試験や就活で「不運」なときにすべきことやる気スイッチを入れよう(21)

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき
2016/12/8

「塞翁(さいおう)が馬」という有名な話があります。中国の古い書物に載っている話です。異国の大昔の話にも、やる気スイッチを入れるヒントがあります。

「サイオーさん」ちの馬の話

塞翁が馬は、「人間万事塞翁が馬」というタイトルの話です。人間はじんかんと読み、世間や社会を意味し、塞翁は城砦に住んでいる老人を意味します。「世間のものごとは老人の家の馬の(話の)ようなものだ」ということでしょう。簡単に、あらすじを紹介します。

中国の辺境の砦の近くに老人(塞翁)が住んでいました。ここでは「サイオーさん」と呼びましょう。

あるとき、サイオーさんの家の馬が、北方の他の国のほうに逃げていってしまいました。それを聞いた近所の人たちが、「大変でしたね」となぐさめにやって来ます。ところがサイオーさんは、「これが幸いに転じるかもしれないよ」と、残念がる様子がありません。

しばらくすると、その馬が別の良い馬をつれて帰ってきました。近所の人たちがお祝いを言いに来ましたが、サイオーさんは、「これが禍(わざわい)に転じるかもしれないよ」と、喜ぶ様子もなく言います。

サイオーさんの家では良い馬が増え、息子が乗馬をするようになりました。ある時、息子が馬から落ちて足に大けがをします。近所の人たちがお見舞いに来ると、サイオーさんは例によって、「これが幸いに転じるかもしれないよ」と言います。

その後、北方の国が砦に攻め入ってきました。若者たちが戦いましたが、多くが戦死してしまいました。しかし、サイオーさんの息子は、足のけがにより戦にいくことができず、無事でした。

なんとも予測のつかない物語です。サイオーさんの言う通り、禍が幸いに転じ、幸いが禍に転じ、二転、三転、四転します。

しかし、私たちの人生も、実は同じように二転三転しています。

成績低下で、彼ができる!?

香織さん(仮名、大学2年生)は、大学受験のために塾に通っていたときのことを話してくれました。塾では成績別にクラスが編成されていたのですが、あるとき香織さんは、成績が下がり、クラスも一つ下に落ちてしまいました。

香織さん自身はもちろんショックを受けましたし、教育熱心だった両親も心配するし、かなり"ワザワイ"感がありました。しかし、下のクラスは雰囲気が良く、先生の教え方が香織さんに合っていて、香織さんは勉強に集中できるようになりました。良い成績が取れるようになり、同じクラスの彼氏もできました。状況は"サイワイ"に転じたのです。

しかし、入試の本番直前に彼氏と破局、その動揺により、最初に受けた2つの入試では、まったく力が出せずに大失敗。不合格の知らせを受け取り、ひどく落ち込みました。彼氏とは別れるわ、受験には失敗するわ、散々な"ワザワイ"に見舞われたのです。

しかしその後、塾の先生の励ましを受け、気持ちを立て直して試験にのぞんだ結果、志望していた大学の1つに合格しました。その大学は、不合格だった大学よりも通いやすい立地で、毎日の時間に余裕があり、勉強も部活動もアルバイトも楽しむことができるそうです。1年の時には成績優秀者に選ばれて表彰されました。再び、状況は"サイワイ"に転じたのです。

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