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チームで力を発揮する 大切なのは安心感と役割

やる気スイッチを入れよう(12)

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NIKKEI STYLE

3人以上人が集まると、そこにはそのグループだけの独特のムードが形成されます。仲のいい友達のグループ、部活動やサークル、アルバイト先の職場等、それぞれ違った雰囲気や価値観があり、グループのやる気も様々です。あるグループでは高いやる気を発揮する人が、別のグループではまったくやる気が出ない、ということが起こります。

グループができていく過程

大学の授業でグループディスカッションをすることがあります。特に初めて会うメンバーの場合では、グループの人間関係が作られていく一連の流れがあります。

最初は、ぎこちなく挨拶をし、自己紹介をし合う。少しずつ互いのことを知り、話し合いをするうちに、「あ、この人はしっかりしていて、リーダーっぽい」「この人は、話しやすそう」等、一人一人に対して、なにかしらの印象を持ちます。話が活発に盛り上がったり、沈黙があったりしながら、グループのムードができていきます。笑いが絶えないグループ、几帳面に話し合いを進めるグループ、静かに濃い話をするグループ等様々です。

中には、一人だけが一生懸命話して、他の人がつまらなそうだったり、うまくグループが作られていないケースもでてきます。

グループのやる気を高めるには、どうしたらいいのでしょうか。

見られるとがんばる

人は、一人でいるより、集団でいるほうがやる気が出ることがあります。まわりに誰もいなければ、何をしても自由ですから、サボることもできます。でも、誰かがいれば、「見られている」という意識がどこかで働き、自然にきちんとやるようになるのです。観客を前にしたタレントのようなものです。

また、仲間がいると、その中で「少しでも自分をよく見せたい」という気持ちも働きます。「いいことを言いたい」、「良いヤツだと思われたい」と思うと、きちんと発言したり、人の発言をしっかり聞いたりすることになります。

いいグループが作られる場合には、集団のポジティブな効果が出ているのですね。

手抜き、タダ乗り、そして恐怖

しかし逆に、集団でいることでネガティブな現象も現れます。まず、手抜きが起こります。「ほかの人がやってくれる」「自分一人くらいやらなくても大丈夫」という気持ちです。

ある綱引きの実験では、1対1で対戦した時と比べ、8人ずつのチームになると、皆半分の力しか出していなかったことがわかりました。これは、フリーライダーと言われる現象です。いわゆる、タダ乗りですね。

もう一つのネガティブ現象は、恐怖によって引き起こされます。「否定されるのが恐い」という気持ちが、行動を抑えてしまうのです。ディスカッションでも「こんなことを言ったら、バカにされる」「誰も反応しなかったら、気まずいし恥ずかしい」という気持ちがあると、発言しなくなります。

グループでは互いに影響を与え合います。誰かがタダ乗りしているように見えると、他のメンバーも、「自分だけがんばったら損だ」という気持ちになり、同じようにタダ乗りをする。不機嫌な表情の人がいると、その人への恐怖で皆の発言が抑えられる。一人のちょっとしたしぐさが、グループ全体のやる気を左右することがあります。

居場所はあるか

では、どうすればグループのポジティブ効果をうまく出すことができるのでしょうか。

まず、皆が安心することが大事です。自分の発言を「バカにされたりしない」「受け入れてもらえる」と思えると、恐怖感が払しょくされます。

明星大学では学生が主催するイベントがいくつかあります。うまくいっているイベントは、学生のミーティングがとても温かい雰囲気です。発言する人が、「全然意味わかんないこと言っちゃうかもしれないんだけど」と自信なさげだったり、「ええと、なんて言っていいのか」としばらく言葉が出なかったりすることもあります。そんな時、他のメンバーは、「言ってみて。聞きたいよ」と励ましたり、言葉に詰まった人の言葉を微笑みながら待っていたりと、互いを尊重しあっています。安心できる雰囲気の中、生き生きとした話し合いがなされています。

役割があるか

安心感が持てたら、次は一人一人に役割があることが大切です。自分がこのグループの役に立っていると思えることです。例えば、話し合いであれば、司会や書記などを順番に担当することで、皆が役割を担うことができます。会計、連絡、情報収集等の係を作って担当したり、小グループを作って、そのリーダーやサブリーダーを順番に担当するのもいいと思います。

役割を担い、仕事をしてくれた人には、皆で「ありがとう」と感謝の気持ちを言葉にしましょう。仲間からの感謝は、やる気を高めます。

グループの楽しさは「リラックス」と「緊張」

安心感と役割は、両方あることが望ましいです。安心感は「リラックス」、役割は一種の「緊張」を伴います。「リラックス」だけではグループ活動が先に進みませんし、「緊張」だけではストレスが募ります。自分が所属するいくつかのグループを思い浮かべ、どちらが強く作用しているかを考えてみてください。今後、さらに楽しいグループにするために、どちらをどう強めればいいかを考えることができます。

楽しさの先にあるもの

グループがさらに発展するためには、楽しさの次の段階が必要です。それは、「未来」です。「リーグ戦で優勝しよう!」「人数を倍に増やそう!」等の目標がその一つです。グループの未来を描くのです。「グループで旅行に行こうよ」「就職しても、みんなで会おう」等の希望もグループの未来の姿です。

「今」にはない「未来」のグループの様子と、その中にいる自分の姿を思い描くと、そこに向かうやる気が湧いてきます。「優勝するためには、自分の練習もがんばるし、グループのためにもっと何かしよう」、「グループで旅行に行きたいから、自分もバイトでお金を貯めるし、旅行の会計係は私がやろう」ということです。

グループのやる気は、メンバー同士の相互作用から作られます。あなたの振る舞いや言葉、表情なども他のメンバーのやる気に影響を与え、それらの積み重ねがグループ全体のやる気を作ります。今度グループで会う時、皆のやる気が高まるような発言や行動をしてみてください。グループ全体が変わります。さらに楽しく未来のあるグループを作ることができます。

菊入みゆき(きくいり・みゆき)
明星大学経済学部特任教授、JTBモチベーションズ ワーク・モチベーション研究所長。筑波大学の博士課程で、組織におけるモチベーションの伝染について研究中。大学ではキャリアや就職支援の講義を担当、企業とのコラボレーションによる講義も実施。JTBモチベーションズでは企業で働く人への研修やコーチング、経営層へのコンサルティングを行う。著書は「やる気が出なくて仕事が嫌になった時読む本」「職場でモテる社会学」「できる人の口ぐせ」等多数。

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