法政大学キャリアデザイン学部准教授 田中研之輔

法政大学キャリアデザイン学部准教授 田中研之輔
2017/10/27

この3つは避けましょう。大学に通わしてくれた親御さんにあまりに失礼です。この3つは絶対にしないということを肝に命じた人に、次の2つのポイントを伝えますね。これを守れば、卒論で路頭に迷うことはなくなるはずです。

卒業論文の執筆ですべき2つのこと

1 執筆行程のスケジューリング化

手帳でもPCでもいいので、卒業論文の執筆行程をスケジュール化してください。私のゼミでは、12月中旬の締切に向けて、10月初旬に5000字提出、11月上旬に13000字提出、11月下旬に2万字を仮完成し、提出まで推敲を重ねる行程で行っています。

卒論のブレストは、チームで

でもできれば、もう少し早くから取り組みたいですね。ただ、4年生の前期は就職活動でなかなか卒業論文に打ち込む時間を確保できないですよね。大学生活最後の夏休みは、バイトやインターンの合間に旅行に行ったり、友達と遊んだりして、あっという間に過ぎていってしまいます。

大切なことは、最低でも数カ月はかけて、文章を書き溜めていくことです。2万字以上の文章を書いていくと、今まではただの情報として素通りしていた事柄が気になるようになります。今、取り組んでいる文章に何か使えるのではないか、というひらめきが起きるのです。図書館や本屋にも通うようになり、関連書籍や文献を読み漁るようになります。

2 研究論文の型を模倣する

卒業論文は、関連する研究論文の型を模倣して書いていきましょう。いかなる研究領域でも、(1)問題関心、(2)先行研究の検討、(3)方法論の提示、(4)事例の分析、(5)事例の考察、(6)結論、の骨格からなります。このいずれかが欠落していると、卒業論文にはなりません。「ちょっと頑張ったレポート」で終わってしまいます。

一番の近道をこっそりお教えしましょう。「キーワード、(専攻領域)、pdf」 という検索をかけて、関連文献を見つけ出すことです。たとえば、「少子高齢化、社会学、PDF」とか、「組織経営、経営学、PDF」と打ち込むのです。より具体的なキーワードを選択すれば、さらに関連する文献を見つけ出すことができます。もちろん、これを英語で入力すれば、世界中の論文や専門的な資料にアクセスすることが可能です。そこで手にした関連文献の構成=型を徹底的に真似しながら思考を深め、分析を展開していくことが卒論執筆です。

卒業論文の執筆のコツについては

田中研之輔『先生は教えてくれない大学のトリセツ』(ちくまプリマー新書)に詳しくまとめてあります。読んでみてくださいね。

さて、卒業論文は誰のために書くのでしょうか? その答えはわかりましたよね。卒業論文はあなた自身のために書くのです。そして、大学まで通わせてくれた両親への感謝を込めて、製本した卒業論文をプレゼントしてください。きっと喜んでくれると思いますよ。

田中研之輔 (たなか・けんのすけ)
 法政大学キャリアデザイン学部准教授、デジタルハリウッド大学客員准教授。博士(社会学)。1976年生まれ。一橋大学社会学研究科単位取得退学、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校大学院社会学研究科客員研究員を経て現職。著書に『先生は教えてくれない大学のトリセツ』(ちくまプリマー新書)など。
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