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日本出店も視野に パリで大人気の「天才」パティシエ

トロンプルイユ(だまし絵)とも言われるグロレ氏のスペシャリテ「青リンゴ」 繊細な皮を割ると、果実味あふれるリンゴのコンポートがあふれ出す

――スペシャリテは何ですか。

果物を彫刻したシリーズですね。旬の果物を使い、モダンでありながら、シンプルさを追求した作品です。ケーキ作りにおいては、いかにシンプルにするかを常に考えています。パティシエはよく、様々な素材を盛り、どれだけ詰め込むかを考えがちです。でも僕のケーキを見てください。装飾も無駄もない。僕はシンプルであることを哲学として捉えています。シンプルで、かつ最高のものを作る。これは極めて難しい。哲学としても、そして実際問題としても。でも、あえて味をそぎ落して、核となる味だけを求めて作っています。

シンプルであることは、ムーリスで共に仕事をする、(フランス料理界の巨匠)アラン・デュカスから学んだことです。シンプルにすることはある意味、リスクを取ることでもありますが、そのシンプルさが、2年連続世界一というタイトルにつながったのだと思います。

――仕事をする上で大切にしていることは何ですか。

お客さまを喜ばせることですね。お客さまの喜ぶ顔を見る、それが僕にとって何より大切なことです。僕のケーキを食べて、お客さまが笑顔にならなかったら、もっと頑張らなきゃと思います。ここへ歩いてくる途中で、お客さまに呼び止められて「あなたの大ファンです」と言われたんです。そういうのはこの上ない喜びですね。

「和食は素材を大事にし、あれこれ混ぜ合わせない。最高の食材でできる限りシンプルに作る。それが自分のケーキと共通している」とグロレ氏

それから(大理石模様の特注の箱に入ったケーキを差し出し)宝石のように、いかに美しく見せるかにもこだわっています。「美は人をひきつけ、美味は人をとりこにする」と信じています。

――日本に興味はありますか。日本の料理界をどう思いますか。

日本は、最も興味深い国です。自分のクリエーションに一番合っていると思います。3年前に(シンプルさを追求する)自分の創作コンセプトがはっきりと定まり、その後、2017年9月に初めて日本を訪れたのですが、自分のコンセプトを再確認できた旅でした。和食は、素材を大事にして、あれこれ混ぜ合わせたりしない。そして、最高の食材でできる限りシンプルに作る。それが、自分のケーキと共通しています。

日本と聞いて一番に思い浮かぶのは、やはり尊敬という言葉ですね。仲間に対して、上司に対して、あらゆるベースにリスペクトがあると感じます。それが洗練された料理や菓子、包装、テーブルのプレゼンテーションに至るまで、すべてにつながっていると思います。

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