2018/12/20

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さらに、18年6月に参院法務委員会で可決された「民法の一部を改正する法律案に対する付帯決議」には「成年年齢と養育費負担終期は連動せず、未成熟である限り養育費分担義務があることを確認する」との文言があることから、養育費の終期を18歳にするような実務の運用はなされないはずだと思います。

現状、調停条項では終期を定める場合に「成人に達した日の属する月」というような表現になることが多いのですが、これから養育費の取り決めをする人は、終期を具体的な年齢や日にち(年月日)で定めておくことになるでしょう。

では、過去に「成人に達した日の属する月」とすでに取り決めてしまった場合、今回の法改正による影響を受けるのでしょうか。この点について、法務省は「取り決めがされた時点では成年年齢が20歳であったことからすると、成年年齢が引き下げられたとしても、従前どおり20歳まで養育費の支払い義務を負うことになると考えられる」との解釈を示していますので、18歳で打ち切られてしまうことはなさそうです。

算定表の使用が定着

さて、養育費の金額はどのように定まるのでしょうか。また、夫が主張するように、妻に収入があると支払われないものなのでしょうか。

養育費の算定については03年に裁判官らの研究会が「簡易迅速な養育費の算定を目指して」という研究結果を発表し、そこで提示された「養育費・婚姻費用算定表」(算定表)の使用が定着しており、調停などの実務ではこの算定表に沿った運用がなされています。

養育費の金額は、当事者の合意で自由に決めることができますが、家庭裁判所の調停や審判では、この幅を超えるような金額が認められるには、算定表によることが著しく不公平となるような特別の事情がある場合に限られます。

算定表は最高裁判所のホームページでも公開され、誰でも見ることができます。
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/

日弁連が新しい算定方式を発表

例えば、夫が給与所得者で年収が400万円、妻も給与所得者で年収が100万円、0歳から14歳の子どもが1人という場合、算定表に当てはめると月額は2万~4万円となります。

仮に夫の年収が1000万円、妻のそれは100万円だとすると、月額は8万~10万円に増えます。しかし、夫も妻も年収が1000万円の場合には月額4万~6万円になっています。妻に収入がある場合、その額によって養育費は変動しますが、支払う必要がないという夫の主張は誤りです。

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強制執行に備え、公正証書の作成を