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入社前に絶対忘れてはいけない2つのこと

どうする? 女子のキャリア(23)

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内定式が終わり、後は入社を待つばかり、という方も多いでしょう。この時期、よく質問されるのは、入社までにやっておくべきことは何か、ということです。これからは自由な時間が少なくなるのだから、今しかできないことを精一杯しなさい、というアドバイスをされることが多いかもしれませんね。もちろん私もそう思いますが、私はとても現実的に、あえて、「卒業すること」と「お金を準備しておくこと」という2点をあげたいと思います。

内定者同士で目立っていた人が入社後にいなくなっている、というのはよくある話です。もちろん、人によっては、内定式後に進路を変えた人や家庭の都合などで入社しなかった人もいます。でも、実は一番よく聞くのは、「卒業できなかった」パターン。100人いればひとりふたりは出現する気がします。

泣きながら電話してきた学生

実際に会社員時代、採用でフォローしていた学生が、卒業旅行中に単位の不足で卒業できなくなったとわかったと言って、泣きながら電話してきたことがありました。「どこにいるの?」と聞くと「ニューヨークです」と言うのです。すぐに会うこともできないし、学校の対応を確認することもできず。電話で話すうちに、だんだん「卒業できるかどうかギリギリなのに海外にいるなんて呑気すぎる!」と腹立たしいような気持ちになってしまいました。

実はそんな私も、人のことは言えません。私が4年生だった25年も前のことです。卒業論文の締め切り当日に想定外の大雪が降ったのです。卒論原本の提出以外の方法はなかったのに、交通機関は乱れ、当然のように当日に提出する予定だっただらしない私は、製本した卒論を抱えて呆然としました。電話がつながりにくくなって学校に連絡を入れるのにも時間がかかった挙句、現在のように携帯もなくネットで代替の交通機関がわかったりもしない時代。

とにかく家を出て、普段は乗らないバスや電車を乗り継ぎ、ひたすら線路わきを歩いたりして、いつもの数倍の時間をかけて大学に行きました。なんとか受理してもらったときは、安堵のあまり、座り込んで泣きたい気持ちでした。後日、事前に提出した友人に笑顔で「大変だったね」と言われたときは、「どうして私は前日までに提出しなかったのか」と相当に落ち込み、だらしない自分を呪いたいような情けない気持になったのをよく覚えています。「卒業できるか確認しよう」というのは、身をもって得た教訓です。

もし危ない単位がある場合は、教授に直接話をして、万が一の場合にレポートや再テストでの救済があり得るか確認することで、単位不足を回避できることもありますが、やはり基本は本人の危機感です。卒業できなければ、せっかくの内定も取り消される可能性が高くなってしまいます。一方で、企業に相談して1年後の入社を認めてもらったり、働きながら単位取得をさせてもらった学生もいます。卒業できなかったら即アウト、とは限らないので、こういう事態に陥ったら、大学や企業に誠意をもって相談するしかありません。

単位不足や卒論提出の遅れをなんとか乗り切った人や、会社に入社時期を考慮してもらった人が、武勇伝のようにその顛末を語るのを聞いたことがありますが、決して自慢できる話ではありません。卒業論文の提出期限や履修単位の確認、資格取得のための必要書類の準備など、「卒業して、就職する」自覚を持つように万全を期すことをお勧めします。

会社に入ればすぐ給料が出る、ワケではない

それから2つ目は意外かもしれませんが、「お金を準備しておくこと」です。残り少ない学生生活を心残りのないよう、思い切り満喫するのは、とても素晴らしいこと。でも、貯金がゼロになるまで使い切ってしまうのはお勧めできません。入社してもすぐにはお給料はもらえません。さらに「立て替え精算」が日常ルールの企業は多いのです。

仕事にかかる交通費、毎日のお昼ごはんや飲み物、身だしなみや新生活にかかるコスト、と入社後すぐに、それなりのお金が必要になります。いざというときに手元にお金がないと、もうバイトもできませんし、親に借りざるを得ないといった状況に陥ることも考えられます。入社前に「スーツを3着買ったんです!」「髪型を変えました」と嬉しそうに報告してくれる人も時にいるのですが、仕事内容と服装がマッチしない場合は、泣く泣くスーツを買い替えたり髪色を染め直したりすることもあるかもしれません。クレジットカードがあれば大丈夫、と言う人もいるでしょうが、それでは、これからのお給料を前借りしていることになってしまいます。

私自身、新入社員をランチに誘ったら、「お金がないので、私はおにぎりにします」と言われて、「ご馳走するから心配しないで!」と笑った経験がありますが、「ご馳走してくれるか」を先輩や上司に確認するのはなかなか難易度の高いコミュニケーション。せっかく先輩たちと話ができる機会を自分だけ失うのも勿体ないことです。それに、万が一、我慢ならない会社だとわかっても、まったくお金がないと辞めることもさえできなくなってしまいます。「何があるかわからないから」と考えて、10万円くらいは、すぐに使えるお金を準備しておくと、余裕をもって社会人生活をスタートできますよ。

就職する企業も決まって、解放感いっぱいで残りの学生生活のプランを練っている時に、とても現実的で退屈な話をしてしまいました。

すべては自分で判断すればよいことではありますが、自由を満喫する前に少しだけ現実を考えて準備をしておくと、あと半年の学生生活を、より安心して楽しめるかもしれません。そして、準備ができたら、後はどうぞ素晴らしい悔いのない学生生活を! 充実した時間が過ごせることを心から祈っています。

堂薗 稚子(どうぞの わかこ)
1969年生まれ。92年上智大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材系事業の営業職を経て「就職ジャーナル」副編集長、「リクナビ派遣」編集長、カンパニーオフィサー、ダイバーシティ推進マネジャーなどを歴任。13年、株式会社ACT3設立。女性活躍支援など、企業の組織開発・人材開発にかかわる調査・企画立案、コンサルティング・研修・講演などを行う。著書に『「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(KADOKAWA)。二児の母。

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