グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

World Food Watch

日本出店も視野に パリで大人気の「天才」パティシエ

2018/12/27

最高峰のホテルに与えられる称号「パレスホテル」を冠する「ル・ムーリス」内に構えたグロレ氏のテイクアウト専門店

――これまで決して順調というわけでもなかった? どんなことに苦労されたのでしょう。

家族や友人との時間を犠牲にして仕事に打ち込んでいるので、一緒に過ごす時間が少ないのが辛いですね。でも、抜きんでるためには、仕事に打ち込まなければならない。仕事、仕事、仕事です。(ムーリスの前に勤めていた)フォションでは下っ端でしたが、同僚の2倍働きました。なぜなら、一番になりたかったから。一番といっても、ただの一番じゃない。とにかく最高を目指してきました。

このムーリスで仕事をすることはこれまでで一番、挑戦のしがいがあります。30人ほどのチームを動かさないといけませんし、自分の店舗に加えて、ホテルのレストランのランチ、ティータイム、ディナー、さらには宴会やルームサービスなどがあります。正直、すごく難しい。あらゆる場所の、すべてのお客さまを満足させないといけないですし、ホテル中の様々な局面で決断を下さなければならない。

これから新年会もあり、バレンタインもあり、イベントの合間を縫って特注の仕事もこなす。とにかくノンストップです。毎日がチャレンジングで、自分の人生にとって最大の挑戦ともいえます。世界中どこを見ても、これほど多様なスタイルに対応するパティシエはほかにいないのではないでしょうか。ただひとつ、ムーリスの最上階にあるロイヤル・スイートから月にケーキを送ることはまだ実現できていないですけどね(笑)。

イラン産の黒レモンを使ったケーキ レモンの酸味とクリームのまろやかさが絶妙な一品 隠し味はブラックペッパー 17ユーロ

――今後の目標をお聞かせください。

(パリ以外の)世界の大都市にも自分の名を冠した店を開くのが夢です。とはいっても、20店舗や30店舗ではなく、2店か3店のみにしたい。パリでも出店のお誘いがありますが、すべてお断りして、パリはムーリス1店舗にこだわっています。

アジアに1店もしくは2店展開するのが今の目標です。日本か中国か韓国か、それはまだ言えませんが、2年ほどかけて準備しています。新店舗を開くからには、すべてにこだわりたい。新店舗では、現在のムーリスとは少し違ったスタイルを目指そうと思っています。

現在はマスタークラス(特別講義)などで世界中を回っていますが、もう少し歳をとって、50歳か60歳ぐらいになったら、学校を創りたい。パティシエとしての、自分の哲学やノウハウを次世代につないでいきたいと思います。それから、人生の最後には、自伝を書きたいですね。

(パリ在住ライター 吉田理沙)


グルメクラブ 新着記事

ALL CHANNEL