Twitter、Instagram、facebook……女子学生のSNS事情
私たちのリアル(20)
春は新しい出会いやゴールデンウイークなど、プライベートの行事が目白押し、SNS投稿も何かと賑やかな季節ですね。今回は、あらためて日常でのSNSについて女子学生たちに聞いてみました。
プライベートのやりとりは、今や大人でもメールよりSNSが主流ですが、学生の間ではTwitter、Instagram、facebookの"SNS3大柱"を利用していることは当たり前で、Snap chatも投稿の気軽さから未だ人気があるようです。
例えば新しく知り合った人には、「Twitterかインスタやってる?」と聞いて繋がり、共通の友人がいることに気づいて会話が弾んだり、さらに、SNSを見ればその人の趣味嗜好その他、大抵のことがわかります。新しい友達とSNSで繋がることはもはや必須事項という人が大半です。
Twitter:情報収集と共有
みんなが口を揃えていうのが「情報収集に適しているのはTwitter」。今流行っているものや最新情報が回ってくるスピードはとても早く、Twitterでの拡散は驚くほどあっという間。聞けば「炎上や身バレ(学校や住所を晒されること)を恐れて鍵アカ(非公開にする)や本名ではない名前に変更する人も増えている」とか。LINEでの会話をTwitterに載せることもよくあるので、「大事な会話はスクショされるから、文字上ではなく電話か会って話す」という考えの人が最近は増えています。
Twitterでバズったものが少し遅れてTVで取り上げられて世間的に話題になる傾向は、昨年のPPAPが良い例です。その流れを再確認すると、かなり前から学生たちのTwitterでは、友達や恋人と流行り動画(ないものねだり、MINMI、恋ダンス等)を撮るのが流行っていて、Twitter内で「友達と撮る面白動画」としてPPAPも流行っていたとのこと。ジャスティンビーバーが共有したことで一気に話題となりました。
Twitter内での流行りはすぐに終わり、TwitterでPPAP動画をあげている人は「古くない?」と言われていた矢先、TVで取り上げられて再ブーム。芸能人等もPPAP動画を撮ったり、紅白に出場するという展開が「既に懐かしいネタという感じです」。
また今年の1月頃"Salt Bae"の動画は、「塩かけるだけなのにキャラ濃くない?」「牛肉に対する愛情がやばい」などの声から、アメリカ内では「2017年一番のバズリだ」と言われるほどの人気がありました。「英語のスラングで、ネット上で話題になる動画や画像、ネタのことはmeme(ミーム)という」を教えてくれるような、常に海外ネット情報に触れている人たち以外、日本では学生たちにも知名度なしでした。しかし3月になり、Twiiter内で「TL上でそのツイートが流れると下の投稿の人に塩がかかる画像」として、「#下の人に塩をかけよう」というタグと共にバズっていきました。
Instagram世界観の発信と、日常の発信
もっとオフィシャルなSNSとして利用している学生が多いのは、Instagram。多くの大人たちは、仕事のために勉強で始めたり、思い出を日記感覚で記録するためや、趣味・好きなブランドや綺麗な写真を見るためにインスタを使っていますが、学生に聞くと自分の世界観を作り表現する場として使用している人がとても多いです。
同時に人に見られて評価される場でもあるため、投稿する画像はクオリティを重視し、自分らしい加工で構成し、ページの統一感には特に気を遣っています。常に自分の納得するページにしたいと思って写真を投稿しているという話をよく聞きます。
そんなインスタの気の抜けなさを開放し、彼らが日常を発信するために使っているのが「インスタストーリー」。昨年追加された新機能で"24時間で消える"インスタグラム版スナップチャット。「消える」からこそ、自身のインスタページの統一感をけがすことなく、今まで載せられなかったちょっぴりふざけたり、飾らない自分を出せる写真や動画を何も考えずに即投稿できるところが良いとのこと。
ストーリーにあげるセルフィは、snowやスナチャで撮ったものがほとんどで声が変わるフィルターで面白く撮ったり、ただキメて自撮るのとは違う気軽なセルフィや、「お土産もらった~」など他人にはどうでもいいネタが多いようですが、24時間限定だし、消したくなったらすぐ消せるし、人の目を気にせず気軽に投稿できるストレスフリーがうけているようです。
撮った画像や動画はただ載せるだけではなく、"渋谷上陸""With〇〇""今日のランチ"など、一緒にいる人をタグ付けしたり、位置情報を設定したりと、より今を「気軽」かつ「リアル」に伝えることにこだわります。見る側も自分が近くにいればすかさずコメントして会ったり、ストーリーにメッセージを送って会話が始まるのも良いところだそうです。
このように、みんなSNSをうまく使い分けながら、自分を発信する場として使っています。コミュニケーション面では、画面上の会話は当たり前になり、いわゆる「若者言葉」もすごいスピードで生まれては消えていきます。画面上での会話が多いからこそたくさん文字を打たなくて済むように、「あーね→あね」「まじで?→ま?」など今までの省略言葉もより短くして使っています。
LINEでの会話も、スピード重視。遊ぶ日程決めなどですぐに返信しなかったり、未読無視や既読無視をする人は面倒くさがられたり、呆れられる傾向にあります。パパッと予定を決めたい人が多く、秒で会話し、予定を確定させて「じゃ、また!」というような会話形式が多く見うけられます。
SNSは気軽に発信でき、フォロワーやいいね数で目に見える形で評価がわかります。モデルなどの有名人にならなくても、有名になれるチャンスが溢れているので、学生の「インスタグラマー」や「アルファツイッタラー」が増えているのかも知れないですね。
ブームプランニング社長。山口県出身。1986年に企画集団「スキャットクラブ・オブ・ジャパン」を発足、女子高生ビジネスを立ち上げる。88年、株式会社ブームプランニングを設立し、女子高生を中心としたマーケティングやセールスプロモーションを展開。現在、未就学児から小・中・高生、大学生、OL、主婦、シニア層まで全国1万人以上ネットワークを広げ、様々な業種で企業の商品開発にかかわる。活動に関係した女子高生は10万人。著書に『「ウチら」と「オソロ」の世代 東京・女子高生の素顔と行動』など。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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