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日本出店も視野に パリで大人気の「天才」パティシエ

世界一のパティシエ、セドリック・グロレ氏 仏誌の「世界に最も影響力のあるフランス人50人」に選ばれた 飛ぶ鳥を落とす勢いの33歳
世界一のパティシエ、セドリック・グロレ氏 仏誌の「世界に最も影響力のあるフランス人50人」に選ばれた 飛ぶ鳥を落とす勢いの33歳

2018年3月、パリの最高級ホテル、日本人旅行者にとっても憧れの的の「ル・ムーリス」内にオープンした小さなテークアウト菓子専門店には、今もなお行列が絶えない。世界各国の旅行者が短い滞在中にわざわざ訪れ、舌の肥えたフランス人マダムも足しげく通う。週末ともなると1時間待ちはざらだ。人気の秘密は、パティシエ界の若きプリンス、セドリック・グロレ氏が創り出す、従来のケーキの概念を覆すようなパティスリー。今秋、仏版Vanity Fair誌の「世界で最も影響力のあるフランス人50人」にも選ばれたグロレ氏に、菓子作りへの思いを聞いた。

――26歳でル・ムーリスのシェフパティシエに抜てきされ、32歳で料理界のアカデミー賞といわれる「レ・グラン・ターブル・デュ・モンド」で世界ベストパティシエ賞に輝きました。2017年には「レ・グラン・ターブル・デュ・モンド」、2018年には「ワールド・ベスト50レストラン」で、世界ベストパティシエ賞を獲得。フランスメディアは「天才」と賛辞を惜しみません。

2年連続で世界一を達成したのはパティシエとして初の快挙で、自分自身とチームにとって最高の栄誉で、大変誇りに思います。同時に、多くのお客さまがそれにふさわしいかを見極めにいらっしゃいますので、そのタイトルに見合うようにと、良いプレッシャーを感じています。

――いつ頃、なぜ、パティシエになりたいと思うようになったのですか。

祖父母がホテルのレストランを経営していたので、祖父が料理するのを10歳の頃からよく手伝っていました。家でも大好きな菓子作りに明け暮れていたのですが、ある日、両親に「そんなに好きならプロになったら」と薦められ、12歳のときに初めてパン屋で1週間見習い修業をしたんです。1週間、本当に一生懸命働きました。

そうしたら、パン屋の店主が両親に電話をして「息子さんは並外れて素晴らしい。パティシエになるべきだ」と褒めてくれて。両親はそれまで、「よくない」とか「うるさい」「ふざけてばかり」と言われるのしか聞いたことがなかったので、息子の良い評判を初めて聞いてとても誇りに思っていました。そのときにパティシエになろうと思ったのです。

ルービックキューブをモチーフにしたルービックス・ケーキ 高級ブティックやセレブに人気のケーキ 170ユーロ

――2018年3月、ムーリス内に自身の店を初めて出したことで、それまでホテルのレストランでしか口にできなかったケーキをテークアウトでも楽しめるようになりました。

大きな挑戦でした。僕のケーキはとても繊細なので、テークアウトでは新鮮でしかも長持ちするよう、レシピをすべて作り直しました。(100万人超のフォロワーがいる)インスタグラムなどの影響もあり、外国人のお客さまがとても多いのですが、ホテルのお膝元、パリ1区にお住まいのフランス人の常連さんも毎日のようにいらっしゃいます。

ホテルの近くには、ラグジュアリーブランドが立ち並ぶバンドーム広場もあるので、高級ブティックにお勤めの方が、(1個170ユーロの)ルービックスケーキを、お得意先へのギフトなどに買っていかれることもありますね。週の後半、特に土曜日は混む、12時のオープンには1時間から1時間半の行列ができます。通常15時半頃にはケーキがすべて売り切れます。

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