音読しながら書く「音読筆写」で効果を高める
"英語発信力"強化講座(5)
第5回目の今回も、日常よく使われる短い表現です。同じ様な言葉でも、ちょっとした言い回しの違いによって、ニュアンスが変わることもあります。この違いが分かると、大人の英語にグッと近づきます。
ミニテスト
(1)It's easy.(簡単だよ):( 5語 ).
(2)It's difficult.(難しいよ):( 2語 ).
(3)Let's begin.(始めよう):( 2語 ).
(4)Of course.(もちろん):( 2語 ).
(5)I'm coming.(今、行くよ!):( 4語 ).
(6)You are welcome.(どういたしまして):( 2語 ).
(7)That's great!(それはすごい!):( 2語 )!
(8)That's strange.(それは変だね):( 2語 ).
(9)Turn right.(右に曲がって):( 3語 ).
(10)Go straight.(まっすぐ行って):( 3語 ).
解答・解説
(1)It's easy.という簡単な表現をわざわざ難しく言う必要はないのにと思う方もいるでしょうが、私がよく聞いたのは、It's a piece of cake. という表現です。直訳すると、「ケーキのひとかけら」ですが、「朝飯前だよ」という感じのニュアンスです。同じような表現で、It's simple.もあります。こちらは「単純だよ」という意味です。
(2)It's easy.の反対はIt's difficult.:私は学生時代ずっとそう思っていました。しかし実際は、It's hard.の方がよく使われます。皆さんも意識して聞いてみてください。きっとhardの方を多く聞くと思います。言いやすいのはどちらですか? 口に出してみましょう。It's hard.の方がすっと出てきませんか? おススメはこちらです。
(3)Let's start.も同じ意味です。どちらを使ってもOK。言いやすい方を使ってください。Shall we begin? という言い方もありますが、こちらはよりかしこまった言いかたになります。かしこまった表現は、かしこまった場面で使いましょう。
(4)私は、「もちろん」と言いたいときは、もちろんOf course! と思っていましたが、アメリカでもカナダでもYou bet!と言う表現をより頻繁に聞きました。洋画でもよく耳にする表現ですが、私は最初そのニュアンスをつかむことができませんでした。You bet! のbetは、賭けるという意味。「もちろんそうさ。賭けてもいいよ」といった強い肯定表現になります。Of course.が口ぐせなら、一度使ってみてください。
(5)「今、行くよ!」と言いたいとき、日本人は直訳してI'm going!と言いたくなりますが、相手に近づいていくときはI'm coming!と言います。I'm on my way! とか、I'll be right away!と言ってもOK。こちらの表現も使ってみてください。
(6)Thank you! と言われると反射的にYou're welcome.と言うのが私の口癖でした。でも、実際は、My pleasure.とかNot at all.と返してくる人の方が多いはずです。Don't mention it.でもOKです。You're welcome.にalwaysを一言加えたYou're always welcome.は、「いつでもどうぞ」と言う意味。この一言でとても喜ばれます。
(7)「それはすごい!」と言いたい場面はたくさんありますが、皆さんはいくつの表現を使い分けていますか? もちろんThat's great! 1本で通しても構いませんが、That's wonderful!やThat's terrific!もよく使われる表現です。That's super! という表現は英国で使われます。イギリス人に使うと、ニコッとしてくれます。
(8)That's strange.は、「普通じゃないね」「おかしいね」「変だね」と言いたいときの表現です。「奇妙だね」と言いたいならThat's odd.を使えばいいでしょう。私がよく聞いた表現で、「へ~そう言うんだ」と思ったのは、That's weird.と言う表現です。砕けた場面でよく使われます。「なんかとっても変な感じ」と言うニュアンスです。
(9)Go right.とかGo to the right.と言ってもOKです。「左に曲がって」なら、Go left. Go to the left.です。では、3語でならどういうでしょう? New York で、タクシーの運転手さんに、Make a right?(左に曲がるの?)と聞かれました。教科書英語では必ずturnで始まりましたから、とても新鮮に響いたことを思い出します。
(10)「まっすぐ行って」と言いたいときは、Go straight.でまったく問題ありませんが、Go straight ahead.と言う言い方もあります。同じ意味で使われますが、aheadをつけると、前に行けという"勢い"が出てくる感じがしませんか?
英語学習アドバイス:音読の効果をより高める「音読筆写」
前回は、「音読前にCDを聞き発音確認」と「覚えたら使う」の2点を強調しました。今回は、音読の効果をより高めるための「音読筆写」を紹介します。「音読しても覚えられない」「口からさっと英語が出てこない」という症状の皆さんにおススメです。
1. 覚えたい英文を5回ずつ音読しながら書く:音読だけでこう覚えられないときは、音読しながら書いてみてください。覚えやすく忘れにくくなります。5語前後の一息で言える短い表現で、「これはいつか使ってみたい!」という表現がおススメです。
2. 5回書いたらLook Up& Say:5回書いてもすぐ次に行かず、天井を見て(Look Up)、言って(Say)みてください。口から出てきたら刷り込み完了です。10分もあれば、大学ノート1ページに5英文書けます。1日5つ覚えたら1年で65日サボっても、300日×5英文=1500英文覚えられます。音読筆写で手持ち表現を増やしましょう!
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