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留学試験の不合格者が講演 「なぜ」共有し新たな気づき

目指せ!世界変える「変人」(4)

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NIKKEI STYLE

活動を続ける中でだんだん気づいてきたことがある。それは、多くの学生が中央大学「自虐視観」を抱いていることだ。

中央大学には早慶上智といった大学だけではなく、青学や明治に対しても強い対抗意識を持っている学生が多いように思う。たしかに、東京・表参道が似合う青学女子のようなおしゃれな女子学生が多いとはいえない。男子学生だって、平均してみれば、中大ボーイは慶応ボーイに見劣りするだろう。都内で有数の地方出身率を誇る中央大学の学生はライバル校の学生から「芋っぽい」「田舎臭い」と言われがちだ。

要因の1つは都心から離れた東京・八王子にキャンパスがあるという立地。都心の学生には「毎日登山しているんでしょ?」と言われてしまう始末だ。たしかに多摩丘陵にそびえたつ「東京のマチュピチュ」と称されるキャンパスに、ヒールで挑む女子大生はなかなかいない。一時期「山ガール」が流行ったが、こっちはプロの山ガールを数十年輩出し続けている。(一部の学部に関しては都心移転の方針のようだが)たまりかねた中央大生たちは、ついにキャンパスを都心に向かって押し始めた...(写真参照)。

中大生の「自虐」に危機感

この母校へのネガティブな感情が中央大生に大きな影を落としている。「どうせ中央大学だから」という理由で、行動しない、挑戦しない、諦める。この「自虐視観」に打ち勝たなければ、中央大生が自分で自分の可能性を潰している。私は大きな危機感を感じた。

これまでの先輩たちは、このような状況にたいして、「イケてる」他大学の真似をすることで現状打破を目指してきた。TEDxの誘致、有名人の講演依頼etc...。だが、いずれも失敗に終わるか、どこかの二番煎じに成り下がるだけであった。

だが、そろそろ誰かの真似をするのはやめにしようじゃないか。むしろ、中央大学を周りが真似したくなるくらいの勢いで活動をしていこうじゃないか。これが私たち変人学部のやり方だ。中央大生が自分たちの力で、世の中に対して新しい動きを起こしていく。問題提起を行う。中央大学が社会の中で、真の「中央」になるために。

「中大からはじまる」を合言葉に、変人学部はこれまで様々な新しい動き、新たな問題提起を行ってきた。ここで2つの「授業」を紹介したい。

1つ目は今年の6月14日に開催された「世界とつながるダンス教室」だ。イベント企画団体「-kyo-」の代表を務め、数々の音楽イベントをプロデュースしている椿拓真さんによるトーク&ワークショップを行った。ここでは、「ナンパ」や「チャラそう」「危なそう」というイメージをもたれがちで、教育の場にも相応しくないとされてきたクラブカルチャーやストリートカルチャーを主に扱い、グローバル化や日本人のコミュニケーション論と絡めたアカデミックな講義が展開された。

クラブカルチャーをアカデミックに

「もともと踊るということは、人間の原初の様々な感情を表現し、他者とつながるコミュニケーション方法だったのでは?」「ダンスやストリート文化を敬遠しがちな日本人は、グローバルコミュニケーションに苦労する日本人と表裏一体」といった椿さんの考察に、多くの学生が目からうろこであった。最後には中央大生DJのmasakageさんによる生DJ演奏の中、参加者たちでダンスをするというワークショップを開催し、多くの学生がダンスに初挑戦した。

音楽やダンスの力で日本人や日本社会の閉じた側面を変えていきたい。この日始まった小さな試みは、この授業参加者らによりその後「DJ講習会」などのイベントが行われ、サークルや学生団体の輪を超えた広がりを見せている。

また、今年の10月11日に行われた「トビタテ!『不』合格者報告会~翼の折れたエンジェルたち~」も大きな反響があった。変人学部の授業は原則動画放送を行っているのだが、この授業の動画再生回数はダントツの歴代最高を記録した。

巷にあふれる成功談や合格体験。失敗者には非常に肩身の狭い社会だ。だが、失敗にこそ教訓があるのではないか?そして、失敗者が挑戦したことが称えられ、また再挑戦できる社会にすることが大切なのでは?そんな思いで企画した。

当日は、文部科学省を中心に官民で留学を促進するプログラム「トビタテ!留学Japan」に不合格となった3人の現役中央大生が登壇し、自身の留学計画やその後のストーリーを共有した。「過去・現在・未来の一貫したつながりと、その中に有効に留学計画が位置付けられていることがなによりも大切。僕らにはこれがなかった。」「やりたいことがあって、なりたい自分があって、そのために留学をするのか。それとも、留学がしたくて、トビタテ生になりたくて、やることを考えるのか?果たしてどっちだっただろうか?」不合格者たちの分析は、これから留学を考えている多くの学生にそれぞれの留学計画の再考を促した。

この授業は中央大以外の留学予定者コミュニティーでも一部で話題になったとのこと。このイベントの参加者が留学を考える団体を設立するなど、「留学が当たり前」な時代となる中で、もう一度留学を考える機運が少しずつ広がっている。

東大生も受講

こうした中で驚くべき状況が起きつつある。これまで、セミナーや講演会に参加するため、自身のイベントを開催するため、そして人や情報と出会うために、中央大生は都心に出向いてきた。だが、近年逆の流れが起きている。東大、明大、青学など都心の大学の学生が、京王線に乗り、小田急に乗り、そして多摩モノレールに乗って、変人学部の授業を受講するためにわざわざ多摩へやってくるのだ。遠くは同志社大から夜行バスに乗ってやってきた強者までいた。私はいま、新しい人の流れが起きていると考えている。名付けて「多摩参りの文化」だ。

ダサいかどうか決めるのは自分たちだ。広大で自然溢れるキャンパス。静かな環境。地域活性化やまちづくりの素材がたくさん転がっている多摩地区。近隣には大学が林立し、地域コミュニティーとも密な交流ができる。何もないからこそなんでも創り出せる。

自虐を謙虚さに変えて。もっと自信もっていいよ、中大生。

谷村一成(たにむら・かずなり)
中央大学法学部4年。香川県高松市出身。学生有志のコミュニティ「中央大学変人学部」を立ち上げた。NPO法人greenbirdアンバサダー兼多摩支部長として講演や執筆等を通してグリーンバードの理念を広めるとともに、東京・多摩地域でのごみ拾いを通したまちづくりに取り組む。アイヌ民族の伝統舞踊のパフォーマンスで各地のイベントにも出没。

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