ファッションはその人の「人間性」を推し量る物差しだタニタ社長 谷田千里氏(上)

「ワイシャツは白がほとんどで、ネクタイは150本持っています。青系が中心で、赤系は『赤字』を想起させるのでせいぜいピンク色くらいのネクタイにしています。オランダとも仕事でお付き合いがあるのですが、ナショナルカラーのオレンジのネクタイを締めて、大使館に行ったときはさすがに目立ちました」

「服は妻任せ」と話す

――服選びはご自分ですか。

「いえ、基本は妻に任せています。ネクタイやワイシャツは全て妻が購入し、それを私が毎日選んで着ているだけ。妻と一緒に選ぶのはスーツを新調するときくらいで、アメリカで買う場合がほとんどです。高校時代にレスリングをやっていたせいか、私の腕は長めですが、海外製だと、既製品でも直さずに着られるので助かります」

――スーツとの出合いはいつでしょう。

「成人式に母に買ってもらったのが最初です。自宅近くの紳士服量販店で購入したお手ごろ価格のものでした。以来、量販店でスーツを何着か購入していましたが約10年前、妻の勧めで20万円ほどするヴェルサーチのスーツを買ったんです。値段もそれまでのものとは大違いですが、着心地が違うし、鏡に映る自分も別人に思えました。スーツにお金をかけるようになったのはそれからで、ヒューゴボスなどが気に入ってます」

海外ブランドのスーツに「着心地が違うし、鏡に映る自分も別人に思えた」という

■服装に周囲との人間関係が透けて見える

――ヴェルサーチのスーツ購入はちょうど2008年の社長就任の時期と重なりますね。

「よっぽど親しい間柄なら別ですが、周囲の人が相手の服装について何かいうことはほとんどありません。まして社長になると一層それを痛感します。スーツに汚れがついた社長を見かけますが、お付きの人は誰も『社長、汚れがついてますよ』とは言わないし、言えない」

「社長になれば記者発表会をはじめTPO(時、場所、場合)に応じた装いが求められると思っています。自分は『いい』と思っても、周囲はそうは思わないこともあるわけです。社長の立場で強弁は可能ですが、そこに周囲との人間関係が透けて見えてくるわけです。助言や注意をしてくれる人が自分の周りにどれだけいるか。そこにその人の人間性が表れる。服装はある意味、それを推し量る尺度の一つであるような気がします」

(聞き手は堀威彦)

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