じゃあ、何で仕事を始めたの!?
バカこそものの上手なれ(2)
はい、ハヤカワ五味です。前回は、ハヤカワ五味は何屋さんなのかというお話をさせていただきました。今回はそれに引き続きまして、「じゃあ何で仕事を始めたの!?」という話を高校生時代にまで遡ってします。
色々な会社のインターン
中学~高校生時代の私は将来「それとなくおもろい会社に入って、それとなく仕事をして、それ以外の時間はオタク活動に費やそう!!!」と考えていました。最近では大学1年生のうちから行けるインターンやワークショップがあり、周りの友人からも体験談を聞いていたので、かなり早いうちから面白法人カヤックをはじめとした色々な会社のインターン等に参加させていただいておりました。いや、正直今でも、「一生遊んで暮したい」と思ってるし、「チャンスがあればいつでもニートになりたい」と思っています。でも、まあ、そんなチャンスなかなかないですね!!!
活動を始める前の私は元々欲が少なく、紙とペンがあればいくらでも時間を潰せたし、勉強道具を与えられたらそれで永遠エンジョイできました。中高時代も実家暮らしでそこまでお金には良くも悪くも困らず、現在でも、ぶっちゃけ月5万円もあれば苦労せずに生活できるなと思ってます。
じゃあ、なぜ仕事を始めたのか?
それは気付いたら始まっていたからです。もうそれだけ。趣味でやっていたタイツ作り、服作りがいつの間にか大きな規模になり、自然に仕事という形につながりました。でも、今思うとそれで良かったなという点がとても多いのです。
ロリータ服にはまった中3
中3の私はロリータ服というフリフリしたお洋服にとってもハマっていました。ただ、服1着が2万-3万円と高価で、たくさん買える訳でもなく、それに合わせるアクセサリーやタイツなどでコーディネートの幅を広げて楽しんでいました。
そのため、色々なタイツを買っていたのですが、なかなか自分の趣味に合うものがありませんでした。それなら自作しようということで、オリジナルプリントのタイツをカラースプレーで作り始めました。このように、それとなく自分のやりたいことをやっていたらある時、趣味でやっていたブログの読者さんや予備校の友人から、オリジナルプリントのタイツが欲しいと言われた。褒められて嬉しかったし、「欲しい」って言ってもらえるなんて思ってもいなかったので、土台のタイツ約500円に、他の材料費を合わせて合計1000円くらいするのに、1200円という趣味半分の利益度外視の金額で販売を始めました。
そのタイツがなかなか好評で、2足、3足とポツポツ売れ始めました。でもある程度のところで、自分のお小遣いでは作れる量に限界があり、買えない人がたくさん出てしまうということに気づきます。それからは、しっかり多めにお金をいただいて、それをまた次の生産に充て、さらに多くの人に届けられるようになりました。
「商品を販売するため」に利益を出そう!
しっかり利益も出るようになり、次の製作費用に回せるというタイミングが来ました。その時、私は迷わず、利益を出してそれで商品化を進めて販売するという道を選んだのですが、この時、「自分の生活費のため」でなく「商品を販売するため」に利益を出そうと思えたのが大きいなと思います。
というのも、現在でも私にとっての「会社での活動」「個人での活動」は基本的に「活動を継続するため」だったり「やりたいこと/新しいことをするため」の活動だったりで、いわゆる生活費を稼ぐための「仕事」にはなっていません。それは恐らく、自分が最低限暮らしていくお金が保証されているからこそできることかな、とは思います。
実際、今は実家や友人宅を転々とし、そこまで豪勢な食事も食べず、お洋服も好きなものをちょっとだけ。自分の収入に対しては低めの生活レベルのままだと思います。正直、生活レベルを上げて、海外旅行に行きまくって、ブランドものに身を包んで、自撮りをSNSにあげることも可能です。でも、自分の中では「生活レベルをあげること」<「新しいことをすること」であるし、今後とも好きなことができれば生活レベルは上がらなくていいのです。自分で活動を始める前に想定していた生活レベル以上に私生活に無駄を注ぎ込むつもりもないし、その想定を超えるお金を安定して得られるように、月何件か外部の仕事を受けたり、自分の事業のマネタイズを割り切ってやってます。
本来は好きなことを仕事にしたいはず
自分は好きなことをやって、ちょっとだけ冷静にマネタイズ(収益化)すれば、最低限の生活はできると思っています(ただ、マネタイズをできるようになるまでに自分でも3年はかかりました。この話に関しては次回で触れたいと思います)。生活レベルを上げるつもりもないので、最低限の生活以上の仕事は自分が好きでやっている、ということにし、さらにその好きなことでマネタイズをして次の活動につなげ、安定して利益の出る良いスパイラルを作る。親孝行や何か、生活でも活動でもない部分に使いたいというのであれば、この段階まで早く持って行ってからの方が安定するかなと思います。
「仕事をやる気が起きないんだけど、どうすれば?」というような質問をよく受けますが、私の場合は自分の見栄や世間体のためでないからこそ、やりたいことをやれるし、やる気が起きないということもありません。つまり、人にやらされる仕事という訳ではなく、自発的なものであるということ。活動はしているものの、先に言ったような「一生遊んで暮したい」という願いには背いてない。一度生活レベルをただ上げていく方向にシフトし始めちゃうと、本来は好きなことを仕事にしたいはずだったのに、生活を上げるために仕事をするという目的にすりかわりがちです。
一方で、最低限のマネタイズができないと、それはそれで生活費を稼ぐため、という目的にすり替わってしまいます。自分の好きなことをお金にするなんて......という態度を取って世間のご機嫌を取るよりも、割り切ってどうやって利益化すればいいのかという勉強や経験を積むほうがいい。その方が本当に自分のやりたいことと向き合いやすいのかなと思っています。
ここまで、かなり個人事業ベースっぽい話をしましたが、これは会社員の方でも同じだと思っています。最低限の仕事を割り切って終わらせて、それプラスαの工夫なり作業なりを自分の好きでやっていることと思ってやり、それが昇格材料なり何かしらのプラスになってくれるといういいスパイラルになるといいなとか。もしくは、これ以上給料上がらなくてもいいやってとこまできたら、どんどん仕事を楽しくできるように考えることに時間をつかうとか。そんな余裕もねえよって会社の場合は、もう転職したらとしか言えないという頼りない意見でした。
次回は実際に自分がいかにマネタイズを進めて、自分のしたいことができる環境を整えたかという話をします。第3回でお会いしましょう~!☆
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。