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獣医学部から大学院医学系研究科へ!進路変更したワケ

発信! 理系女子(22)

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NIKKEI STYLE

こんにちは。東北大学サイエンス・エンジェル(SA)の日吉貴子です。私は現在、医学系研究科の博士課程に在籍しています。みなさんは医学系研究科というと、どのようなイメージを持ちますか?

何を研究しているんだろう? 難しい病気の研究? もっと研究をしたい医師のための大学院...!? 第19回の大澤さんの記事では、薬学部=薬剤師ではないという話がありました。実は、医学系研究科も医師ばかりではないのです。今回は医学系研究科の実際と、私の研究について紹介したいと思います。

お医者さんじゃない! 医学系研究科って...?

自己紹介をしますと、私は獣医学部出身です。動物が大好きで、動物と自然に囲まれた大学生時代を過ごしていました。学部では卒業研究として、ヒツジの体の構造の研究をしていました。もちろん、人間の医療とは無縁の生活です。屋外で研究を行っていたので、土にまみれたり、ヒツジを追いかけてつかまえて処置をしたり、汚れる仕事が多い研究室生活でした。それに対して、医学系研究科の研究室では異物が混入して実験結果に影響しないよう、徹底的にきれいな空間で実験します。その清潔度の違いに最初は驚きました。

一般の人にとって、医学系研究科にいる人はみんな医師免許を持っているというイメージがあるようです。医師になるには、医学部医学科を卒業し、さらに国家試験に合格することで医師免許を獲得する必要があります。なので、もちろん、私は医師として働くことはできません。

医学部卒業生の多くは医師として、患者さんの診療にあたっていますが、大学院に通って勉強や研究をおこなって、病気の原因や機序、診断や治療を研究している人もいます。縁の下で働いている、というイメージでしょうか。一方で医学系研究科には、理学部出身や工学部出身など、必ずしも医学部出身(医師)ではないという学生もいます。いろんな学部出身というと、いろんな知識を持っているということです。様々なバックグラウンドをもつ仲間がチームとなって、病気の解明や克服に向けて頑張っています。これが医学系研究科という研究機関の良さではないでしょうか。

難病克服に挑む

さて、どうして獣医学部出身の私がいま医学系研究科にいるのか。現在行っている研究について少し紹介したいと思います。

私は、動物も人間も罹る病気であるプリオン病について研究しています。プリオン病は神経変性疾患のひとつで、神経系組織のタンパク質が何らかの原因で異常化して凝集し、それが脳内に蓄積することで神経細胞死を引き起こす、致死性の病気です。詳しい発病機序は今のところわからないため、予防法や治療法が確立されていない難病です。また、プリオン病は動物種を越える感染症としての側面もあって、プリオン病に感染した牛に由来する食品を介して人間がプリオン病にかかってしまうといった人獣共通感染症でもあります。

動物が好きで、獣医学部進学を目指していた私は、たまたま読んだ本でこの病気の存在を知りました。プリオン病に感染した動物は摘発淘汰(殺処分)されてしまうことを知り、この病気で苦しんでいる動物を救いたい! 治療したい! と思っていました。

しかし、大学入学後に知ったことですが、プリオン病の治療の研究が進んでいるのは動物ではなく、人間の分野でした。動物では、一般的にペットなどの身近な動物に感染することはなく、感染するのはヒツジや牛などの家畜と呼ばれる動物です。鳥インフルエンザのように、家畜は感染を広げないために病気になると摘発淘汰され、治療対象ではありません。

そのため、動物の分野では病気の原因・メカニズムや診断の研究がメインとなっており、治療開発の研究がしたいという私の目的とはちょっと違いました。なので、研究の対象を動物から人間に移して、プリオン病治療研究の最先端である東北大学に進学しました。

私たちが研究している病気は大変稀な病気ですが、潜在的に発病リスクを持っている人がいることや、病気に苦しむ患者さんやその家族がいるということを考えたときに、このような人々を救いたいと感じました。人間の分野で治療に関わる研究に携わりながら、将来的には動物を病気から守ってやれるようになりたいと思っています。今まで勉強してきた分野と異なる研究を新たに始めることは不安でしたが、「社会へ還元できる研究」をモットーとしている研究室で、日々研究に奮闘しています。

東北大学サイエンス・エンジェル
 次世代の研究者を目指す中高校生に「女性研究者ってかっこいい!」「理系って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。

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