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そこには青春がある! 学園祭で一皮むける

常見陽平 千葉商科大学専任講師

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NIKKEI STYLE

高校対大学 学園祭がスゴイのはどっちだ?

学園祭シーズンです。皆さん、楽しんでいますか? 実はこの問いかけに戸惑っている人もいることでしょう。大学の「学園祭」なるものは、共通言語のようでそうでもないですし、参加する姿勢もバラバラだからです。

今思うと、高校の学園祭は強制参加なのですよね。しかも、高校によっては大学生顔負けの学園祭というところもあるわけです。やや余談ですが、私が通っていた札幌南高等学校は今振り返ると学園祭が充実している学校でした。もともと自由な高校で、校則はほぼなく、私服で通学可能でした。

学園祭は、まず模擬店が派手でした。ここが教室であることを忘れるレベルにまで作り込むのです。ある年は、先輩たちが蕎麦屋をやっていました。教室の床に石が敷かれ、日本庭園風になっていました。

売ってはいけないものリストというものがあり、その一つが「石」でした。敷地内の石を「札幌南高校の頭の良くなる石」として、中学生に売りつけた先輩がいたそうで。

後夜祭では体育館を貸し切りにして、全校生徒がほぼ全員集まり、バンド演奏やDJタイムを楽しみます。準備も全力をかけていて、その期間は勉強などそっちのけでした。打ち上げもススキノでした。

そんな10代後半の熱狂的な体験に比べると、自分が通っていた大学の最初の学園祭は随分、地味なものに感じました。「最初の」と言ったのは、当時は1、2年生の一般教養課程と、3、4年生の専門課程でキャンパスが分かれており、結果として学園祭も分かれていたからです。

一般教養課程が廃止された現在も、そのスタイルが踏襲されているのですが、実に地味で、高校の学園祭よりも小規模に感じました。学園祭とはこんなに面白くないものだったのか、と。もっとも、後期の学園祭は大規模で、そうか、大学の学園祭とは、ここまでやるのかと驚いたものでしたが。

すべての学生が学園祭に参加するわけではありません。サークルに入っていない人にとっては、これは絶好の休養期間になってしまうわけですね。学園祭に誘っても「実家に帰る」「旅行に行く」などと言われてしまうこともよくありました。

そういうわけで、強制参加の高校と比べると、大学の学園祭は必ずしも誰もが体験するものとは言えず。その学園祭の規模も大学によって違うので、学生も社会人も「学園祭」と聞いた時に思い描く光景は違うのです。

それでも学園祭は、美しい

いきなりネガティブな話から始めてしまいましたが、とはいえ、学園祭は美しいものです。若い人たちが、自分の青春をかけて何かに取り組んでいるのですから。

私は学生時代、プロレス研究会に所属しておりました。いわゆる、学生プロレスのサークルです。プロレスを実演するのです。学園祭は、いわばビッグマッチです。タイトルマッチや、4年生の引退試合が行われます。リングを運び、会場をつくり、その時点で疲れているのに2日間で4、5試合して、さらに後片付けと打ち上げというなかなかの修羅場なのですが、あの達成感は忘れられません。

少ない観衆の前で行ったデビュー戦、その1年後に大勢の観衆を集めて行ったタイトルマッチ、観客が涙した引退試合......。もう20年以上も前ですが、これは大きな原体験です。引退試合での挨拶、「強くなりたいなら、体育会に入った方が良かったと思います。モテたいならテニスサークルに入った方がいいです。でも、僕は強いとか、モテるとかよりも、一番、ドラマチックな男になりたいと思ったんです」という一言は、まるで卒業論文のように、私の学生生活を物語っています。

卒業してからも、自分の母校を中心に学園祭に足を運びます。学園祭で講演をお願いされるケースも増えました。そこには若者の美しい姿があります。昨年は、高校生の姪っ子を連れて、夫婦で慶應義塾大学の三田祭に行ったのですが、焼き鳥を売る人たちに営業魂のようなものを感じたり、ロックバンドの演奏に感動したり。

企業で人事をしていたころも、エントリーシートの「学生時代に力を入れたこと」の欄でよく見かけたのは学園祭のエピソードでした。特にサークルの活動などは、この学園祭に凝縮されることも多いわけですから。前述したように、これは学業以外の部分をまとめた卒業論文のようなイベントです。

何らかのかたちでお店を出したり、出演する学生はぜひ、青春をぶつけてください。参加する人も刺激を受けにいきましょう。最近、学園祭に行っていないよという人は特に、です。

学園祭と自由の行方

この学園祭ですが、そのあり方については、毎年のように議論になります。時には炎上騒ぎになることさえあります。

長きに渡り議論されているのは、ミスコンです。当初は女性の商品化ではないか、女性だけ取り上げるのはどうなのか、女性「への」視点だけで構成されていないかなどの批判です。最近ではLGBTへの配慮なども議論されるようになりました。

講演会に誰を呼ぶかということも問題になります。今年も某大学で講演会の講師について反対運動が起こりました。警備体制が確保できないことから中止となりました。

もっとも、学園祭で賛否を呼ぶ人の講演会が行われるのはいまに始まった話ではありません。やはり、反対運動が起こるような騒動は、他の大学でも何度も起きています。学園祭に絡む事故や不祥事も何度も起こっています。最近では飲酒の事故を防ぐために、アルコールの全面禁止や、チケット制などが導入されている大学もあります。

この「学園祭と自由」という問題は今後も議論が続くことでしょう。時代による変化もありますし、以前が自由すぎたというか、あまり考えていなかった、配慮が足りなかったという問題もあります。単に昔は良かったという話だけでもありません。自由の問題のようで、単なる不手際という問題もあります。

というわけで、学園祭をめぐっては今後も議論は続くでしょう。でも、そこに学生たちの青春があることは間違いありません。刺激を受ける意味でも、ぜひ、学園祭に足を運んでみましょう。

常見陽平(つねみ・ようへい)
 北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。

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