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国民食・焼き鳥に合うのは塩か、タレか それが問題だ魅惑のソルトワールド(24)

焼き鳥は自由だ。鶏肉だけに限らない(写真は豚)

大人気の焼き鳥だが、いったいいつから食べられているメニューなのだろうか。そもそも焼き鳥の定義とはなんなのか。

業界・愛好家・企業などの垣根を越えて組織した団体の「日本焼き鳥協会」によれば、例外はあるとしているものの、焼き鳥の定義を「(1)鶏、豚、牛等の畜産物(野生含む)の肉、或(ある)いは内臓等の素材を使用している」「(2)食べやすい大きさに加工され串に刺している」「(3)塩塩或いはタレなどで味付けをし焼き上げている」の3つとしている。

ここで注目してほしいのは(1)である。関東出身の私にとって、焼き鳥とは鶏肉または鶏の内臓が串に刺さったものを指す。だが、地方によっては素材が異なることがある。例えば北海道の室蘭では、「焼き鳥」といえば豚肉を串に刺したものを指すという。同様に山形県寒河江市でも豚肉がメインで使用されるという。そのほか、定義についても例外があり、今治地方では、鶏肉(主に鶏皮)を串に刺さずに焼いたものを「焼き鳥」と呼ぶ。味付けもフレキシブルなら、その定義もやはり自由度が高いようだ。

なお、日本で焼き鳥が最初に登場したのは、江戸時代中期と言われている。当時の文献に「鶏の肉を串に刺して焼く」という調理法が掲載されており、この時期に現在の「焼き鳥」の原型ができたと考えられている。安価なブロイラーがアメリカから導入された昭和30年代後半になって、ようやく現在のように大衆的な焼鳥屋が増加した。この短い期間に庶民の定番人気メニューにまでのしあがったのである。

タレ派やフレキシブル派がいるとわかってはいるが、ソルトコーディネーターとしては、塩派のために「焼き鳥におすすめの塩」もご紹介しておきたい。

もちろん部位によっても異なるのだが、焼き鳥の場合は塩が直接舌に当たる場合が多いので、しょっぱさが強すぎる塩だと、肉の味よりも塩の味が目立ってしまうことがある。そのため、あまりしょっぱさが強すぎず、うまみがあるタイプ、つまり成分でいうとナトリウムはそこそこで、マグネシウムやカリウムを適度に含むタイプがお勧めだ。自宅で焼き鳥をする時は塩派、フレキシブル派の人は、ぜひ色々な塩をつけて楽しんでみてほしい。また違った楽しみ方が見つかるかもしれない。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)


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