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就活に「失敗」はない  適職よりも天職を見つけよう 人事部長のひとりごと(14)

日経カレッジカフェ×人事部長

2017/6/13

皆さんこんにちは。私は、日本経済新聞社等でワークショップ「ジローさんの迫熱教室」を行っている中澤二朗です。現役の人事部長ではありませんが、昨年まで大手企業の人事で部長をつとめ、今は高知大学の特任教授をしています。先日、就活で悩んでいる学生の相談にのる機会がありました。そこで交わした会話を紹介します。

適職と天職は違う

学生 就活が思うようにいきません。

 就活は人によって事情はまちまち。よって、一般論で片づけるわけにはいきません。

ただ、それでも一つ。適職と天職は違うということは、是非、頭に入れておいて下さい。

学生 どういうことでしょう。

 今、あなたのやっている就活は「適職探し」です。自分に合った仕事、身に付けた専門性に見合う仕事を探すのが目的だからです。

学生 「天職探し」ではないのですか。

 いやいや、その二つは似て非なるものです。

突然ですが、マルティン・ルターという人を知っていますよね。1517年、ドイツで宗教改革を起こした、あのルターです。その彼が、こう言っています。「すべて仕事は天職である」、と。この世に存在する仕事は、すべからく、人の求めに応じて作り出されたものです。それが、例え、意に沿わない会社の、意に反した仕事であっても、そうです。

学生 理屈はそうかもしれませんが、でも、やる気がなければ......。

 その通りです。むろん、仕事に向き合う姿勢が「前向き」であることが前提です。

すると、こんなことが起こります。その仕事が意に反したものであっても、必ずや生きがい感を感じることができるということです。誠心誠意、世の中に働きかける。すると、今度は向こうから、「ありがとう」の一言が返ってくるからです。それが、あなたに、"はり"や"はりあい"をもたらします。そして、いつしか、"やりたくなかった仕事"が"やりたい仕事"になっているから不思議です。

就活に「失敗」はない

学生 それでも私のように、就活が上手くいかなければ、メゲます。

 確かにそうかもしれません。しかし、こうは考えられないでしょうか。その悔しさが、心がけ次第で、あなたの"バネ"になるかもしれません。就いた仕事はセカンドベストか、サードベスト。

しかし、だから余計に世の中のために、お客様のために頑張ろうと腹を決めればいいだけです。そうしたら、さっき言ったように、大きな生きがい感にひたることができる。すべての仕事が天職であれば、そんな皮肉な逆転が起こります。

学生 気の持ちよう、ですか。

 否定はしません。が、理屈は通っています。いや、あきらめたところで、かえってへこむばかりであれば、この理屈に従った方が救われます。

いや、逆に、入りたい会社に入れた人を、思い浮かべてみるのもいいでしょう。

入ること自体が目的で、「何のために働くのか」を考えたことのない人は、入ってから苦労しているように思われます。

学生 私の先輩にもいました。良い会社に入ったのに、すぐ辞めた人が。

 就活のこの時期、まずは適職探しに専念する。しかし、それと同時に、是非"天職意識"も磨いてほしいと思います。誰もが、入りたい会社に入れるわけではありません。適職に妥協は付き物です。でも、それが意にそぐわない仕事であって、すべてが天職であれば、後はあなたの心がけ次第。

働くとは、傍(はた)(周りの人たち)を楽(らく)にすることです。傍を楽にすることが、あなたの「働く」であり、その仕事を「通して」成長することがあなたののぞみであれば、そこに就活の失敗はありません。

(参考)拙著『働く。なぜ?』講談社現代新書

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