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「あなたならできる!」~脳内メンターを持とう やる気スイッチを入れよう(17)

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき

2016/8/31

自分一人で自分のやる気スイッチを入れるのはなかなか大変です。でも、自分の中に別の自分がいたらどうでしょう。

筆者には、現在大学3年生の娘がいます。先週の日曜日、居間でスマホをいじっていた彼女に、「掃除機かけてくれる?」と頼んだところ、「んもう! 今やろうと思ってたのに!」と腹立たしそうな返事。

やろうと思っていたことを人から「やれ」と言われると、やりたくなくなるものです。スマホをいじりつつも、心の中で「掃除機かけなくちゃなあ」と思っていたのに、母親から強制されて、一気にやる気ダウンというわけです。

やる気には、「これは自分で決めたのだ」という自己決定感が非常に大事です。人から言われたのではないという自由の感覚や、自分の力でいくつかの選択肢から選び取ったという自分の能力の実感が行動を引き起こすのです。

そうは言っても、なかなか自己決定できずに時間だけが過ぎて行ったり、そうしてぐずぐずするうちに、誰かに「やれ」と言われてイヤになったり、ということになりがち。どうすれば、自分で決めて立ち上がることができるのでしょうか。

脳内"お姉さん"に声をかけてもらう

現実の母親に「やれ」と言われると腹が立ちますが、例えば、脳内の架空の「メンター」が、とても上手に声をかけてくれたとしたらどうでしょう。メンターとは指導者、助言者という意味です。心の中に,メンターとして親身になってくれるお姉さん,またはお兄さんの存在を作り,声をかけてもらうのです。

同じ言葉でも、自分の脳内で言われれば、それは自分が言ったことと同じです。自己決定感がそがれることは少ないでしょう。例えば、「さあ、そろそろスマホをしまって、掃除機かける? やろうと思っていたんだものね」等と言ってもらうのです。

いわゆる「つぶやき」なのですが、自分で意識してつぶやくことが大事です。心の中でつぶやいてもいいのですが、この場合、声に出すとさらに効果アップです。声を出すという行為のそのものがやる気をあげますし、「今やろうと思っているからね。やれって言わないで」と、まわりにメッセージを発信することもできます。

脳内メンターは、現実のお姉さんやお兄さんではなく、自分で自由にイメージしましょう。その方が自己決定感が高まります。オモシロ系でも癒し系でもかまいません。お姉さん・お兄さんでなくても、脳内"彼氏"、脳内"彼女"、脳内"先輩"もいいですね。

「そろそろ」お姉さん

脳内メンターには、まず「そろそろ」と言ってもらいましょう。「そろそろ、レポートを書き始めよう。ずっと気になっているからね」「そろそろ、寝る時間だよね。もうすぐこのドラマ終わるから、そうしたらテレビを消そう」等です。「気になってるから」という理由を加えたり、「ドラマが終わったらテレビを消す」などの具体的な行動を加えると効果がアップします。

「そろそろ」の後に、お姉さんやお母さんが言いそうな言葉をいろいろとつなげてみましょう。「そろそろ、バイトに行く準備しなさい! ほら、ハンカチ持って、定期持った? 忘れ物しないように」「そろそろ、起きなさいね。ゆうべも遅かったから大変だけど。でも、今日の講義、遅刻したら、単位落としちゃうわよ」などなど。つぶやいてみると、だんだん気持ちがそこに向かっていきます。

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