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学生たちが考えるこれからのAI研究テーマとは

AIの未来(1)

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NIKKEI STYLE

はじめまして! 早稲田大学国際教養学部3年の恩地沙季と申します。これから、私たちが運営している人工知能研究会/AIR(以下、AIR)で、12回にわたって連載をさせていただきます。AIRは、「次世代を担う学生自ら次世代の人工知能研究・応用を推進していく」ことを目指して、2015年12月に関西の学生が中心になって設立された団体です。現在は大阪大学、京都大学、東京大学の学生らで運営していて、過去のイベントには累計1500人以上の方に参加いただいています。

まず初めに、今後の連載に登場する4人のメンバーを紹介したいと思います。AIR代表の佐久間洋司君は、自分そっくりのアンドロイドを作っていることで有名な阪大の石黒研究室で、人の共感やコミュニケーションについての研究をしています。連載では佐久間君のカナダへの留学経験やシリコンバレーでのインターンの話も紹介してもらいます。

続いて古屋俊和さんには、京都大学在学中に人工知能をテーマに「エクサインティジェンス」を起業し、それを産業・医療分野での機械学習の応用を進める株式会社エクサウィザーズまで成長させたお話を紹介してもらいます。

東京大学の原田・牛久研究室で動画の要約をする機械学習モデルの研究などに取り組む兼平篤志さんには、スイス連邦工科大学、マイクロソフトリサーチアジアでの研究の様子について。

今年に京都大学の河原研究室で博士号を取得予定で、来年から大学教員として働く井上昂治さんには、人工知能分野の若手研究者の生活や研究への姿勢についてアドバイスをいただきます。

設立2周年記念「研究テーマ共創アイデアソン」

多様なメンバーで運営している AIR ですが、2017年12月で2周年を迎えることができました。今回はAIRの設立2周年を記念して2018年1月27日に開催した、人工知能の「研究テーマ共創アイデアソン」について紹介していきたいと思います。このイベントは、人工知能の分野で活躍する学生と一般の参加者の共創により、人工知能に関する新しい研究テーマを検討することを目指して開催されました。

当日はAIR代表の佐久間君による1時間の人工知能入門講義の後に、2時間にわたるアイデアソンが行われました。入門講義は親しみやすい例を織り交ぜつつ、人工知能に詳しくない人にも分かりやすい内容で、アイデアソンに向けて参加者の人工知能への理解も深まっていたようです。後半のアイデアソンはアイスブレイク→議論→発表→審査・表彰という流れで行われ、参加者と人工知能に詳しい学生ファシリテータの計約60人が10チームに分かれ、白熱した議論が繰り広げられました。

アイスブレイクでは自分に関する3つ事柄をチーム内で紹介してもらい、その中に一つだけ混ぜた嘘をお互いに当てるというゲーム形式の自己紹介を行いました。参加者は学生から社会人の方まで年齢の幅もありましたが、このアイスブレイクでどのチームも盛り上がり、その後も和気あいあいとした雰囲気の中で議論を進めることができていました。

議論のパートでは、各チームのファシリテータが事前に準備した自分の研究分野に関するトピックをチーム内で紹介することから始めました。そのトピックについて深く議論するために、「理論」と「応用」の2つの観点から、それぞれに対応するサブトピックを用意し、それぞれ話し合いました。どのパートでもメンバー全員が発言する時間を設けることで、異なるバックグラウンドを持つ参加者同士で活発に意見交換がなされ、深い議論をすることができました。

大量のデータを把握するための人工知能

そこで、今回は10チームの中で入賞したEチームの議論内容と研究テーマを簡単に紹介したいと思います。Eチームは東京大学工学系研究科の阪上遼さんがファシリテータを務めました。議論のトピックとして「大量のデータを把握するための人工知能」を掲げ、理論サブトピックとして「大量のデータの中での重要な要素とはそもそも何か」、応用サブトピックとして「大量のデータから抽出・要約された重要な要素は、どのような場面で役に立つのか」をそれぞれ議論しました。

最近はビッグデータの時代と言われており、扱うデータの量は急増していますが、それら全てに目を通し把握することは不可能であるという事実がこのトピック設定の背景にあります。次元削減や可視化と呼ばれるデータの集約技術もありますが、それらの既成概念にとらわれずに大量データの処理方法を議論することを目指して、Eチームは意見を出し合っていました。

理論のサブトピックでは、「人によって情報の受け取り方が違うこと」「人によって無意識に発信される情報があること」に着目した情報抽出が、これから大量のデータを集約する上で大切になるだろうという結論に至りました。応用のサブトピックでも参加者の様々なバックグラウンドが活きる形で議論が進み、「言語化できない知識や無意識のうちに体得されている知識などの情報が適切に伝えられれば、人間の能力の向上や新たな発見、また認識されていなかったリスク回避などに役立つだろう」との結論に達しました。

最終的にEチームからは、「大量のデータから無意識・潜在的なデータを抽出し、パーソナライズしたデータを用いることでミスコミュニケーションを減らす」という研究テーマが提案されました。ファシリテータの阪上さんは、「人間の五感の拡張としてのセンサーから得られる表層的なデータから無意識のデータを取り出すことができれば、それは人間に様々な示唆を与える貴重なデータになるであろう」と発表しました。専門家と一般人とでは重視する情報が違う、運用者が自律システムを持つ機械のリスク管理を適切にできないといった、人と人との間だけでなく人と機械との間を含む、広い意味でのミスコミュニケーションへのアプローチが期待できる、としてEチームは結論をまとめました。

おわりに

アイデアソンの最後には各チームの発表と審査員による審査、審査委員長を務めた中村泰大阪大学特任准教授から表彰があり、今回の記事で紹介したEチームが最優秀賞を受賞しました。半日に満たない短い時間でも、背景の異なる参加者どうしのコラボレーションを通じて新しい研究テーマを考えることができました。

人工知能研究会/AIRの設立2周年を記念して開催した、入門講義からアイデアソンまで3時間にもわたるイベントでしたが、参加者の皆さんのおかげで盛況のうちに終えることができました。

今後の人工知能研究会/AIRの活動では、セミナーやチュートリアルといったイベントに限らず、人工知能の若手サマースクールや、より多くの方にお越しいただけるようなシンポジウムなどのイベントを開催していきます。これからも「次世代を担う学生自ら次世代の人工知能研究・応用を促進する」ことを目指して活動してまいります!

今回はAIRの活動や雰囲気を知っていただくため、先日開催されたイベントについて紹介しました。次回からはAIRのメンバーの経験談をお届けしていきます。これからの連載もよろしくお願いします!

恩地沙季(早稲田大学国際教養学部3年)

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