アメリカで見つけた新しいアイデンティティー留学経験なしからのマルチリンガル(3)

東京大学大学院 秋山燿平

東京大学大学院 秋山燿平
2016/4/25

成功を予感させる、1カ月の始まり

「新しいアイデンティティーを見つけたい」。そう思い、決断した1カ月のアメリカ・サンディエゴへの短期滞在。アメリカ人だけでなく、英語を学びにやってくる様々な外国人と出会うことで新たなアイデンティティーを見つけるヒントが得られると思い、語学学校にも行くことにしました。

受け入れてくれるホストファミリーも無事に見つかり、ついに出発。成田から約10時間のフライトでサンディエゴに到着しました。雲ひとつない青空に、乾燥した空気。南国を連想させるヤシの木が、飛行機から出た自分を迎えてくれたことを今でもよく覚えています。入国審査を経て、スーツケースをとって出口に向かうと、そこにはホストファーザーとルームメイトになるイタリア人の姿が。アジアの島国からやってきた自分を暖かく迎え入れてくれ、この1カ月の成功を予感させるサンディエゴ滞在の始まりでした。

グローバルな語学学校

到着から3日、語学学校での授業が始まりました。学校に入り生徒用ラウンジに着くと、そこには世界の縮図のような光景が。僕のような東アジア系の学生数人に加え、ヨーロッパが本部の学校だったこともありフランス人、イタリア人、スイス人、そしてアラブ諸国とも提携があるようでサウジアラビア人、クウェート人、そしてブラジル人。本当に色々な地域から学生が集まっていて、グローバルな世界に身を置くことができました。もともと世界の国々に興味があった私にとって、これだけ多くの国の人と日常的に交流できる時間は非常に貴重なものでした。このような国際的な教室で少しの時間でも勉強できたことは、自分の中で忘れられない思い出となっています。

交流の中でかすかに感じた「違和感」

上記のような非常に国際的な空間で生活することができ、私は非常に満足感を感じながらサンディエゴでの日々を過ごしていました。語学学校での授業が終わると毎日誰かと一緒に遊びに行き、休日はヨーロッパ人やブラジル人とサッカー。サッカーというスポーツをやっていてよかったなと改めて感じました。しかし、様々な国の人と英語で交流している過程で、私は僅かながら「違和感」を感じ始めていたのです。

それは「本当に彼らと心が通い合っているのだろうか?」というもの。確かに彼らと過ごす日々は楽しく、それだけでも「ここに来て良かった」と胸を張って言えました。しかし何かが足りない。彼らとの交流の中で、なぜか心が通じ合っていない気がしていたのです。ただ、そこまで深刻な問題とは感じておらず、その答えが何なのかが分からないまま半分の2週間が過ぎていました。

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