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万年筆にカッター 2018は文具バージョンアップの年

文具で振り返る2018年(納富廉邦のステーショナリー進化形)

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NIKKEI STYLE

いよいよ2018年もあとわずか。この1年間に登場したさまざまな文房具の中から、文具を見続けてきた納富廉邦氏が注目した製品を紹介する。納富氏によれば、使い勝手を向上させた「バージョンアップ文具」が面白かった一年だったという。

◇  ◇  ◇

2018年の文房具は、派手な大ヒットはなかったものの、従来の文房具で、誰も気がついていなかった(または、みんなが思っていたけれど我慢できる範囲なので黙っていた)部分を改善して、使い勝手を向上させたという製品が目立った。昔からある文房具でも、今はその使い方が変わっているというようなものを、現在の使い方に合わせてバージョンアップしたものにも良い製品が多かったように思う。

例えば、クリアホルダーやクリアファイルをはじめとする「ファイル管理ツール」。当たり前のように使っているこの分野にも、従来の不満点を解消した、ユニークな新作が登場している。

クリアホルダーを管理しやすく

キングジムの「カキコ」は、透明なポケットに書類を入れて後で閲覧するというクリアファイルの面倒くさい弱点を解決した上で、新たな機能も付加した製品だ。

クリアファイルは、書類を本のようにパラパラと閲覧できて、並び順も変更できる、とても便利な製品だということは言うまでもない。だが意外に面倒なのが書類の出し入れ。中に入れた書類に書き込みたい場合にも、いちいち書類を取り出す必要がある。

「カキコ」は透明なフラップを上下に付けることで書類を挟むようになっている。書類のほとんどは外に露出しているので、ファイリングした後でも自由に書き込みができるのだ。サインが必要な書類などでも、ファイルごと渡してサインをもらうことができる。上下を挟むだけだから書類の出し入れも簡単。それでいて閲覧性は、従来のクリアファイルと変わらない。

同じジャンルでは、コクヨの「クリヤーホルダーファイル<KaTaSu>」も面白い。

<KaTaSu>は、クリアホルダーで書類を管理するシリーズ。ふせんやラベル、ボックスなどがラインアップされているのだが、この製品は書類を挟んだクリアホルダーをファイリングして持ち歩けて、しかも閲覧もできる製品なのだ。うまいのは、クリアホルダー自体はファイルに挟むだけで良いこと。きちんとファイリングするのが面倒だからクリアホルダーで管理しているのに、それをまたファイリングさせるのでは本末転倒。気軽に使えるようにしなければ意味がない、という部分をきちんと押さえている。

クリアホルダーのように書類を整理するモノではないが、「机の中のモノを整理する」という意味では、キングジムの「かたづけマス」もいい製品だった(記事「引き出しの整理グッズ ブロック感覚でレイアウト自在」参照)。

 引き出しの中に文房具などの定位置を作ることで、道具の出し入れ、片づけをスムーズにして結果作業効率を上げようという製品だが、それ以上に「自分の愛用品の形をした置き場所を自分の好きに作ることができる」というのが魅力だったのだ。

以前からある、ウレタンやスポンジを切り抜いて専用の置き場を作るタイプでは、失敗が許されないし、使う道具が変わったらまた最初から作り直しになる。「かたづけマス」では、ブロック型のウレタンを穴が空いたシートに並べていくというスタイルにすることで、何度でもやり直せるようにした。そもそも道具の最適な位置なんて使ってみなければ分からないわけで、やり直せないと怖くてやっていられないような作業だったのだ。その意味でも、この製品の登場は大きかった。

段ボールカッターは新ジャンルになるか

文房具の新しいジャンルが登場したのかもしれないと思ったのが、「段ボールカッター」。これも不満を解消した製品だ。

段ボールを開けるのにカッターナイフを使っている人が多いだろうが、カッターナイフだと、切れ過ぎてうっかり中の荷物を傷つけてしまう危険がある。最近のように、とにかく通販などで段ボール箱を開ける機会が増えてくると、やはり専用の道具が欲しくなる。

ミドリの「ダンボールカッター」は、そういった状況の中で、出るべくして出た製品なのだと思う。セラミックの刃は指を切ることはなく、中の荷物を切るほど大きな刃ではないが、段ボール箱を閉じているテープは確実に簡単に切れる。

力を入れやすい形状ながら、コンパクトで場所を取らない。ひもを付けてどこかに下げておくこともできる。指などが切れるような刃ではないとはいえ、使わないときは刃を露出させないようになっているので安全性も高い。

同じような製品に、ゼブラの「マッキーワーク」がある。こちらは「マッキー」の愛称で知られるゼブラの油性マーカー「ハイマッキー」の細字の方のキャップに段ボールカッターを付けたものだ(記事「裏写りしない・消せるモデルも マッキー40年の変遷」参照)。

 段ボールに何が入っているかをメモする筆記具と言えばマッキーを真っ先に思い浮かべる人は多いだろう。なら、そのマッキーに段ボールカッターも付いていたらなお便利、というのは安直のようだが、しかし筆記具に刃物を付けるという発想はそうそう出てくるものではない。

もちろん、刃はプラスチック製で、指や箱の中の荷物を切ってしまうことはない。刃物の持ち込みが禁止されている現場でも安心して使える。こういう製品を見ると、段ボールカッターは家庭や職場にあって当たり前の文房具の一つになったと思うのだ。

不満を解消した筆記具たち

筆記具にも新しさを感じさせる製品が登場している。

人気が高い初心者向け万年筆では、プラチナ万年筆の「プロシオン」が新しいと思った。スチール製ペン先の初心者向け万年筆なのだけれど、インクブームといえる現在、万年筆としてどのような製品が使いやすいのかを考えた製品なのだ(インクブームに関しては、記事「1000円台のカジュアル万年筆 人気支える2つの理由」参照)。

プロシオンはペン先の下の部分に小さな穴が開いてており、インクを吸引するコンバーターを装着した際は、ここからインクを吸う仕組みになっている。つまり、ペン先を少しインクにつければ、それでインクが吸入できるというわけだ。万年筆をボトルインクで使っている人なら、この仕組みがとてもありがたいことがわかるだろう。

従来の万年筆では、インク吸入時には、首と呼ばれるペン先の根元の樹脂部分までインクにつける必要があった。だから瓶のインクが少なくなると、万年筆にインクが入れにくかった。その一方で、インクがたくさんあるときは、首までつけるから、吸引後にペンに付いたインクを拭きとるのも大変だった。それらの面倒くささを「プロシオン」は一気に解決してしまったのだ。

多機能ペンで注目したのはトンボ鉛筆の「ズーム505mf」。多機能ペンにキャップを付けるというのは一見時代に逆行するようだが、その結果、多機能ペンの持つデザイン上の安っぽさがなくなったのには感動した。多機能ペンの持つ「軸が太い」という欠点も、「軸が太いからカッコいい」という万年筆風のデザインにすることで解決している(記事「最新『多機能』ペン 価格、替え芯で製品の幅広がる」参照)。

安価な筆記具にも面白い製品が登場した。

ゼブラの「サラサマークオン」は「書いた上から蛍光ペンでなぞっても文字がにじまない」というジェルインクボールペン。あまりにもニッチな、しかし学生には間違いなく重要なポイントを見事についた製品企画と、それを実現した技術に感心した。

発売が2017年10月とぎりぎり2018年ではないが、コクヨの「エラベルノ」も最後に紹介しておきたい。3種類の太さのペン軸、油性とゲルという2種類のインクを組み合わせて、自分に合う書き心地のペンを作ることができる。税別200円という価格でそれを実現した、大胆な製品企画も面白いと思った。

その他にも「ライトライト」や「ブレン」(ともにゼブラ)など、2018年は使ってみて感動した筆記具が多い一年だった。こういった進化形筆記具については、近いうちにまとめて紹介する予定なので、ここでは名前をあげるだけにしておこう。

納富廉邦
 佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、かばんや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人のカバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。

納富廉邦のステーショナリー進化形 バックナンバー
仕事の筆記具変えた、本当に芯が折れないシャープペン
立つペンケース、大人も支持 働き方の変化で機能進化
実は見られている名刺入れ 機能や外観で選ぶ6モデル

(写真 渡辺慎一郎=スタジオキャスパー)

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