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週末レシピ フランス版のお好み焼き「そばガレット」

「ガレット・デ・ロワ」 生地にソラマメか陶器の小さな人形を入れて焼く マメが入ったカット部分を食べた人が、その日の王様になれるという習慣がある=PIXTA

ところで、フランスで「ガレット」と呼ばれるものは、そば粉のクレープだけではない。

以前、知り合いのフランス人シェフが経営するビストロで、「今日はガレットないの?食べたいなあ」と言ったところ、「何のガレット?」と返された。私は具材を聞かれたのかと思い「コンプレでもエピナ(ホウレンソウ)でも何でも」と答えると、「ああ、そば粉のガレットのことだね」と。

そもそもの語源は小石を意味し、料理・菓子の名称では、平たく円形状に焼いたものを指す。日本でも知名度を上げてきた「ガレット・デ・ロワ(王様のガレット)」は、1月のキリスト教の公現祭(エピファニー)に食べる伝統菓子だ。他には、良質な乳製品の産地でもあるブルターニュ産のバターをたっぷり使用した、サブレのようなクッキーも、ジャガイモ生地で作ったパンケーキや薄切りにして円形に焼いたものなども、すべてガレットと呼ばれている。

そば粉のガレットのお供には、なんと言っても、リンゴの微発泡酒「シードル」が定番。ブルターニュ地方や隣のノルマンディ地方では、ブドウよりもリンゴの生育に適した風土のため、ワインよりもシードルが親しまれている。

ガレットのお供にはシードルが定番 シードルボウルに入れて飲むのがお約束=PIXTA

シードルは、シードルボウルと呼ぶ茶わんに入れて飲むのがお約束。以前、「サムゲタン」の回で紹介した「マッコリ」も茶わんに入れて飲む。知り合いの韓国人が「チヂミには絶対マッコリだよ」と言っていた。ガレットには茶わんでシードル、チヂミには茶わんでマッコリ。粉モノには、微炭酸なアルコールを茶わんに入れて飲むのが合うのだろうか。

そしてもう一つガレットに合うのは、「スープ・ドゥ・ポワッソン」だ。直訳すると魚のスープとなる。南フランス・マルセイユで有名な、魚介のスープ「ブイヤベース」の具が入ってないバージョン、フランス版のあら汁だと思ってもらえればよい。

日本でも、漁港で揚がったばかりの魚で作ったあら汁は濃厚でおいしい。ブルターニュ地方は港町が多く、新鮮な魚が漁獲されている。

「スープ・ドゥ・ポワッソン」 香り豊かで濃厚な、フランス版のあら汁

魚のあらと香味野菜を煮出して漉し、スープのベースを作る。そこに、トマトなどの野菜と白ワインを加えて煮込み、ミキサーにかけてできあがり。ルイユという、ニンニク風味のマヨネーズのようなソースを溶かしながら食べると格別だ。

クリスマスまであと数日。そばガレットをホットプレートなどで焼き、手巻きずしの要領で、おのおのが好みの具材をトッピングして食べるとパーティーが増す。この連休にガレットを作っておしゃれを気取るもよし。また平成最後の大みそかは、年越しそばの代わりにそばガレットで年越し、というのもアリではないか。まずは、気負わずにトライしてみよう。

(世界料理探究家 T.O.ジャスミン)

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