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「インターンなんてつまらない」と思ってしまった人に

大学のトリセツ(1)

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NIKKEI STYLE

はじめまして、法政大学で教員をしている田中研之輔です。これまで9つの大学で教え、3000人以上の学生と接してきました。教員として専門的な知識を伝えていく立場にはありますが、日頃から大学生のみんなと接していて、いろんなことを私自身が学ばせてもらっています。

さて、大学生のみんなと教員である私とは、一つ決定的に違うことがあります。何か、わかりますか?

「大学生は、人生で一回限りの大学生活をいま過ごしているのに対して、教員の私は人生で何度も大学生活を送っている」ということです。みんなは受験を突破して、新入生として大学に入学してきます。それから様々な経験をして、卒業して社会へ旅立っていきます。 

大学の活かし方って?

教員は3月末の卒業式でみんなを送り出すと、その翌週には入学式で新入生を迎えます。これを定年になるまで経験し続けるのが大学の教員です。私は大学生を迎え入れ、大学生を送り出すことを通じて、その間の学生の成功や失敗、それらをふくむ成長そのものを見届けています。

そんなふうに何回も大学生活を送っている私は、あるとき、大学生のみんなが同じようなタイミングで、似たような内容で思い悩み、つまずき、また、それを乗り越えるときの法則のようなものがあるのではないかと感じるようになりました。この連載では、私の大学でのそうした学びをみんなに届けていきます。読んでいくと、「あ、これ、俺のことだな」とか、「たしかに、私にもそんなところあるな」と自分事として感じられることもあるかもしれません。

そうした具体的なエピソードをもとに、自分にとってベストな「大学の活かし方」を考えていきます。「トリセツ=取扱説明書」という言葉にはそんな思いを込めています。

今、みんなの顔を思い浮かべて書いています。これを読んで、何かを感じたり、何かを考えたら、ぜひ、ブログやtwitter等で発信してみてください。公開するのはちょっと勇気がいるという場合には、「田中研之輔」という私の名前を検索してもらえれば、ホームページがみつかります。ホームページの書き込みフォームに思ったことを綴ってもらってもかまいません。大切にしたいのは、みんなとの「対話」です。リアルには会えないけど、この「大学のトリセツ」をとおして「対話」を深めていきたいと思っています。

それでは早速、「大学のトリセツ(1)」に入っていきましょう。 第1回はインターンの悩みから答えていきましょう。

「インターンがつまらなかった」と思ってしまったら

夏休み明け、2年生の佐野理紗(仮名)さんが「A社のインターンに行ったのですが、すごくつまらなかったです。働く自信をなくしました」と相談してきました。 詳しく聞いていくと、つまらなかった理由は、下記の二点だと話してくれました。

(1)「個人作業が延々と続き、社員の方とのコミュニケーションをとる機会がほとんどなかった」

(2)「実際にこの作業が自分にとって何の役に立つのかがわからない」

「ちょっとまって、佐野さん。この気づきは、何よりの成長源になるよ」と言葉をかけました。というのも、「インターンとして社員の方々とコミュニケーションをとりながら働く」ということと、「インターンは自分の役に立つ」という二つの前提が打ち砕かれた経験だったからです。

その理由をそれぞれみていきますね。

1.働くイメージとのギャップ

講義でも明るく発言する佐野さんは、働くことは社員の方とコミュニケーションをとりながら進めていくものだというイメージを抱いていたのですね。ところが実際はそのイメージとは全く違っていたので、つまらなく感じたのです。

ここで考えるのは、個人作業の「内容」に関して、どう感じたかです。誰にでもできるような作業だからつまらなく感じたのか、作業の「内容」がそもそも合わなかったのか。理由は色々あると思います。

この仕事へのイメージと実際の仕事の内容との「ミスマッチ」を経験できたことは、このインターンに参加した大きな意義です。実際のA社の仕事は面白いのかもしれませんが、インターンの内容からはそれは伝わってきませんでした。残念ながら、A社のインターン内容を変える力は、大学生のみんなにはありません。

だとするなら、自分の関心に合ったインターンを見つけ出していくことが大切なのです。個人作業自体は悪いことではありませんが、自分には向いていないかもしれません。さまざまなインターンを実施する会社があるので、社名だけに惑わされず、自分がやってみたいと思える会社のインターンを探すのがよいでしょう。

2.何のために働くのか

次に、インターンが自分に役に立つのかがわからなかったので、つまらなく感じてしまったことについても考えてみましょう。この点で悩んでいる学生がたくさんいますね。

これは、「働くことを近視眼的に捉えてしまっていることの反動」だと私は考えています。大学はたったの4年ですが、働くことは40年続きます。その働く模擬体験としてのインターンで、自分に役に立つかどうかを決めつけない、という練習生としての心構えは必要です。

大学を受験するのに、みんなは過去問対策を何度も行ったはずです。でも社会に出て働こうとするのには、過去問がないので対策ができないのです。

がんばっている自分を認めよう

インターンは練習試合です。実施する会社の人たちはそのことをよくわかっています。学生のみんなに期待をしていますが、未熟な部分を持ち合わせていることも知っています。今、活躍する社会人の先輩だって、ダメダメだった学生の時代はあったはずです。だから、失敗してもいい。みんなには戻ってくる大学がある。仲間がいるのですから。

極論、「インターンはすべてが自分の経験になります」。私はこう考えています。

厳しい口調の担当上司からビジバシと無理難題を押し付けられ、悔しくて泣いている学生を私は知っています。また、佐野さんのように、社員とコミュニケーションもない作業をまかされ放置される学生も少なくありません。しかしどれも、働く現場での得難い学びです。

インターンをきっかけに、大学の外へと踏み出している自分を認めてあげてください。大学の授業も簡単には休めない。アルバイトも掛け持ちするなかで、インターンをはじめて、「忙しい」が口癖になってしまう。押しつぶされそうになる。でも、その「忙しさ」はみんながこれから働く40年を走り出していくための足腰になります。

私が学生なら、自分にとって一番ためにならないであろうインターンを探し、その会社にアプライしていきます。なぜなら、なぜ役に立たないのか、その内容を経験するのも経験ですし、その先に「ためにならない」「つまらない」と決めつけてしまった、自分の思考の「癖」に気がつくことができるからです。とはいえ、遠回りのこのやり方は、忙しいみんなにおすすめできませんね(笑)。

インターンは、今の自分の確認作業をする場所ではありません。未知の自分に出会うための練習試合なのです。何が向いているのか、どこまでできるのか、何もかもがわからないから、インターンなのです。

「インターンはつまらない」と思ってしまった私は、40年を働くための最初の一歩を確実に踏み出した私なのです。

応援していますよ。それでは、また第2回でお会いしましょう。

追記:インターンについてみんなで考えてみたいという人は、法政大学で特別シンポジウムを開催します。ぜひ参加してみてください。

インターンがあたりまえになった今だからこそ、大学はどこまでインターンに関わるべきなのか、インターンにはいかなる教育効果があるのか、企業はどのような内容・期間のインターンを設計し、実施するのが望ましいのか、といった問いに真正面から向き合ってみる必要があるでしょう。インターンの<中身>に焦点をあて、大学と企業、それぞれの立場から「インターンの活かし方」について議論していきます。

特別シンポジウム『インターンの活かし方―大学と企業が、今、できること』 

日時: 2017年10月13日(金)15時開場

   15:20~15:30 はじめに

   15:30~16:30 インターンの現状

   16:40~17:50 インターンの活かし方

会場: 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー26階スカイホール

内容: 東京大学 中原淳准教授、サイバーエージェント取締役・人事統括 曽山哲人氏、本酒井理教授による報告・対談セッションなど

申込先:http://www.hosei.ac.jp/careerdesign/NEWS/topics/20170829_01.html

田中研之輔 (たなか・けんのすけ)
 法政大学キャリアデザイン学部准教授、デジタルハリウッド大学客員准教授。博士(社会学)。1976年生まれ。一橋大学社会学研究科単位取得退学、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校大学院社会学研究科客員研究員を経て現職。著書に『先生は教えてくれない大学のトリセツ』(ちくまプリマー新書)など。

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