スキンケアは当たり前! 今時男子の美意識事情
私たちのリアル(22)
日差しが眩しくジリジリ暑い夏、外に出れば汗だくで、ニオイが気になる時期ですね。今回は美意識の高い今ドキ男子のニオイ対策やスキンケアから美ボディを目指す筋トレ男子についてご紹介します。
男らしさに男臭さは入らない
最近、男子が香りやニオイにとても敏感だなと感じることが多々あります。背景にはインポート物並みに香りの強い柔軟剤が増えていて、そんな柔軟剤の香りで育った香りセンサーを持つ今ドキ男子は、香りへのこだわりがとても強いようです。
自称ニオイにうるさい高3サッカー少年Tくんの場合、「部活から帰宅するとお風呂へ直行。着ていた練習着と、お気に入りの柔軟剤をたっぷり入れて洗濯機を回し、泡立ちが良く、香りの良いボディーソープとシャンプーでシャワータイム」といいます。「香りは本当に大事! クサイのなんて絶対無理! いいニオイじゃないと自分も周りも嫌」。これが今の男子学生です。
他にも「女子から人気のBOTANISTというシャンプーは香りがいい! と男子からも注目されている」「お出かけがある日はAXEのデオドラントでいい香りにする」など、今や男女の垣根なく香りの話題は事欠きません。また男子は、高校生まではギャツビーやシーブリーズなどの制汗剤を愛用するものの、大学生になると香りの持ちを気にして香水を使い出すのが一般的になってきています。「香水臭いは要注意!」と敬遠された時代もありましたが、男子大学生たちは「最近は香水嫌い男子はほとんどいない」といいます。
「夏場は汗をかくからニキビとか肌荒れ対策が大変なんですよね~」と言って美容トークを始めた高校生男子、ニキビケアのため、ビタミンが入った集中美容液を欲しがり、プチっとニキビができたら寝る前に薬を塗って早めの対策、なんて話も出てきました。美肌のために毎朝毎晩化粧水は当たり前の男子学生たち。今や美肌は男女共通の目標です。
通学の靴下焼けを嫌い、日焼け止めも欠かさず塗っている男子も少なくありません。「日焼けをたくさんしたなという日は、冷蔵庫に冷やしてあるアロエのジェルでスキンケア」という男子までいました。兄弟や、美意識の高い両親を持つ仲良し家族の場合は、家族間で美容情報を交換しあうのも珍しくないそうです。
人気のネットアイドル美白美男子
そんな美意識の高い男子たち、男っぽさが薄れた男子を、女子はどう見ているのでしょうか。「清潔な方が良いし、彼氏と美容情報が交換できるのは楽しい。自分の使っているリップクリームを気に入って買ってくる彼氏はカワイイ!」と、良い反応ばかりです。
大学生カップルからは「彼氏が化粧品売場を見るのが好きで、1時間くらい香水とかスキンケアグッズを一緒に見てました」という話も聞くようになりました。男女関係なく美容を楽しむ風潮で、この先ますます美しい日本男子が増えそうです。そんな折、女子高生に教えてもらったのはインスタグラマー&ネットアイドルの「ゆうたろうくん」と「デビルくん」。この美白美男子のお二人、特に女子高生からの支持が高く、ゆうたろうくん専用インスタアカウントを作る女子まで登場していました。ジェンダーレスな高校生カップルが続々登場!?なんて想像までしてしまいます。
美ボディー目指す筋トレ男子
さて、美意識の高い男子学生のタイプは二極化していて、綺麗な顔立ちとシルエットを目指す女子系男子と、ダンディーになりたい男気筋トレ男子に分かれます。そして今、筋トレ男子も急増しています。海外留学でガタイの良い欧米人に囲まれて触発されたのがきっかけで、1年半程前に筋トレを始めたというKくん。週に3、4日は朝から駅前ジムへ行き筋トレ! 2時間ほどトレーニングメニューをこなし、少し休憩を挟んでから学校へ行くそうです。「学校にもトレーニングルームがあるけれど、いつも混んでいるし、授業後にしか使えない」といった不便さを感じて地元のジムを利用しています。
筋トレ男子にハマる理由を聞いてみると、「ストレス発散」「ダンベルをオリャーっと上げるとスッキリする!」「早起きしてジムに行くと1日が充実する気がする。自己満もありますね!」などなど。やはり体を動かすと気持ちも晴れ晴れし、精神衛生上とても良さそうですね。
その他、筋トレ仲間で「MYPROTEIN、格安プロテインbe LEGEND、定番のザバスなどプロテインの情報交換をすることも楽しみの1つ」という声も多くありました。一方、筋トレ男子の彼氏を持つ女子たちからはこんな愚痴も聞こえてきます。
「SNSで筋トレしているアピールをするのは恥ずかしいけど、彼女くらいにならアピールしたいみたいで、しょっちゅうジム報告(今日は僧帽筋を鍛えたなど)があり、私まで詳しくなってしまう」
「明日はジムだからデートは明後日でもいい?と言って、デートがトレーニングスケジュールに左右されるのも日常茶飯事」
「ピザやうどん、炭水化物を避けたがるので、食事する場所選びに苦労することもあります」
もちろん、女子系男子と男気筋トレ男子のどちらにもつかない人たちもたくさんいるようですが、二極化する男子の美意識はとても興味深いです。どんなタイプにせよ、SNSで見る見られる環境が増えたデジタル世代ならでは、外見への意識は上がる一方です。美しい顔と肉体美、若者の美意識、オシャレセンスに目が離せません。
ブームプランニング社長。山口県出身。1986年に企画集団「スキャットクラブ・オブ・ジャパン」を発足、女子高生ビジネスを立ち上げる。88年、株式会社ブームプランニングを設立し、女子高生を中心としたマーケティングやセールスプロモーションを展開。現在、未就学児から小・中・高生、大学生、OL、主婦、シニア層まで全国1万人以上ネットワークを広げ、様々な業種で企業の商品開発にかかわる。活動に関係した女子高生は10万人。著書に『「ウチら」と「オソロ」の世代 東京・女子高生の素顔と行動』など。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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