マネー研究所

プロのポートフォリオ

米中摩擦は読めない 今投資でなすべきは(苦瓜達郎) 大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

2018/12/25

写真はイメージ=123RF
「波乱に満ちた2018年の株式相場で、何といっても予想外だったのは米中の貿易摩擦の激化だ」

波乱に満ちた2018年の株式相場もあと少しで終わりです。何といっても予想外だったのは米中の貿易摩擦の激化ではないでしょうか。

政治問題に関しては「よくわからないからあまり重視しない」というのが私のスタンスです。それでも、米中貿易摩擦ほど大きな問題になると、それなりにいろいろ感じるところはあります。

もともと、トランプ米大統領の保護貿易政策に関しては実効性が低いと思っていました。現在の米国経済は情報サービス、医薬品、金融、軍事品など世界的に圧倒的な競争力を持つ得意分野に支えられており、価格競争にさらされている分野を多少保護したところで経済全体へのプラス効果は限られるからです。

■米国は中国への制裁をどんどんエスカレート

しかも、現在はほぼ完全雇用状態なので、弱い産業を保護したからといって、インフレ圧力が高まりさらに金利を上昇させるのがオチです。

従って、保護貿易政策は一部地域の有権者に対するリップサービス(口約束)および他国に対するブラフ(威嚇)にすぎず、徐々にトーンダウンしていくと考えていました。実際に、直接的にわが国の経済を痛めつける政策は現時点でも採用されていません。

ところが、中国に対する制裁だけはどんどんエスカレートしています。自国経済の保護をお題目にしていたのが、いつの間にか自国の覇権を脅かす国に対する攻撃に変質していった感があります。それが意図的なシナリオであったのか、勢いでそうなってしまったのかは私にはまったく判断がつきません。

中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部逮捕のニュースを聞いたとき、「いよいよ本丸に手をつけた」と感じました。通信機は中国が急速に競争力を高めている分野であり、かつ現時点ではまだ半導体の輸出制限といった手法によって力をそぐことも可能な段階です。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL