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動画を共有「TikTok」 音楽ヒットの新たな発信源に

日経エンタテインメント!

2018/12/26

中国発の動画共有プラットフォーム「TikTok」の利用が加速度的に進んでいる。App Storeにおける2018年上半期のアプリダウンロード数は全世界1位。日本でもティーンを中心とする若者層に支持され、18年7月には月間動画の再生回数が130億回を突破した。普及に伴い、倖田來未の『め組のひと』など、動画のBGMとして人気を集める楽曲が次々と出現。新たなヒットの発信源として、音楽業界とのコラボレーションも盛んになっている。

「TikTok」 中国のメディア企業Bytedanceが提供する動画共有プラットフォーム。日本では2017年からサービス開始した。18年7月には日本国内での動画再生回数が130億回を超えている。TikTokで投稿できる動画の長さは15秒程度

TikTokの基本的な使い方は、好きな音楽に合わせて15秒程度の動画を撮影・加工し、投稿するというもの。アカウント登録をすれば気になるユーザーをフォローしたり、動画にコメントや「いいね」を付けることができる。いわゆる、動画SNSに分類される。

2018年5月にBytedance社に入社。同社の日本における戦略提携やTikTokなどのコンテンツアグリゲーションおよびプロモーションを担当している(写真:吉澤咲子)

TikTokを支持するのは、ティーンを中心とする若年層だ。ジャストシステムの調査によると、10代の71.5%がTikTokを利用したことがある、もしくは知っていると回答している。動画SNSといえば、「Vine」(17年サービス終了)や「MixChannel」など様々なサービスが登場してきたが、今なぜ若い世代はTikTokに熱狂するのか。TikTokを運営するBytedanceの井藤理人氏は、次のように分析する。

「TikTokは、プリクラから続く『自撮り』文化の進化系だと思っています。プリクラは自撮りをして、シートを切って手帳に貼っていましたが、TikTokはその動画版。きれいにかわいく撮影できて、加工や編集をして投稿し、友達とシェアできる。そして今の時代、自分のバリューを『いいね』の反応など何らかの形で図りたい。そんな若い世代のニーズにフィットしたのではないかと思います。

顔認証や動作認証といった技術を用いた加工機能に力を入れていて、美容系では『顔が白くなる』『小顔になる』『目が大きくなる』『足が長くなる』といった加工が動画でもでき、モノクロやセピアなどになるフィルターも充実しています。あとは、スタンプ。LINEなどで使われるものとは違い、例えば、今人気があるのは、髪の毛の色がパープルになったり、ピンクになったりする効果。髪の毛が動いてもカバーします。この他にもシャボン玉が飛んだり、花びらが舞ったりといった効果がボタン1つで選べる。そんな撮影から投稿までのすべてをスマートフォンのアプリ内でできるんです。

LINE、インスタグラムなど、モバイル世代が自分の立ち位置をアピールする、意見を発信するメディアが多数あるなかで、TikTokはまず15秒の動画クリエーションができるのが最大の違い。そしてこれはデバイスの進化のおかげでもあるんですが、これまでいろいろサービスで出てきた加工やフィルター、編集の技術がよりスムーズに、しかもモバイル世代にとっては簡単にできるところが、心を捉えたのかなと思います。

そして、音楽も大きな存在です。ユーザーは、好きな曲を選んでそれに合わせて動画を撮影できます。ユニークなのは、音楽のスピードを変えられる点ですね。オリジナルのスピードで踊ると非常に難しいじゃないですか。なのでよくあるケースが、撮影時はテンポを落としてゆっくり踊り、アップをするときに通常のスピードに戻す。非常にきれいに、上手に踊っているように見えるんです。普通に撮った動画を、あえて早回しでアップするという利用も多いです」

■倖田來未『め組のひと』が話題に

この音楽機能は、音楽業界に大きな影響を与えた。動画のBGMとして人気を集めた楽曲が、TikTokの枠を超えてヒットするようになったのだ。その代表例が、倖田來未の『め組のひと』。オリジナルは1980年代の名曲で、倖田は2010年発売のアルバムの1曲としてカバーした。この楽曲を早回しをして踊る動画が、TikTokで自然発生的にブームに。7月時点で、同曲を使った動画の投稿数は55万4000件、再生回数は2億5000万を超えている。この人気がTikTokの外へと拡大し、6月28日付のLINE MUSICデイリーランキングで1位を獲得するなど、音楽配信チャートで上位に入った。

「音楽を選んだり、動画を加工する『クリエーションページ』に並ぶ音楽はすべてレコード会社などから許諾をいただいたオフィシャルの楽曲です。TikTokと音楽の親和性は高く、各レーベルさんにご協力をいただいています」

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