若年層に人気の「ドクターマーチン」や、本格的な作りの革靴を比較的安価にそろえる「スコッチグレイン」は18位に順位を上げている。順位を下げたものの、12位の「ティンバーランド」や15位の「レッドウィング」といったブーツブランドも健在だ。
躍進するオリエンタルトラフィック
女性の結果を見ると、5年前はトップ10のうち革靴、パンプス系が4ブランド、ランクインしていたが、18年の調査では、大半がスニーカー、スポーツシューズブランドに置き換わった。5位の「ダイアナ」も9位の「リーガル」も順位を下げている。
躍進したのが7位の「オリエンタルトラフィック」。パンプスからブーツまでラインアップを幅広くそろえながら、価格は数千円に収まり、修理などのアフターサービスも行き届く。
13位「GU」、18位「しまむら」といったアパレルブランドも順位を上げた。ここ10年ほどで一般化したファストファッションの波は、足元にも及んでいる。
それぞれ特徴を持つスニーカー
18年の男女のベスト10を見ると、「アディダス」「プーマ」、コンバースといったスニーカーの定番ブランドは相変わらず人気だ。男女共にランクアップしたのは、ニューバランスとVANS、リーボック。女性のみ順位を上げた8位「アシックス」は、ランニングシューズとして世界的に信頼を誇る。スニーカーブランドはそれぞれ特徴を持っている。
時代は革物からスニーカーへ
男女のこの5年間の移り変わりを見てみると、顕著なのが革靴ブランドのランクダウンだ。ビジネスシーンでもバックパックが市民権を得つつある時代。男性はカジュアルな革靴やスニーカーを履き、女性はヒールから、フラットシューズやスニーカーに移行していることが、こうした結果につながったと考えられる。
実際、女性を中心に、スニーカーで歩くビジネスパーソンの姿を目にすることも多くなってきた。健康志向の高まりも影響しているのだろうか。ビジネスシーンの足元も、歩きやすさという観点から選ばれる時代になってきたようだ。
※数値は「あなたが持っていてお気に入りの靴」の質問に対してそのブランドを挙げた人の割合。矢印は5年前のランキングとの比較。
(マクロミル ブランドデータバンク)
[日経クロストレンド 2018年12月11日の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。