検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

NYは1日入院で数千ドル 海外旅行、治療費の注意点

いまさら聞けない大人のマネーレッスン

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

今年も残すところあとわずか。年末年始を海外で過ごす人もいるのではないでしょうか。ご存じのとおり、海外と日本の医療事情は異なります。万が一、病気やケガをしたとき、治療費はどうなるのか。知っておくと安心です。

結論からいいますと、海外で支払った治療費は、全額自己負担になるわけではありません。日本に帰国してから申請をすれば、支払った費用の一部が支給される制度があります。「海外療養費制度」といいます。自己負担割合は国内と同じ。健康保険の自己負担が3割の人は、残りの7割が海外療養費として支払われることになります。

美容整形やインプラントは対象にならない

ただし、「海外で支払った治療費」の7割が、そのまま支給されるわけではありません。

日本では「診療報酬」といって、一つひとつの医療行為の価格が決められています。この診療報酬をもとに、日本で同等の治療を受けた場合の費用を算出し、実際に支払った費用と比較して、少ない方の額の7割が支給されます。

たとえば、海外で50万円の治療費を支払ったとしましょう。その病気やケガの日本国内での治療費が30万円だった場合、自己負担割合が3割の人であれば30万円の7割、21万円が支払われます。

海外と国内の治療費の差額、20万円は支給されず、最終的な自己負担額は、50万円-21万円=29万円になります。治療費が日本より高い国では自己負担が多くなる、ということですね。

また、海外療養費の支給対象となるのは、日本国内で保険適用となっている医療行為のみです。美容整形やインプラントなど、保険適用外の医療行為や薬が使用された場合は対象になりません。

念のため申請書類は所持、申請期限は2年なので注意

海外療養費の申請には、「申請書」「診療内容明細書」「領収明細書」「現地で支払った領収書の原本」「パスポートの写し」「海外の医療機関等に対して照会を行うことの同意書」などが必要となります。

このうち「診療内容明細書」「領収明細書」は、治療を受けた現地の病院で、必ず受け取る、あるいは、記入してもらいましょう。現地の様式の明細書でも、申請可能な健康保険組合が多いようですが、念のため、日本の様式のものを持っていき、記入してもらうとベストです。

いずれも健康保険組合のウェブサイトでダウンロードできます。

明細書は、外国語で記入された場合、日本語の翻訳を添付する必要があります(ほとんどのケースで外国語で記入されると思われますが……)。翻訳者に頼む場合は、その氏名や住所も記入します。もちろん自分で翻訳しても大丈夫です。

申請先は加入している健康保険組合です。海外で医療費を支払った日の翌日から起算して2年が経過すると、申請する権利がなくなりますので注意してください。

また、外貨で支払った医療費は、支給を決定する日の為替レートで円に換算され、計算されます。支給の決定日が、現地で治療費を支払った日よりも「円高」であれば、自己負担が軽減されます。が、「円安」であれば、支給額は目減りしてしまいます。

米国では医療費が高額なので事前に対策を考える

では、実際のところ、海外の治療費はどれくらいかかるのでしょうか。本稿では、米ニューヨークと英ロンドンの医療事情をみてみましょう。

まずは、米国のニューヨーク周辺。外務省のウェブサイト(※1)によると、一般の初診料は150~300ドル、専門医を受診すると200~500ドル、入院した場合は室料だけで1日数千ドルの請求を受けることがあるそうです。

上腕骨を骨折し入院手術(1日入院)した場合は1万5000ドル。貧血による入院(2日入院、保存療法施行)で2万ドル。急性虫垂炎で入院し、手術後腹膜炎を併発した場合(8日入院)には、7万ドルの請求が実際にされています。

治療費は、診察料・施設利用料・血液や画像の検査代・薬品代など、それぞれ別個に請求されるので注意する必要があります。

ニューヨーク市マンハッタン区の医療費は、同区外の2~3倍高額であるともいわれており、米国内の中でも特に高額とのこと。ニューヨークへ渡航する場合は、後述する海外旅行保険に加入した方が良さそうです。

(※1)外務省「世界の医療事情 アメリカ合衆国(ニューヨーク周辺)」

英国では短期旅行者は公的医療機関を原則利用できない

次に、英国のロンドンです。

英国の医療機関は、国が運営する「NHS(北アイルランドにおいてはHSC)」と、「プライベート医療」の2種類があります。

NHS、プライベートのどちらの場合でも、診察の際にはまず家庭医を受診する必要があります。さらに必要があれば、家庭医からの紹介を受けて病院の専門医を受診します。日本のように、直接患者が病院の専門医を受診することはできません。

NHSは税金で運営されていて、加入者は自己負担なく医師の診察を受けることができます。ただし、6カ月以上合法的に英国に滞在する場合を除き、旅行者や短期滞在者はNHSを利用できません。このため、救急の場合を除いて、原則プライベート医療機関を利用することになります(※2)。

東京海上日動によると、プライベート医療での治療費は、虫垂炎で約44万4700円(2日入院)、アキレス腱(けん)断裂で約82万5800円(3日入院)、胃腸炎で約3万1800円となっています(※3)。

(※2)外務省「世界の医療事情 英国」

(※3)東京海上日動 「世界各国の医療事情 イギリス/ロンドン」

医療費が高い国へ行くときは海外旅行保険への加入を

このように、それぞれの国によって医療事情は異なります。出発前に、外務省のウェブサイト「海外渡航・滞在」やガイドブックなどで、渡航先の医療事情を確認しておきましょう。

海外療養費制度だけでは費用をカバーできない可能性がある場合は、民間の海外旅行保険への加入を検討してください。補償内容は、治療・救援費で各1000万円、賠償責任費で約1億円程度が1つの目安となります。

損保大手4社の事故対応は、各社ともほぼ同じ。病気やケガをしたら、専用のコールセンターに連絡し、紹介された提携病院で治療を受けます。治療費が保険金の上限に収まっていれば、自己負担なしにその場で精算できます。

ウェブサイトやスマートフォンから加入手続きをすると、店頭で加入するよりも、保険料が安くなることがあります。事前にネットで手続きを済ませておく方がよいでしょう。

2つのクレジットカードの補償額を合算できる場合も

クレジットカードを持っている人は、付帯している海外旅行保険を確認しましょう。付帯している保険には、カードを保有しているだけで補償されるタイプと、旅行費用をそのカードで決済した場合に限り補償されるタイプがあります。

ただ、一般的なクレジットカードでは、補償金が低めに設定されています。渡航先の医療費が高額な場合は、やはり海外旅行保険に加入する方がよいでしょう。

複数のカードを持っている人は、治療費用については、各カードの補償額を合算できる場合があります(実際に支払った治療費が限度額となります)。たとえば、2つのカードの補償額がそれぞれ100万円であれば、最高200万円の補償を受けられます(カードの発行会社が同じ場合は、合算できないことがあります)。治療費が安い国に行くのであれば、十分かもしれませんね。

それでは、よい年末年始をお過ごしください。

井戸美枝
ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金部会委員。確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員。経済エッセイストとして活動。近著に「5年後ではもう遅い!45歳からのお金を作るコツ」(ビジネス社)、「身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと介護のこと」(東洋経済新報社)、「100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!」(集英社)、「届け出だけでもらえるお金」(プレジデント社)など。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_