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動画を共有「TikTok」 音楽ヒットの新たな発信源に

日経エンタテインメント!

2018/12/26

「『め組のひと』の他にも話題になった曲はあって、例えば、『シリシリダンス』という踊りが人気を集めたのですが、これはルーマニアのマッテオというアーティストの『パナマ』という曲に合わせて踊るもの。TikTokでの人気を受けて、ユニバーサルミュージックさんがリリースすることになったんですが、その際に『シリシリダンス』という文字を大きくフィーチャーしたジャケットにされていました。

最近は楽曲のプロモーションの場として、関心を持っていただくようになりました。アーティストによっては、自発的に動画を投稿するなど取り組んでいただいている例もあります」

最近では、イベントのPRの場としても存在感を示している。夏には、「a‐nation 2018 supported by dTV & dTVチャンネル」や「ULTRA JAPAN」とコラボレーション。9月には愛知県常滑市で開催された「第2回 常滑お笑いEXP」に協賛し、自治体と協力して、地域の観光や文化を発信した。

「a‐nationでは専用アカウントを開設し、浜崎あゆみさん、倖田來未さんなど29組の出演アーティストに61の動画を投稿していただいたところ、動画の総再生回数は8月29日時点で960万回を突破しました。TikTokにはAIが組み込まれているので、日頃からa‐nationに出演されるアーティストの楽曲を選んだり、好みが似ていると判断したユーザーにa‐nationアカウントをレコメンドするようにもしました。そんな方が反応すると、関連するお友達などにも広がっていく。非常に早くバズったと思います。

一番大事にしているのが、例え広告や協賛であったとしても、TikTokならではの世界観に合う、遊び心があるものをお勧めしています。TikTokは基本的にユーザー・ジェネレイティッド・コンテンツ(UGC)です。ユーザーが作った動画を、他のユーザーが『いいね』などリアクションをすることで、大きなムーブメントへと育っていきます。まずお伝えしているのは、『広告を打ってもビューは伸びません』ということ。『あれ?』と思わせる、TikTokらしい動画でなければ広がらない。そこを一緒に考えていきましょうとお話しています」

■スマホでの撮影は更に多様化

若い世代は流行り廃りが激しい。彼らを飽きさせない工夫に余念がない。一方、「ずっと女子高校生が使うアプリという位置づけでいるのは不本意ではない」とも語る。

「若い人はトレンドのスピードが速いので、秋であればハロウィン、梅雨の時期であれば雨のエフェクトなど、シーズナリティを以て飽きさせない工夫をしています。ユーザーは、“今”をどんどんキャプチャして投稿していくので季節感は大事ですね。

1年先にサービスを開始した中国では、ユーザー層が拡大しているんですね。また、18年6月の当社の調査では、日本での新規ユーザーの約30%が26歳以上を占めています。年上のユーザーは、スマホのインカメラだけなく、アウトカメラで美しい風景を撮ったり、食べ物を作っている様子に音楽をつけて投稿するケースも多い。今後は外に向いて撮影する際に使える効果のニーズが今後高まっていくのではないかと思います。私たちのメインテーマは、瞬間瞬間をキャプチャして、ユニークな形でシェアしていただくこと。見る側にとっては、新しいアングルや視点などに気づいて楽しんでいただきたい。世代によっての使い方があると思っています。

今後、スマホで何かを撮影することに対して、飽きが来るとことはなきにしもあらずですが、スマホで写真や動画を撮ることの重要度が極端に短いスパンで下がることはないと考えています。むしろ、撮り方のバラエティ感がさらに増えていくのではないかと思います。長く楽しんでいただくプラットフォームとして、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)をはじめ、最新の技術を一般の方が簡単にできるように取り組んでいくことになると思います」

(日経エンタテインメント! 羽田健治)

[日経エンタテインメント! 2018年12月号の記事を再構成]

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