就活で自信が持てなくなったらやる気スイッチを入れよう(13)

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき
2016/5/31

「あの人、すごいな。それに比べて、俺なんか・・・」「あー、自分はこの中で一番ダメだ」。就職活動まっただ中のこの頃。就活では、普段接することがない同じ年代の他の大学生と、内定をめぐって競争することになります。そんな中で、人と比べて自分の劣っているところが際立って見える。みじめで不安な気持ちになる。劣等感は、多くの人が経験する感情です。

不安や自信のなさが面接で出てしまっては、就活もうまくいかなくなります。劣等感とのうまい付き合い方を考えましょう。

「グループワークで何も言えなかった」

ある授業で、Nさんという学生が肩を落とし、うつむき加減で教室に入ってきました。あまりに意気消沈した様子に、「どうしたの」と声をかけると、「もう、自分、だめっす」という返事。

ある企業のグループ面接に参加したのだそうです。様々な大学の学生が50名ほど集まっていました。そこで、数名ずつのグループでディスカッションをすることになりました。

「僕のグループに、すっごい人が二人いたんですよ。その人たちがすご過ぎて、もう僕なんかぜんっぜんしゃべれなかったです。いる意味ないって感じでした。企業の人が時々見回っているんですけど、相当僕アホに見えたと思います」

「就活、失敗する気しかしないです。自信ないっす」と、かなり落ち込んでいるようでした。

容姿、性格、学力・・・

「その二人は、どういうふうにすごかったの?」と聞くと、「見た感じからかっこいいんですよ。スーツとかも、着慣れてる感じで、企業の人にも感じよく話しかけちゃったりしてるし。で、また発言すると、すごいんです。世界の経済とか政治とか、普通にすらすら語れるし。レベルが違う感じっす」と言うのです。

見た目がよい、感じがよく性格もよさそう、発言を聞くと学力や知識レベルも高そう。容姿、性格、学力は、大学生が劣等感を持ちやすい要素です。Nさん、すっかり気圧されてしまったようです。

しかし、就活ではこの劣等感にくじけることなく、結果を出さなければなりません。どうしたらよいのでしょうか。

全部ではない、永久ではない

劣等感を持つと、自分のすべてが劣っているように感じられ、それが永久に続くように感じられるものです。「自分は何をやってもダメだ」「もう、一生こういうふうにダメなままなんだ」などです。このように客観的な判断ができなくなることが劣等感の特徴、いわば劣等感の罠です。

自分が劣等感の罠にはまっているかも?と気づいたら、「いやいや、これは劣等感というものがそう思わせているだけで、実際には、自分のすべてが劣っているわけじゃない」「永久に続くわけじゃない」と、思考を修正してください。

劣等感を持ったとき、人は、自分の悪い点に焦点を当てています。「できなかった自分」「ダメな自分」を拡大し、それこそ目いっぱい見ているのです。

視点を変えましょう。できたことやよかったことにも焦点を当てるのです。Nさんができたことは何でしょうか。

まず、面接の結果はまだわかりませんが、グループ面接の場で、今まで会ったことのないいろいろな大学の人に会うことができました。行動を起こした積極性や、そこから得た新しい出会いは大きな収穫です。またグループワークでは、発言は思うようにできなかったかもしれませんが、皆の話をしっかり聞き、感銘を受けました。そうした「聞く姿勢」や「情緒的な柔軟性」は、発言する力と同じくらい重要です。もし今回の面接が失敗でも、次回に生かすことができるでしょう。

できなかったこともあって劣等感も持ったけれど、実はできたこともあったし、収穫もあった、と客観的に状況を把握しましょう。ネガティブな面とポジティブな面の両方をきちんと評価してください。

その上で、次のことを試しましょう。

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