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教養

数学オリンピックからジャズピアノ、そして教育へ 数学×音楽=創造!(1)

ジャズピアニスト・数学者・人材育成コンサルタント 中島さち子

2016/11/7

皆さんは、「国際数学オリンピック」(通称IMO: International Mathematical Olympiad)という催しをご存じでしょうか。1959年に始まった、高校生を対象とした数学の問題を解く国際大会です。日本は90年から参加しました。私は20年前のことになりますが、96年国際数学オリンピックインド大会に日本人女性として初めて参加し、金メダルを受賞しました。

私は小さい頃は音楽に打ち込み、その後数学に魅せられ、また音楽活動も再開し、現在はジャズピアニスト・作曲家として、数学者として、また新しい学びをデザインする教育家としても活動しています。

数学と音楽と教育の深い関係

数学と音楽、教育というと、バラバラの分野のように思われるかもしれませんが、実は3つの分野は互いに深く関連しており、21世紀を生き抜くために不可欠な要素になっています。この30年ほどでICT(情報通信技術)は急激に発展し、インターネットが普及し、社会は激変しました。結果、世の中の価値はtangibleなもの(手に触れるもの:工場や製品など)からintangibleなもの(手に触れないもの:アイデアや変革など)へとシフトしています。

21世紀には、ただ知識やスキルがあるだけではだめで、どのように問題を解決していくか、具体的なモノではなく、まだ存在しない新しい価値あるアイデアを生み出すか、どのように人の可能性を引き出していけるのか、といった思考や感性の体力が必要になっています。

私は、幼少期音楽が大好き(ただし、譜面通りにひく練習は今イチ不得手)でした。特に作曲や思いのままに音を連ねる即興がその頃から大好きでしたが、中学に入る頃、段々思いつく曲の構成が似たようなものばかりになっていることに気づきました。そこで、中学2年生のときに音楽をきっぱり全てやめることに。次に私を魅惑したのは数学の神秘の世界でした。

1990年、日本が国際数学オリンピック(通称IMO: International Mathematical Olympiad) への参加を開始したと新聞で読んだのが小学5年生の頃。そのときは自分には全く縁のない話と思っていました。中学2年頃、『高校への数学』(東京出版)の「高数オリンピック」、『大学への数学』(東京出版)の「今月の宿題」などに月に一度掲載される難問正答者に同じ学年の人の名前があることに気づき、彼らの美しい解法に憧れて、徐々に自分でも挑戦するようになりました。

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