個性派揃いの数学オリンピック合宿数学×音楽=創造!(3)

ジャズピアニスト・数学者・人材育成コンサルタント 中島さち子

ジャズピアニスト・数学者・人材育成コンサルタント 中島さち子
2017/1/17

小学校5年生のとき、「国際数学オリンピック(IMO)に日本も参加開始」と報じる新聞記事がふと目に入ってきました。そのときはまるでノーベル賞のように遠い世界の話に思えましたが、世界中の同年代の学生が、数学という場で自由で美しい発想で戦う数学オリンピックという場所に、密かな憧れを抱いたことを覚えています。

国際数学オリンピックとは、高校生以下が参加できる、1959年ルーマニアで始まった世界で最初の国際科学オリンピックです。当初は東ヨーロッパで開催され、多くの異能たちを輩出してきましたが、徐々に世界へ広がり、1996年当時は75か国・424名の選手が参加する大規模なオリンピックとなっていました(現在は約100か国、約600名が参加)。

日本では国際数学オリンピックの国内予選(3時間で12問出題)は毎年1月に開催され、約100-200名が「Aランク」に選抜されます。そこから2月に開催される国内本選(4時間で5問出題)で約20名が選抜され、1週間ほどの春合宿に臨みます。春合宿で数回の試験を経て、最終的に国際大会の選手6名が選出されます(現在、予選Aランク選抜者は、早稲田大学や慶応大学、中央大学などの特別推薦入試の特典があります)。

なお、世界では、各国が独自の選抜システムを持っています。中国数学オリンピック、カナダ数学オリンピックなど、各国内での数学オリンピック選手選抜の問題はどれも面白く、現在はインターネットなどを通じて入手することができます。

数学オリンピックへの道

小学5年生に初めてその名を知ったときには遥か遠くの存在だった数学オリンピックですが、徐々に数学の世界に魅惑され、ピーター・フランクルさんに出会い、色々な数学の学び場に顔を出すようになるにつれて、実際に出場している仲間にも出会うようになりました。

国内数学オリンピックのサマーセミナーで

思い切って数学オリンピックに初めての挑戦をしたのが中学3年生。このときは国内予選は通過しましたが、残念ながら国内での本選で敗退。帰りの電車の中である1問の解き方が急に頭に浮かび、「あぁわかった!」と悔しい思いをしたことを今でも覚えています(数学オリンピック国内本選の問題は国際数学オリンピックと同レベルの難問。1問のひらめきが勝敗を決します)。

そして再び挑んだ高校1年生、1995年の冬。今回は国内本選で1位を頂き、本選を通過した20名ほどが集う春合宿(@代々木オリンピックセンター)に正式に参加することができました。春合宿では同世代の数学仲間だけでなく、数学者の卵として活躍していた大学の先輩方もチューターとして参加しており、夜通し皆で数学の問題を議論し、楽しい時を過ごしました。

予選は多くの方が集まる会場でみな緊張の面持ち。「試験会場」らしい雰囲気といえます。数学好きは段々顔見知りになることも多く、部屋の中には知り合いの顔もちらほら。本選になると、私の頃は女の子がほとんどおらず、個性派ぞろい(マイペース)な切れ者たちが試験の直前まで遊んだりしていました。いわゆる受験のような緊張感や焦りではなく、むしろどれだけ心身が「自由」でいられるか重要になると思います。

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