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スマホで音楽漬け~課金の相場はいくらまで? 私たちのリアル(7)

中村泰子 ブームプランニング社長

2015/8/20

ネット時代の情報はなんでも「無料」と思っている世代ですが、自分にとって価値を見出せるものには一定の金額は払うようです。

学生達にスマートフォンが定着し始めて3~4年経ち、ほとんどの人がスマホユーザーとなりました。2012年4月にLINEが一気に普及したことで、コミュニケーションの形はさらに進化し、変化もめまぐるしく、大人にはもはや付いていけません。

そんな中で今年、2015年の春から"いわゆる"音楽ストリーミングアプリが続々と登場し、間もなくトライアル期間が終わる頃です。実際のところまだ「音楽ストリーミングアプリ」と聞いてどんなものかピンとくる人は年代問わず少ないようですが、確実に音楽系アプリは注目されています。というか、実はかなり前から女子高校生をはじめ、若い人は各々のスタイルでスマホを介して音楽を共有、楽しんで使っています。

iPhoneを初めとするスマホが出てきた当初、Bump(バンプ/電話番号やメールアドレス、名前等の連絡先を交換するためのアプリ)とShazam(シャザム/流れている音楽の曲名とアーティスト名を教えてくれるアプリ)などがよく話題に出ていました。

音楽とスマホはセット

数年前にはlyrica(リリカ/イヤフォンで聞いているiPodの歌詞が表示されるアプリ)やMusicTube等も女子高生を中心に一瞬人気が集まるなど、常に音楽とスマホはセットで存在しています。

そして今年はAWA、LINEmusic、AppleMusicの3つを筆頭に音楽ストリーミングアプリが注目を浴びています。果たして無料トライアル期間が過ぎた後のユーザーの動きはどうなるのか、若者と音楽の関係性が気になり実態を知るべくJK、JDたちに直接、学校の友達の様子も含めてヒアリングしてみました。

第一に、スマホに入れている音楽アプリを尋ねると、上記3トップではなく、無制限無料視聴のMusicBoxを使っている人が最も多かったです。課金に関しては、「音楽を聞くために月額料金を払うなんて有り得ない」という意見がほとんど。YouTubeで自由にライブ映像や音楽を聞ける環境で育ってきた世代に、コンサートやLIVE、CD以外で音楽を聞くことのために課金するという感覚がないのも無理はありません。

さらに、MusicBoxやMusicTube、Shazamを使った音楽シェア等は数年前からずっと使っているという子もいて、同じようなサービス内容で無料のものを長年使っている状況のため、課金アプリへ移行するのはなかなか腰が重いようです。スマホのサービス料の金額は、プリクラの画像提供サイトの価格(300円前後)が基準のようで、それ以下か同額でないと支払う気にはならないとのこと。ちなみに今でもJKは、毎月のプリ画課金をしている子は多いです。

しかし、大学4年生や社会人1年目のスマホネイティブ世代に話を聞いてみると、自分の稼いだお金となれば、多少の課金(月額であれば500円程度)は今後すると思うと言っています。AWAを使っている社会人一年目の女の子は、フリープランの1カ月60分という条件を見て、さすがにそれでは不便なので無料期間が過ぎたらLiteプランに入ろうか検討中だそうです。

情報消費が激しい世代だからこそ、自分にとって価値を見出せるものには納得できる一定の金額は払うようです。他にも、LINEのスタンプやテーマ、写真を可愛く加工するために写真加工アプリのフィルターやスタンプなど(100~200円)へ課金をする女の子は増えています。ちなみに、JKのスマホ上課金はプリクラの一回撮影料金と同額の400円以下が相場といったところです。

渋谷のワンカラで練習!

また、音楽の楽しみ方として、頻度は減ったもののカラオケは相変わらず人気のようで、渋谷にあるワンカラ(ひとカラ※一人カラオケのこと)に行き4時間近く練習している子までいました。MTVの歌詞も画面に出る90年代懐メロチャンネルを観て、自宅でひとカラしている大学生もいました。1人カラオケする子は意外と少なくありません。

そんな彼女達にとって、歌詞表示の有無は音楽アプリを選ぶ際に重要なポイントです。スマホ&SNS歴の長い人は、数年前からSNS共有が可能になったShazamをずっと使っているようです。これは歌詞も出るため、使用頻度は低いものの、お店や街中で流れていて気になった音楽をシャザムして、後でゆっくり聞けるようにメモとして使ったり、友達との思い出の曲が流れていたらシャザムからSNSを通してシェアしたりと、様々な使い方をしているようです。その他、花火大会へ行った時に、花火の動画と共にケイティー・ペリーのファイヤーワークスをLINEmusicから貼り付けて、来れなかった友達に送ってみたという子もいました。

100均で購入した専用防水ケースで操作し、音楽をかけながらバスタイム。念のためタオルは常備

登下校、移動中の一人の時間にはイヤフォンを付けて音楽を聞きながらSNSで友達と会話をしている彼女たち、お風呂でも音楽を聞いている話をよく聞きます。防水ケースやジップロックに入れてバスルームに持ち込む子はもちろん、お風呂にスピーカーが付いていてスマホやiPodを繋ぐだけで聞けるので、シャッフルで聞いているという子までいました。音楽を流しながら体や髪を洗っていると、曲数でどれくらい時間が経ったかも分かるので便利という声もあり、お風呂の時間は体を洗うだけではなくなってきているようです。

さて、去年あたりから、iPhone容量を気にして音楽はiPodで聞き、iPhoneには音楽を入れないようにしたという子が出てきました。

使い方は様々あるものの、スマホネイティブ世代の生活に音楽は根強く存在しているようです。また、音楽のみならず、昔よりもネットショッピングやアプリへの課金が増えたという声も彼女らからあがるようになりました。

今後社会に出ていった時、どのような価値観を持ち、消費をしていくのか気になるところです。

中村泰子(なかむら・やすこ)
ブームプランニング社長。山口県出身。1986年に企画集団「スキャットクラブ・オブ・ジャパン」を発足、女子高生ビジネスを立ち上げる。88年、株式会社ブームプランニングを設立し、女子高生を中心としたマーケティングやセールスプロモーションを展開。現在、未就学児から小・中・高生、大学生、OL、主婦、シニア層まで全国1万人以上ネットワークを広げ、様々な業種で企業の商品開発にかかわる。活動に関係した女子高生は10万人。著書に『「ウチら」と「オソロ」の世代 東京・女子高生の素顔と行動』など。

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