一番おいしい時期のアンコウ鍋、おひとりさまもOK

寒さが厳しい頃は、鍋料理がいちばんおいしい季節。冬の味覚といえば「東はアンコウ、西はフグ」といわれます。いずれも高級魚ですが、茨城県沖で獲れた「常磐もの」のアンコウは上質と評判。茨城県にはアンコウ鍋が食べられる店が130店以上もあり、アンコウの寿司や天丼など、ユニークなアンコウ料理も堪能できます。

茨城のアンコウは、県内の底引き網漁で漁獲後、すぐに鮮度維持の処理を施された大きさ2kg以上のもの。シーズンは11月から3月ですが、寒さに備えて肝臓が太る12月から2月が特においしいといわれています。

お店で扱うアンコウは10kgを超える大きなものが多く、つるし切りのパフォーマンスは冬の茨城の風物詩。アンコウは骨以外捨てるところがないといわれ、鍋ではアンコウの七つ道具、肝や身のほか皮やエラ、ヒレ、胃や卵巣、それぞれの風味や食感が楽しめます。

店それぞれに個性豊か。(左)お食事処 山口屋は「母の味」。(中)食彩 太信はカキ、カニ、ホタテも入れる。(右)あんこうの宿 まるみつ旅館は「どぶ汁」を食べやすくアレンジ(写真:茨城県観光物産協会)

県内にはアンコウ鍋が食べられる場所が多くあり、鍋に入れる具材やアン肝の割合も地域や店によって様々。

太平洋の荒波に侵食されてできた、高さ50メートルの断崖絶壁が続く絶景スポット「五浦海岸」がある北茨城市には、アンコウ鍋が食べられる店が38軒もあります。JR磯原駅前の「お食事処 山口屋」は丸みのある優しい味。「食彩 太信」はカキやカニ、ホタテといった海鮮をふんだんに使っています。第8回鍋-1グランプリ優勝の「あんこうの宿 まるみつ旅館」はどぶ汁を食べやすくアレンジ。第9回グランプリに輝いた「北茨城とらふぐ汁」との食べ比べも楽しんでみては。

大洗シーサイドホテルの「あんこう鍋定食」(左)と「あんこう天丼」(写真:茨城県観光物産協会)

大洗町の大洗シーサイドホテルでは、山盛りのアンコウの天ぷらが乗った「あんこう天丼」(1700円)がいただけます。水分を多く含むアンコウの身の天ぷらは難しく、めったにお目にかかれません。ほくほくの身と肝の天ぷらを堪能してみては。

アンコウ鍋は多くの店が2人前からとなっていますが、大洗町には「おひとりさま」もOKの店が多数あります。大洗シーサイドホテルでは、1人前のアンコウ鍋と刺し身の盛り合わせ、小鉢などがセットになった「あんこう鍋定食」(3780円)や、ディナーでもこの季節はアンコウ鍋を楽しめます。

他にも、窓から海を眺められる「磯料理 山水」、大洗シーサイドステーションの中にある「大洗浜っこ食堂 お魚天国」、大洗サンビーチの天然温泉「潮騒の湯」、落ち着いた雰囲気の中で食事が楽しめる「ちゅう心」、「えんやどっと丸」、「日野治」など。「味処 大森」は、土日は予約した方が確実ですが、どこも基本的に予約不要です。一人だと鍋料理は無理とあきらめている方も、ここなら楽しめます。

水津陽子
合同会社フォーティR&C代表。経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究などを行う。