観客1.8倍 ベイスターズのマーケター、反撃の一打横浜DeNAベイスターズ事業本部本部長 木村洋太氏

「スポーツにはエモーショナルなマーケティングが合います。たとえば、選手がホームランを打ったり、試合に勝ったりすれば、わぁっと盛り上がりますよね。そのときにチアガールがベイスターズのタオルを掲げたり、振ったりして盛り上げれば、お客さんもタオルを買おうかと思うでしょう」

マーケターこそ全社的な視点を

――デジタルマーケティングには、どう取り組んでいますか。

「今季から交流サイト(SNS)に力を入れています。広報部門でインスタグラムやツイッターのアカウントを持ち、球団として発信する姿勢を明確にしました」

「これはアクティブサラリーマンの後を見越した戦略です。時がたてば、ファンの年齢層も上がっていきます。健全な経営には、一定割合の若返りが欠かせません。最近はテレビ中継も減り、子どもと野球が遠くなっています。若者にアプローチするためにも、デジタルの取り組みが必要でしょう」

――なぜベイスターズに入ろうと思ったのですか。

子どもや若者のファンを増やしていくのも課題だ

「コンサルタント会社で働いていましたが、DeNAが親会社になった12年1月に新聞に載った人材募集の記事を見て応募しました。経験が生かせると思いましたし、当時見た映画『マネーボール』の影響もありました。米大リーグの貧乏球団のゼネラルマネジャー(GM)が、データを利用する新しい手法で再建に挑む話です。大リーグに比べ、日本のプロ野球がさほど盛り上がらないのはなぜかと疑問を感じたのも志望理由でした」

「私はマーケティングとは、全社的な視点を持ち、経営全般の軸や方針を決める仕事だと考えています。数字に強いとか、調査・分析手法に詳しいというより、どのようにお客さんと向き合うかが肝心です。優れたマーケターは、データを超えてお客さんの潜在ニーズを探し当てる力があるのではないでしょうか。米アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏は『消費者調査でこういう結果が出たので、こんな新製品をつくりました』とは言わないですよね」

木村洋太
米系戦略コンサルティング会社を経て、2012年横浜DeNAベイスターズに入り、事業本部チケット営業部長、経営企画本部長などを歴任。横浜スタジアムの改修計画(コミュニティボールパーク化構想)や横浜スポーツタウン構想、IT戦略策定なども手掛ける。2018年1月、執行役員事業本部本部長

(笠原昌人)

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