Men's Fashion

ファッションはその人の「人間性」を推し量る物差しだ

リーダーが語る 仕事の装い

タニタ社長 谷田千里氏(上)

2019.1.1

健康づくりに関するさまざまな機器やサービスを提供するタニタ(東京・板橋)。はかりメーカーからスタートして、カロリーや塩分を抑えた食事を提供するレストラン「タニタ食堂」の運営を手がけるなど、いまや健康総合企業へと成長を遂げた。そのトップを務める3代目社長の谷田千里氏は、調理師免許や家庭科の教員免許を持つ異色の経営者。「もともと服装には無頓着だった」という谷田社長に装いの流儀について聞いた。




――社長という立場上、やはり普段はスーツですか。

「仕事の時はいつもスーツを着用しています。社内ではクールビズの期間を設けていますが、私はその期間もネクタイを外しません。タニタに入社する前、コンサルティング会社に3年勤務した経験があります。そのときの上司に『クライアントには服装のマナーに厳しい方もいるので、きちんとした装いを心がけるように』と教え込まれました。それを今もしっかり守っています」

「確かにクールビズはエコで快適だと思います。でも私が日常的に出会う経営トップの方々は夏場も長らく上着とネクタイを着用してこられました。夏でも私がスーツで通すのはそんな先輩方への敬意と商談にかける意気込みをしっかりと伝える狙いがあります。また、スーツだと自分のセンスのなさをごまかせます。ジャケットにパンツと、上下で色を変えて着こなすセンスは、私にはありません」

■ブラック・イズ・ストロング

――どのようなワードローブをお持ちですか。

「季節に応じたスーツを10着ほどそろえ、それらを着回しています。色味は青系と黒が中心です。青は会社のシンボルカラーという理由からで、黒は一時期勤務した米国の現地法人(タニタアメリカ)の上司から『ブラック・イズ・ストロング』といわれていたからです。淡い色だと印象も薄れがちですからね」

「スーツの色味は青系と黒が中心」