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普通の高校生だった私が、 ミネルバ大学に進学を決めるまで

ミネルバのふくろう(3) 日原翔

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NIKKEI STYLE

こんにちは、日原翔です。このコラムではこれまで、「ミネルバ大学とは?」という疑問に焦点を当ててきました。今回は、私がミネルバ大学に進もうと思うまでについて、お話ししたいと思います。「ミネルバ大学初の日本人」などと言われるとなんとなくすごそうですが、高校2年までは普通に日本の高校に通っていました。

日本の高校で学んだこと

私は中学と高校を、横浜の聖光学院中学校高等学校で過ごしました。私はこの学校を中退し、海外での生活が主になってゆくのですが、今でも聖光生として培った責任感は私にとって大きな部分を占めていると思います。

実は聖光学院は正直、様々な面で厳しい学校です。無意味に思える校則も多く、何か新しいことをしようとしてもなかなか簡単には許されないことがあり、少し息苦しく感じていました。しかし振り返ると、ここでの経験を通じて私は自由の重みを実感していました。それは今の生活にも生きています。

高校2年の時に文化祭の副実行委員長を担当していたのですが、この時のことは今でも鮮明に覚えています。聖光学院の文化祭は企画、計画、実行全ての段階において生徒主導です。しかしその割には、副実行委員長として、一見どうでもよさそうなことまで担当教員の方々に逐一報告、確認をしなければならず、本当に「生徒主導」なのかと疑問に思うこともありました。

全体を俯瞰し、何が起きているかを把握しなければならない大変な仕事でしたが、初めは適当で怒られることも多かった報告も、慣れてきた頃には具体的で的確になり、時折飛んでくる質問に対してもすぐ答えられるようになっていました。また、計画を立てる段階でも、様々な視点での潜在的な問題点、そしてそれに対する改善点などに頭が回るようになりました。制約的で息苦しいこともあった仕事でしたが、この時に私は大人との仕事の仕方を少しだけ理解したのだと思います。

聖光学院では自由と責任は表裏一体で、自由は責任感で勝ち取らなければいけませんでした。やりたいことがあれば、それに付随する責任感を持つ。それが出来て聖光生は初めて自由を得るのです。この時に感じた自由の重みは、今でも私の強さとなっています。

日本からカナダへ

高校2年の時、私は聖光学院を中退しました。United World Collegesという学校に留学することを決めたからです。UWCは現在日本でもインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK UWC JAPAN)がその仲間入りしたことで注目を浴びていますが、世界的にも非常に高い評価を得ています。

世界で最も変わった学校とも言われるUWCは世界中にいくつもの分校を持っており、私はその中のカナダ校に進学しました。カナダ校は2学年で200人と小規模ですが、100以上の国や地域から生徒が集まっていて、ほとんどの生徒が全額もしくは部分奨学金をもらって通っています。

生徒の一人一人が自国を代表して来ているという自覚を持っているので、有象無象のような存在の自分にとってはすごく良いプレッシャーでした。日本にいた頃には全くといっていいほどしていなかった勉強をそれなりにするようになり、勉強以外のことにも数多く挑戦しました。何かせずにはいられない、それくらい画期的なエネルギーが場に常に満ちていて、毎日が学びの連続のような日々でした。

UWCに進学したことで、私はそれまでいかに狭い世界で生きていたかを思い知らされました。ほとんど全員日本人の、校則のせいで外見も互いに似た、世の中の半分の女性という存在を排除した男子校から一転、世界中から国籍、言語、宗教、貧富の異なる生徒達が集まる十人十色の環境に放り込まれたのだから当然です。

何か意見があるときには誰も意図を汲んではくれず、1から10まで説明しなければいけない。また逆に、私の発想ではとても思いつかないような考えを常に見せてくれる同級生たちを前に、貪欲に学ぶ姿勢が自然と身に付きました。素晴らしい級友たちに少しでも食らいつきたかったのだと思います。

そしてミネルバへ

UWCの一年目を終えたところの夏休みで、大学受験を真剣に意識し始めました。自分はどのようなところに進学したいのか。ギャップイヤーをとっていったん学校というものから離れた方がいいのか。そもそも将来何をしたいのか。など連日悩んでいました。日本人として持っていた価値観にカナダで得た新たな視点も加わり、悩みに悩んだ後に、私はミネルバ大学に行きつきました。

前回触れた、出願プロセスが腑に落ちたということの他に、ミネルバのスタッフがカナダ校で開いてくれた説明会での体験も私にとっては大きな決断理由の一つでした。他の学校が開く説明会はほとんど事務的でつまらなかった一方、ミネルバの説明会は説明会というよりむしろ突発的な質問を広げて対話してゆくような、まるでジャズセッションのような雰囲気で、担当の方も参加生徒全員の顔と名前を覚えてくれたのです。生徒一人ひとりを本当に見てくれている学校なのだと感じたのを覚えています。

もうじき私はサンフランシスコに新ミネルバ生として飛び立ちます。UWCの時もそうでしたが、きっと私は今回もやはり同級生たちに圧倒されるのだと思います。様々な分野で既に活躍する同い年のスーパースターたちに比べて、私は未だに自分が何なのかもよく分かっていませんし、正直UWCもミネルバもなんで合格したのか、確信をもっては答えられません。運が強いのかもしれません(笑)。

今私にできることは、むしろその弱さを誰よりも自覚することで、誰よりも貪欲に学ぶ意志を大切にすることだと思います。ひょっとすると両校ともそれを評価してくれたのかもしれません。これからの私の課題はそういった周りからの期待、サポートに応えることです。聖光で学んだ日本人らしい風をミネルバに吹かせながら、自分自身多くのことを吸収できたらと思っています。温かく見守って頂ければ幸いです。

次回はまた大学の話に戻して、ミネルバのカリキュラムについて紹介したいと思います。

日原翔(ひはら・しょう)
 1998年埼玉県生まれ。聖光学院高等学校を中退し、経団連の奨学金制度でカナダのPearson College UWCに2年間留学。2017年9月よりミネルバ大学に進学。身体を動かすことが好きで、現在はダンスに熱中している。科学や政治経済にも関心を持っており、自身の将来像は未だに悩みあぐねている。座右の銘は「二兎を追う者のみが、二兎をも得る」。

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