「疲れている」と気付いたらやる気スイッチを入れよう(14)

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき
2016/6/28

就活や勉強に必要なやる気。しかし、それだけではありません。これから仕事を始めたり、家庭を持ったりという長い人生で、「やる気」とも長い付き合いをすることになります。やる気との付き合い方を考えます。

「やる気とか考えたことないです」

仕事や勉強、部活に、一所懸命取り組んでいる人から、「いやあ、やる気とか考えたことないです」というコメントを聞くことがあります。彼らは、やる気のことを考えなくてすむほど、やる気が高いのです。いわばやる気と一心同体ですから、自分のやる気の高さが認識できないし、する必要もない。

「やる気」と恋愛するケース

この状態は、うまくいっている恋愛に似ています。「会っていると楽しい。時間を忘れて夢中になる」という気持ちです。しかし、恋愛は常にうまくいくわけではありません。気持ちのすれ違いから、「なんで相手のために、こんなに時間を割かなくちゃいけないんだろう」と考えることもあります。

やる気も同じ。やる気のことを考えなくてすむほど突っ走っている時もあるけれど、ふと我に返って、「なんだか疲れたな」とトーンダウンしたり、「なんでこんなに一所懸命になってるんだ?」と疑問が湧くこともあります。やる気と一体化していた状態から、やる気から離れ、距離ができる瞬間です。

「やる気」と友達づきあいをする

就活が何か月かに及んだり、部活を何年か続けたり、会社に入って仕事を何十年もしたりする時には、「やる気」と長く、うまく付き合っていくことが必要になります。恋愛のように夢中になったり、別れて二度と会わないという付き合い方ではなく、いい友達づきあいをすることが必要になるのです。

4年生の渡辺さん(仮名)は、エントリーシートを何枚も提出し、10社以上の面接を受けるなど、精力的に就活をし、1社から内定をもらうことができました。ただ、第1志望の企業は別にあり、引き続き就活は続けたいとのこと。ところが、その翌週会って話を聞くと、「今週は就活してないです。いろいろ忙しくて」と言います。さらに数日後、「どう?」と聞くと、「バイトとか家のこととかで、ちょっとバタバタしてて」という返事。活動がまったく止まってしまったようです。「じゃあ、内定した会社に就職するの?」と聞くと、「いや、そう決めたわけではないです」と言います。 

自分の「やる気」に刺激を与える

渡辺さんが、活発に就活をしていた時に、どのようなことがあったのかを聞いてみました。「友達もガーッとやっていたんで、自分もいっしょに勢いがついて」「大学のキャリアセンターでいろいろ情報もらえたんで、あ、そうかって感じで動けて」ということです。友達の存在や情報の入手が渡辺さんのやる気に刺激を与えていたのでしょう。

就活をがんばっていそうな友達に連絡を取ること、キャリアセンターにもう一度相談に行くことをアドバイスしました。渡辺さんは、その日キャリアセンターに行ったそうです。すると、対応してくれたカウンセラーが、渡辺さんの第一志望の会社に昨年採用された人の対応もしていたということで、詳しい話を聞くことができました。やる気にスイッチが入り、再び就活を開始しました。

「やる気」が下がったことを認める

渡辺さんのケースでは、やる気が休止状態に入ってしまい、そこから抜け出せなくなっていました。就活はタイミングを逃すと結果が出ないので、とにかく動く必要があります。

こういうときはまず、「やる気」の状態について、自覚しましょう。忙しさを言い訳にしていましたが、「やる気」がある時には、忙しくてもなんとか時間を作っていたのです。ごまかさずに、「自分のやる気は今、下がっている」としっかり認識しましょう。その上で、ではどうすれば「やる気」を目覚めさせられるかを考えます。

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