英語よりも大切な「話題」と「笑い」の在庫
"英語発信力"強化講座(10)
"英語表現の幅"を広げ、"英語発信力強化法"を紹介してきた本講座も、今回が最終回です。今回も、"短いけれどもちょっと、大人の表現"を学びましょう。
【ミニテスト】
(1)Are you new here?(ここに来て間もないのですか?):( 5語 )?
(2)How old is he?(彼は何歳?):( 3語 )?
(3)I have to work harder.(もっと勉強しなくっちゃ):( 4語 ).
(4)I like it too.(私もそれが好きです):( 4語 ).
(5)I've got an idea. (いい考えがあるよ):( 4語 ).
(6)I traveled by boat.(船で旅行をしました):( 3語 ).
(7)We did our best.(私たちは全力を尽くしました):( 5語 ).
(8)We're just in time.(ちょうど間に合った):( 4語 ).
(9)What do you think?(あなたはどう思う?):( 3語 )?
(10)Why do you say so?(なぜそういうの?):( 5語 )?
【解答・解説】
(1)初対面の人と話すきっかけ作りに使える表現です。外国で心細い時に、Are you new here ? 話しかけられて、とても嬉しかったことがあります。以来、嬉しかった表現は、極力を使うようにしています。Are you a newcomer here? でもOKです。
(2)What's his age.とも言いますが、こちらはややかしこまったニュアンス。外国、とくに欧米ではあまり年齢を気にしません。日本人は年齢で振る舞いや表現を調整しますが、皆さんには、「気にしないでのびのびやって!」と強調したいと思います。
(3)work=働くですが、workは広い意味で使われます。学生ならworkは勉強の意味です。学生の仕事は勉強と考えれば納得できます。I must work harder.とmustを使うと、"have to"よりも強い意味になります。「ぜったいに」というニュアンスです。
(4)相手に合わせて「私もそれが好き」と返す時によく使われます。I also like it. とも言います。それほど好きでなくても「私は嫌い」と言うと、気まずい雰囲気になると空気を読み、「私も」と軽く話を合わせるのは日本語でも同じですね。
(5)I've got an idea.は、I have an idea. の口語表現です。I have an idea.が「私には、一つ考えがあります」というニュアンスであるのに対し、I've got an idea.には、「いいこと思いついた!」「僕にいい考えがあるんだ!」というある種の躍動感があります。どちらでもOKですが、私はI've got an idea.の若者らしさが好きです。
(6)I took a boat.と言ってもOKです。byは"手段"を意味します。By trainなら列車で、by planeなら飛行機で、という具合です。国内であれ国外であれ、旅は視野を広げ、人間を大人にしてくれます。私は事情があって留学出来ませんでしたが、皆さんには、もしチャンスがあるならば、ぜひ留学することをおススメします。
(7)We did our best.もよく使いますが、We made our best effort. やWe did all we could.を使う人は少ないと思います。「たまには違った言い方してみよう」と思ったとき使ってみてください。"いつもと何かが違う"新鮮な気持ちになると思います。
(8)We're just in time. は、「制限時間にぎりぎり間に合った」、We're right on time.は、「時間ぴったりについた」というイメージ:どちらも使いたくない表現です。時間には十分ゆとりをもって予定を組みましょう。社会人になると、「時間前全員集合!」が常識。時間に遅れて、人生を棒に振る人もいます。"遅刻"のない人生を!
(9)What's your opinion? もよく使われます。学生であれ社会人であれ、「君の意見は?」と問われる場面がたくさん出てきます。その時にいつも「とくにありません(Nothing in particular.)」では、がっかりされます。Globalな舞台では、「みんなと違う意見(Different opinion)」や新しい考え(New idea)」が大切にされます。
(10)発言の真意を尋ねる時に使われます。What makes you say so? とも言います。What do you mean? (どういう意味?)同様よく使われます。英語は"曖昧"が大嫌い。「結論は?」「理由は?」「その根拠は?」と、どんどんたたみかけてきます。それがGlobal Rule。学生時代の今のうちに、しっかり慣れておいてください。
「話題の在庫」と「笑いの在庫」を増やそう!
今までは、英語トレーニングの方法を紹介してきました。最終回の今回は、英語よりもっと大切なこと、「英語で何を伝えるの?」......を問いたいと思います。
1.「話題の在庫」を増やそう:I want to talk aboutの後に、「誰かに伝えたいこと」を、"日本語で"3つ挙げてください。制限時間は30秒です。
I want to talk about( (1) )、( (2) )、and( (3) ).
どうですか? 日本語で話題のない人が英語で発信できるわけがありませんね。まず日本語の話題の在庫を増やし、英語でも発信できるようにしましょう。
2.「笑いの在庫」を増やそう:I can joke aboutの後に、「これで絶対笑いが取れる」という笑いの持ちネタを、"英語で"3つ挙げてください。制限時間は1分です。
I can joke about ( 1 ),( 2 ),and ( 3 ).
こちらの方が難しくないですか? 日本人の最大の弱点は、"Sense of humor"です。ユーモアのセンスは、Globalな舞台で自分を魅力的に差別化する強力な武器になります。意識して「笑いの在庫」を増やしましょう。「笑いは世界の共通語」です。
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10回の連載にお付き合いいただき、ありがとうございました。本連載が皆さんの学びの一助になったら幸せです。『世界にはばたけ、日本の若き命たち!』......今そんな思いです。皆さんの将来が、輝けるものになりますように!
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