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胸が大きいと職場で着る服に困る

CEOは大学中退(2)

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自分の悩みから生まれた事業アイデア

こんにちは、黒澤美寿希です。今回は胸が大きな女性のためのブランドHEART CLOSET(株式会社122)の起業について、お話したいと思います。

私自身の胸がHカップで、服選びにすごく苦労してきました。体がMサイズでも胸が大きいと胸に合わなくて窮屈で息をするのも苦しかったり、ボタンが弾けそうになり隙間から下着が見えてしまったり。それに、おしゃれをしたくて百貨店を1日中歩き回って、いろいろなショップで何回試着しても、自分に合った服、着られる服が見つからないんですよね。

困ったのは職場。大学を中退して、就職した先が女性は制服を着ないといけない企業だったんです。指定のベストとオフィス用カタログからシャツを選ぶのですが、まさにボタンが弾けて綺麗に着られない。胸以外はジャストサイズでも、シャツもベストのボタンが留められない。胸のサイズに合わせるとLサイズかLLサイズを着ないといけないので野暮ったいし、太って見えるので、とても辛い思いをしていました。

私服の会社に転職しても、服の苦労は続きます。営業職だったので私服ながらもある程度きちんとした格好をしなくてはいけません。でも、探し回っても胸の大きな私に綺麗に着られる服がないんです。ようやく妥協して着られる服が見つかっても、変に胸が強調されてセクシーに見えすぎてしまったり...。最近聞いた話ですが、当時は「やたら派手な女の子が営業に来てる」と評判になっていたみたいです。本人はセクシー路線を狙っていたわけではないんですけどね。

それでも20代前半はまだ良かったんです。派手なファッションでも、「若いから」と許されていましたから。でも、20代後半になるとそうはいかない。もちろん若い格好は似合わなくなって来るし、きちんとしたファッションでないと、仕事での信頼が得られない場合が増えてくるんです。

「だったら、胸の大きな女性のための服を自分で作ってみようかな?」

これがHEART CLOSETを構想したきっかけです。

アパレルのど素人がブランドを立ち上げ

そこで28歳くらいから、まずは、「胸の大きな女性のための服」というキーワードで調査を開始しました。トリンプ・インターナショナル・ジャパンが実施した調査では「女性の4人に1人はEカップ」というデータがあり、私自身も困っているし、調査からも日本人女性の胸が大きくなっているのだから、ニーズがあるのは間違いない。ところが、調べた限りでは、胸が大きい女性に特化したブランドはないんですよね。

さらに周りにいる胸の大きな友達や、友達の友達と、いろいろ服の悩みについて聞いてみました。すると、「仕事のときに着る服選びにすごく困ってる」という声が想像以上に多かったんです。

「これは、確実にビジネスになる!」

「しかも、自分にとってもメリット大! 自分自身で着たい服が着られるし、一石二鳥!」

実際に自分自身で動いてリサーチしてみると、自分自身の胸が大きいことの悩み、困っていることがビジネスになると確信に変わりました。

もう1つ、環境が整いつつあったことも、フットワーク軽くHEART CLOSETの起業準備を始められる大きな理由でした。最初に起業した株式会社Ga-showのスタッフが育って、私がべったり張り付かなくても事業がまわり始め、2社目の起業にエネルギーをかけられたんです。HEART CLOSETは起業が起業を生んだ会社なのです。

今の時点でベストな選択をする

起業するにせよ、就職して組織の一員として働くにせよ、どんなときも仕事では何かを決めることの連続です。だからと言ってその答えが本当にベストな選択なのか解らない場合もあります。そんな時含め、私は常にベストな選択ができるようにこう考えています。

たくさんの観点から選択肢を作って選ぶこと

悲しい思いをする人がいないこと

苦手な部分はやらないこと

最後まで判断できないことは無理に決めず、見えるとこまでしか決めないこと

私のキャリアのほとんどはゲーム業界で、他の事業は知らない井の中の蛙。アパレル事業はまったくの素人だから、アイデアを実現するにはもっとたくさんの人格と知識と経験が必要です。それが私にとって仲間。これまでの仕事の経験から多方面に人脈ができていて、「この人となら、事業化できる!」と声をかけたんですね。それが、役員の2人でした。2人に声をかけたのは私にはない部分をたくさん持っていたからです。

今、自分に「何ができるか」と「何ができないか」をできるだけ整理してみる。そして、その選択肢の幅を広げてくれるのが、一緒に働く仲間。だから、仲間は本当に大事なのです。

次回は私の恋愛や男性観についてお話します。振り返ると、これまでの恋愛経験も、私が起業した理由の1つになっています。

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