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ハイエンドテレビに液晶 ソニーがあえて投入する理由 西田宗千佳のデジタル未来図

2018/12/25

ソニーのハイエンド液晶テレビ「BRAVIA Z9F」(画面ははめこみ合成)

ハイエンドテレビはもはやすっかり有機ELばかりだ。だが「ハイエンドなら有機EL」というイメージを覆す商品をソニーが2018年10月に発売した。液晶を使った「BRAVIA Z9F」シリーズだ。

液晶にこだわり続けているシャープを除くと、ほとんどの家電メーカーは、「ハイエンド製品を有機ELで、お手ごろな価格のものは液晶で」というすみ分けを進めている。画素単位で光のオンオフを制御する有機ELは、バックライトでパネル全体を照らす液晶と比べ、黒を表示するときに発光しない分、締まりのいい、コントラストの高い映像を楽しめる。現状、パネルの供給は韓国LGディスプレイに限られているが、LG製パネルの性能も上がっている。以前は輝度が低く「絵が暗い」と言われたが、その問題は払拭されたし、各社の競争によって価格も下がってきて、この1年でずいぶん手に入れやすくなってきた。

■液晶の欠点「視野角」を解消したソニー

こうした流れに一石を投じたのがソニーの「BRAVIA Z9Fシリーズ」だ。

「BRAVIA Z9F」。輝度の高さなどを売り物にする

ソニーは有機ELの「BRAVIA A9F」シリーズと、液晶の「Z9F」シリーズの二つのハイエンドを展開している。パネルの技術は異なるが、映像を表示する「高画質化プロセッサー」については、同じソニー製の「X1 Ultimate」を使っており、まさに兄弟機といった様相を呈している。

有機ELの「BRAVIA A9F」。画面から直接音が出る「アコースティック サーフェース オーディオプラス」を備える

液晶と有機ELを比較た場合、黒色以外に液晶の弱みとされてきたのが「視野角」だ。液晶は斜めから見ると色が変わって見えやすい。特に50型を超える大きなサイズの製品では、体を少し動かしただけで色が変わることがあった。

視野角の問題が出にくい技術として、「IPS液晶」がある。スマホやタブレットに使われているのはIPS液晶のパネルが多い。だが、IPS液晶はコントラスト比が低い。有機ELと比較すると色の再現性の幅が狭く見えてしまいやすいので、高級なテレビには向かない。高級テレビでは、視野角特性は劣るがコントラスト特性の良い「VA液晶」が採用されている。

Z9Fで使われているのも、やはりVA液晶だ。だが、VA液晶の弱点だったはずの「視野角」がほとんど気にならない。少なくとも、IPS液晶に見劣りしないレベルだと筆者には感じた。

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