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そびえ立つ海鮮丼、奥深い味わいで客を魅了 都内2店

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NIKKEI STYLE

すしより手軽に、色々な刺し身が楽しめる海鮮丼。昔からオフィス街でも昼の定番メニューだが、従来の丼に刺し身を平面的に並べたものとは違った、新しいスタイルの海鮮丼を出す店が話題となっている。

キーワードは「そびえ立つ」海鮮丼だ。ただし、はやりのインスタ映えのような、盛り付けだけで注目されているものとは異なる。「天高く」伸びた見た目は味や食感もきちんと計算し尽くされた上での、完成された海鮮丼なのである。今回は新型海鮮丼で話題の都内2店を紹介する。

1店目は「日本橋海鮮丼 つじ半」だ。グルメ番組を中心に取材が絶えない繁盛店で、東京・神楽坂や赤坂などに店舗がある。その中で6年前に1号店としてオープンした日本橋店は平日は開店前から行列ができ、2時間待ちは当たり前という人気ぶりだ。

平日の開店15分前の午前10時45分に「つじ半」を訪れた。店に着いて言葉を失う。まだ10時台だというのに、30人ほどの行列ができていたのである。東京メトロ銀座線日本橋駅から徒歩数分、JR東京駅にも近く、飲食店が密集しているこのエリアでまさに一人勝ち状態といえる。

気長に順番を待ち、いよいよ店内へ。提供するのは昼夜ともに海鮮丼の「ぜいたく丼」1品のみ。具材10種(マグロ、中落ち、イカ、カズノコ、エビ、ツブ貝、ミル貝、イクラ、キュウリ、ネギ)を入れた「ぜいたく丼(梅)」(1080円、税込み)が最もオーソドックスで、それにカニとイクラ(増量)を足した「同(竹)」(1480円、同)、カニとウニを足した「同(松)」(1980円、同)、特別メニューでカニ、ウニ、増量イクラの「同(特上)」(3500円、同)がある。せっかくここまで並んだのだから、奮発して「松」に決定した。後で聞いたところ、ほぼ5割の客が「松以上」を頼むのだそうだ。

ついにぜいたく丼が登場する。真横から見ると高さ6~7センチはあり、確かにそびえ立っている。こんなに立体的な海鮮丼は私は見たことがない。

客席にある店からの「マニュアル」通りに食べ始める。まず、海鮮丼と別皿で出てくる刺し身(全4切れ)を、かかっているゴマだれで食べる。ゴマだれが甘めで香ばしく、脂ののった刺し身とぴったりで箸が進むが、4切れすべてを食べてはいけない。2切れをわざと残すのだ。

次に本命の丼だ。黄身しょうゆを全体にかけて、巨大なタワーを崩して下のごはんと一緒に食べる。様々な魚介のうま味と脂が口の中で溶け、またやわらかさとコリコリ感の、異なる食感が同時に味わえる。ネギトロやなめろうとも違う、後を引く味わいだ。

店の人に声をかけ、熱々のタイのだしでとったスープをもらって、お茶漬けとして食べ切る。ここで、先ほど残した刺し身2切れを入れる。黒七味や特製のガリもかけ放題。まろやかなタイだしの味わいに、七味や甘酢しょうがのピリリとした辛味、酸味が重なると、強烈においしい。「うちの海鮮丼は、天ぷら店の『金子半之助』とラーメン店の『つじ田』の創業者同士が幼い頃から同級生で、ノウハウを出し合い生まれたものです。簡単にはマネできない工夫が凝縮しており、それが人気の秘密となっているのではないでしょうか」(店長の石川知徳氏)

ちなみに、都内にいくつかある「つじ半」ではメニューは全店共通だ。私は神楽坂店も訪れたが、その時は日本橋店よりは待たずに入れた。「ぜいたく丼」を食べたいけれど、時間を気にする人は店舗選びも大切だろう。

そびえ立つ海鮮丼、2店目は東京メトロ南北線白金高輪駅直結のビルにある「尾崎幸隆 丼」だ。不思議な店名は一度聞いたら忘れられない。麻布十番の日本料理店「尾崎幸隆」と白金・六本木にある「鮨 鯛良(すし たいら)」がプロデュースしてできた店である。尾崎幸隆の由来は、麻布の本店が目玉食材として提供する「尾崎牛」(宮崎の高級牛)と、高級マグロ(仕入れ先である豊洲市場のマグロ専門卸売企業「やま幸」の代表の名前)を組み合わせたものだ。

やま幸は2018年の初セリで、マグロを最高値で競り落としたニュースで話題となった。豊洲市場の仲卸企業の中でも老舗の大手で、今回の「尾崎幸隆 丼」もやま幸から届く鮮度抜群の高品質マグロを使っている。「特選鉄火丼」(1620円、税込み)や「トロ鉄火丼」(2000円、同)などマグロを多用した丼メニューが並ぶが、一番人気はやはり「海鮮丼」(1500円、同)だ。

こちらもそびえ立っている。

海鮮丼の魚介は毎日変わる。取材日に使ったのはマグロ(大トロ、中トロ、赤身)、マダイ、カンパチ、シマアジ、ホタテ、エビ、サーモン、マグロ、カズノコ、イクラだ。

そびえ立つ外観は似ているが、味わいは1店目とまったく異なる。酸味がキリッと立つ「赤酢」を使った酢飯にプチプチ、コリコリ、とろり、と色々な食感が合わさり、口の中で広がる。脂ののった味わいが、バターのように濃厚なのに肉と違って食べ飽きず、胃にももたれない。魚のうま味はこんなにも後を引くものだということにも感動する。

同店の海鮮丼は酢飯に使うコメと酢を好みで選ぶことができる。白米や普通の酢の代わりに「21雑穀米」や赤酢など珍しい素材に変えたり、具材も刺し身を単品で追加したり、その日ある刺し身を自由に組み合わせたりしてオリジナルの丼を作ることもできる。

追加のトッピングとしてぜひ味わってほしいのはマグロの「脳天」。一般には出回らない同店の名物で、マグロの希少部位のことだ。とろけるような脂がのって、マグロの部位というより、和牛の霜降りステーキのような味わいだ。マグロ一体からとれる量はわずかで(100キログラムのマグロから丼3食分のみ)、脳天が入荷した日は開店後すぐ売り切れてしまう。またこの部位だけを丼にした「脳天丼」も大人気とのこと。

「当店は『豊洲や築地で食べたら5000~6000円の丼を、2000円前後でリーズナブルに提供できる丼専門店』というコンセプトでオープンしました。特注の容器でテークアウトも可能で、近隣の住民や会社員の方にもよく利用していただいています」(同店運営会社の鈴木慎悟氏)

新進気鋭の料理と言える、そびえ立つ海鮮丼。単なる見栄えを超えた、奥深い味わいを多くの人に知ってもらいたい。盛り上がった魚介のタワーに箸を差し込む瞬間は積み上げたドミノやジェンガを一気に崩す快感にも似ており、それもまた病みつきになる魅力ではないかと感じた。

(フードライター 浅野陽子)

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