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フットボールはぶつかり合い 日本式戦術はもう古い ドーム社長 安田秀一

2018/12/27

前へのプレッシャーをかけ続けているからこそ躍動感あふれるプレーが生まれる(12月1日、関東大学ラグビー対抗戦)=共同

米スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店、ドームで社長を務める安田秀一氏の連載コラム。これまでプロリーグや学生スポーツ、競技団体のガバナンスのあり方など、スポーツの価値を最大化する条件や仕組みについて問題提起してきました。今回はもっと本質的な部分からアプローチします。テーマは「なぜ、スポーツはわれわれを魅了するのか」です。

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この連載の第1回で「僕は、スポーツの可能性、その圧倒的なパワーを信じています」と書きました。実際に欧米に目を向ければ、スポーツはすでに大きな産業の一翼を担っています。ビッグイベントの結果やスーパースターの動向などは誰もが注目する社会の関心事です。スポーツが大きなパワーを持つことに疑いはありません。では、それはいったいなぜでしょう。どうして、われわれはスポーツ、そしてそこで繰り広げられる戦いに熱狂するのでしょうか。

ドーム社長の安田秀一氏

それは、人間の本能にスポーツが深く関わっているからだと思います。小さな子供は広場に連れて行くと走り出します。木を見ると登りたがります。こうした本能的な動きは、食べ物を確保したり、敵から必死で逃げたり、などといった動物として生き抜くための戦いの中で培われてきたものです。苦労して食料を手に入れたときや天敵から逃げおおせたときなどは、とてつもない充実感や安堵感を味わったことでしょう。それはスポーツで得られる高揚感と似ていると思います。その戦いを見ている側も、その感覚を疑似体験して熱狂するわけです。

スポーツを人間が持つ闘争本能を解放する場として考えるとき、フットボールはとても分かりやすい競技といえます。フットボールと言えば、アメリカンフットボールとラグビー、サッカー。僕自身も学生時代はアメフト選手でした。ドームは現在、ラグビーでは大学選手権9連覇中の帝京大やトップリーグ強豪のパナソニックを、サッカーではJ2大宮をサポートし、来季から東北社会人1部に昇格するいわきFCを運営しています。

いずれもフットボールと呼ばれていますが、以前はこの3競技の共通点を僕は見いだせませんでした。しかし、いわきFCの運営を任せた元Jリーガーで湘南ベルマーレの社長を務めた大倉智氏や、帝京大ラグビー部監督の岩出雅之氏と意見を交わすことで、やっぱり原点は同じだと確信するようになりました。

■日本人のフィジカルは弱いのか

フットボールに共通するのは陣取り合戦ということです。その最大の要素は「前へ前へ」と、縦に攻めていくことです。前に攻めていこうとする側と、それをさせまいとする側の攻防によって生まれるスリルが、フットボールの面白さの本質であり最大の魅力だと感じます。僕はアメフトでオフェンスラインのプレーヤーでした。毎プレー、相手とぶつかりあうわけですが、それが本当に面白かった。

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