検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

仕事か恋人か、どちらか選べますか

どうする?女子のキャリア(9)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

私が会社員時代だった頃、新入社員と食事に出かけてプライベートの話題になると、「仕事か恋人か」という悩みをしょっちゅう聞いたものです。「学生時代に付き合っていた恋人と遠距離恋愛することになって辛い」とか、「社会人になってから物理的にも精神的にもすれ違うようになって別れてしまった」など、切ない話を聞いては一緒に「うーん」とうなったことが何度もあります。

なぜ女性だけが悩むの?

先日も、あるクライアント企業の人事担当者が、「入社半年の社員が、恋人のいるエリアに住みたいから、と退職してしまい、『どうして採用前に見きわめられなかったのか』と配属先の上長に叱られてしまった」と苦笑いしていました。

もちろん、オトナになって結婚してからも、例えば「パートナーが地方転勤になった」ということはよくあること。若い世代だけでなく、いつになっても女性は「恋人についていくかどうか」「パートナーと仕事のどちらか選ばなくては」とキャリアの選択を迫られると感じるシーンがたびたびあるのです。

私が以前勤務していた会社では、女性が自ら志願して単身赴任することもそれほど珍しくありませんでした。お子さんを連れて単身赴任した女性管理職もいて、若手の女性陣たちが「すごい決断!」と感銘を受けているのを聞いたこともありますが、総じて「目の前のチャンスを逃さない女性」という印象で、決してネガティブには捉えられていなかったと思います。

けれど、こういう選択はまだまだ一般的ではなく、進歩的に見えるその会社でさえ、単身赴任は圧倒的に男性の方が多かったのです。つまり、女性の方が、「パートナーについていくか」に加えて、「自分の転勤を受けるかどうか」で悩むことも多いのが現実。一方で「男性が悩む」というのはあまり聞かない、というのも日本社会の現状なのでしょうね。

就活に際しても、今の恋人のいる近くで就職するかどうか、迷っている方もいるかもしれません。周囲に相談すると、「近くにいても学生時代の恋人と結婚するとは限らないよ」とか「仕事なんてなんだっていいじゃない、今の恋を大切にしたら?」とか「どちらかを選んだ方がいい」というアドバイスをされ、そのつど気持ちが揺れる、ということもあるのではないでしょうか。

実はかつての私にも似たような経験があります。年上の恋人が就職して関西に配属になり、東京にいた学生の私は、彼がどんどん遠くなっていくようで辛くてたまりませんでした。一緒にいたいのに頻繁に会えなくなり、関西で就職先を探すことを真剣に考えました。

でも関西には親戚などもいなかったので、ホテルに泊まって就活することになり、お金も時間も続かなくて、気持ちが焦るばかり。最終的に、関西では「働きたい」と思う内定先が決まらず、東京で就職することに決めました。

この決断に至ったのは、心のどこかで、彼を中心にしてしか未来を決められない自分を不甲斐なく感じ始めていた、というのも一因だったような気がします。そして翌年自分が就職して初めて、週末に彼に会いに関西に行くのが「しんどい」と思いました。新社会人としての生活で心身ともに疲れていたし、正直ひとりで寝ていたくて、「彼が頻繁に東京に来なくなった気持ちがやっとわかった」と思ったのです。

そんな1年を過ごした後の2年目のゴールデンウィーク、「東京に来る」と私に言っていた彼は、約束の日、東京駅に現れませんでした。午後からずっとホームで待ち、最終の新幹線が行ってしまったとき、気持ちが不思議なくらい、さーっと吹っ切れていったのをよく覚えています。今でこそ言えることですが、彼も私も、相手との関係より自分のことで精一杯だった、ということなのでしょう。

そんな私が今アドバイスを求められたら、「仕事かパートナーか、どちらかだけを選ぶ究極の選択をする必要はない」と答えると思います。どちらかを得るためにどちらかを諦める選択は、必ず「あの時もし...」といった逡巡や後悔をもたらすと思うのです。

であれば、「大好きな彼との恋愛」と「わくわくする仕事」が両立できないだろうかと考えてみてはどうでしょう。彼のいる地域でやってみたい仕事が見つかればそれもとても素敵なことだし、そんな仕事が彼の住む街と離れた場所にあるのなら、どうやって彼と遠距離で絆が深められるか考えてみるのも素敵なことです。

私はこれまでに、就職当時の私とは違って、遠距離恋愛や単身赴任を乗り越えて関係を深めている人たちもいっぱい見てきました。また自ら決断して、パートナーのそばで新しい仕事やテーマに挑戦して輝いている人たちもたくさん見ました。

でも彼女たちは、仕事やパートナーのために、「何かを捨てた」という感じはないのです。それぞれ、自分自身の成長とパートナーとの関係の両方を充実させようとして、目の前のことに懸命です。だから、やたらと過去の選択を振り返って、「恨みがましさ」「後悔」を感じさせることがないのだと私は思います。

どちらもあきらめたくない!

かつての私のように、恋人のそばで暮らすためなら仕事なんてどんなものでも良い、と思って決断したとしたら、例えば恋人と少しでもうまくいかなくなったときに途方に暮れてしまうことでしょう。また面白い仕事をするために恋人と離れて暮らすからといって、別れる結末だと決めつける必要もありません。「仕事かパートナーか」と思ってしまうと、この分かれ道がどんどん大きなものに感じられて、立ち止まって悩むしかなくなってしまいます。

でも、将来なんて誰にも予測はできません。「仕事もパートナーも」と思えれば、目の前の道が人生最大の岐路だなどと思い悩まずに済むかもしれません。

男性側の意見として、女性が「仕事と私とどちらが大事?」とパートナーに聞くのはタブーだとよく言われます。でも、男性が女性に聞くのだってタブーです。あなたにそんな選択を迫る男性がいたとしたら、その人はちょっと今イチだとは思いますが、「どっちも大事!」と答えてにっこり笑っていればいいのです。将来、「あの時、あなたのせいで、夢を諦めたのに......」とか「仕事のために恋を犠牲にした」とかぐちっている自分の姿なんて想像したくないですよね。

堂薗 稚子(どうぞの わかこ)
1969年生まれ。92年上智大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材系事業の営業職を経て「就職ジャーナル」副編集長、「リクナビ派遣」編集長、カンパニーオフィサー、ダイバーシティ推進マネジャーなどを歴任。13年、株式会社ACT3設立。女性活躍支援など、企業の組織開発・人材開発にかかわる調査・企画立案、コンサルティング・研修・講演などを行う。著書に『「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(KADOKAWA)。二児の母。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_