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『高校教師』やセカチューの絆再び 2018恋愛ドラマ 恋愛ドラマをひもとく(下)

2018/12/27

二人の愛を妨げるハードルは「カセ」と呼ばれているが、90年代に入ると3つの代表的なカセが登場する。

まずは、1993年、野島伸司氏脚本の『高校教師』だ。女子高に赴任したばかりで戸惑う教師とそんな彼に手を差し伸べ、付きまとう一人の女子高生との禁断の愛の物語である。

教師と女子高生の禁断の愛を描いた(C)TBS

最終回、列車の車中で車掌が彼らに声をかけるが、寄り添って目を閉じた二人を見て立ち去る。二人の小指には赤い糸。手すりから手が落ち、垂れさがる。物語はそこで終わる。お茶の間はこのラストシーンの解釈を巡って紛糾した。心中説、夢説、駆け落ちや居眠り説など。いずれにせよ、そこまで視聴者をひきつけたのは、倫理上は許されないながら共感してしまう、教師と生徒の禁断の愛というカセの持つ力だった。

主題歌「LOVE LOVE LOVE」もドラマを盛り上げ、大ヒットした(C)TBS

次に登場するカセは、1995年の『愛していると言ってくれ』でみられる。脚本は北川悦吏子氏。女優の卵と耳が聞こえない画家との恋の物語。 当初は自らの障がいを負い目に感じ、彼女を避けていたのだが、次第に彼女のいちずな思いを受け入れ、愛し合うようになる。そんな二人の間に幾度となく立ちはだかる「障がい」という壁。たとえ声に出せずとも、心を通わせる二人の姿にお茶の間は共感した。

情景豊かな映像美が、禁断の逃避行を盛り上げた(C)TBS

そして、3つ目が、1997年の『青い鳥』である。平凡な田舎町の駅員が、ある日、一組の母娘に出会い、不倫そして逃避行へと禁断の愛を貫く話である。 珍しいロードムービー風の作品であり、全国を縦断したロケと、情景豊かな映像美が、禁断の逃避行を盛り上げた。まさに、背徳の美学である。

90年代のドラマのカセは、等身大の愛を描く時代背景が生んだ、リアリティーの産物だった。特に、この3つのドラマで生まれたカセは、それ以降のドラマでもしばしば用いられるようになるなど、視聴率以上に記憶にも残る作品となったのだ。

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