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ハーバードの就活事情 ~ジュリアード音楽院に進学した理由

廣津留すみれのハーバードからの手紙(10)

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NIKKEI STYLE

今回は、誰もが気になる大学卒業後の進路です。私がジュリアード音楽院修士課程を選んだ理由と、ハーバードの就活事情についてデータとインタビューを交え、2回に分けてお伝えします。

日本に帰国するかアメリカに残るか

大学4年目になると、卒業後の進路の話をする同級生が増え、面接準備に勤しむ人、大学院受験準備に追われる人、インターン先から内定をもらって喜ぶ人など様々でした。そんな中、私は日本に帰国するかアメリカに残るかさえ曖昧なまま進路選択に悩む日々。結論から言えば、ニューヨークにあるジュリアード音楽院のオーディションを受けることに決めるわけですが、その理由は二つあります。ハーバードでの演奏経験と、アメリカで感じた日本との価値基準の違いです。

ハーバードの4年間では、第4回の記事に登場したシルクロードアンサンブル(チェリストでハーバードの大先輩であるヨーヨー・マ氏が率いる、世界の民族楽器による音楽グループ)との出会いによって私の音楽への思いが大きく変わりました。

舞台での共演、一般向けワークショップ企画への参加、メンバーの方との対話などの貴重な体験を通じて、それまで明確になっていなかった自分の音楽への思いがはっきりと見えてきました。ステージで一緒に音楽を奏でる魔法のような時間を共有できることは、音楽家にとって何より幸せなことだと気づき、ハーバード卒業後は音楽専門の修士課程に進んで音楽を続けることに決めました。

その気持ちを後押ししたのは、ハーバードの仲間の将来のビジョンの持ち方です。日本では、大学卒業後すぐに新卒で就職するか、仕事に直結する大学院にいかなければならないピアプレッシャーが存在しますが、日米の違いはかなり大きく、就活のコンセプト自体が全く異なります。

卒業後のプランが短期的

最大の違いは、ハーバード生は卒業後のプランがかなり短期的であることです。終身雇用制の日本では、数十年後も安定した収入を得られる(と考えられている)大企業が根強い人気ですが、私の周りにはそんな長期的な目で就職先を選ぶ人はほぼいません。何より今「旬」な企業や分野に飛びつき、先のことはあとで考えます。2、3年働いてみて、大学院に行ってもっと勉強したくなるかもしれないし、職場の環境が合わず転職したくなるかもしれない。そんな将来の心変わりをプラスに捉え、柔軟に対応できるような仕事選びができるのが良いところです。

この考え方の根底には、「今の自分がやりたいことをやる」というコンセプトがあります。それは就職先選びだけでなく、進学先選びにもつながります。進路について相談した友達が一人残らず音楽院の道を薦めてくれたのは、やはり自分のパッションを貫くことが文化的に重視されているからでしょう。むやみに就職先を探すよりも、自分の得意分野を生かすことがベストだという考えに基づいているのだと今振り返って思います。ジュリアード音楽院での修士課程でどのような挑戦と冒険が待っているか、楽しみです。

53%がコンサルティング・金融・テクノロジー業界に就職

ここで、ハーバードの卒業生の進路選択についてお話します。上述のような文化背景のもと、皆はどう就職先や進学先を選んでいるのでしょうか。まず、2016卒の学生約1600人を対象にハーバードの校内誌が行った統計を紹介します。

(引用元:Harvard Crimson

・66%が就職し、21%が大学院(フェローシップを含む)に進みます。

・53%がコンサルティング・金融・テクノロジー業界に就職します。

・政府系の職に就くのはわずか3%、非営利団体や公職に就くのは4%です。

・53%が初年度年収が$70,000(約700万円)以上です(全体の初年給の中央値が$70,000-$89,000)。

・12%が海外に移ります。国外からの学生のうち、77%がアメリカに残ります。

・24%がニューヨーク、20%がマサチューセッツ(ボストン)、15%がカリフォルニアに移ります。

興味深いのは、現在の業種と、10年後に自分が就いているであろう業種を比較した統計です。コンサル業界を選んだ21%の学生のうち、10年後も同じ業界に居続けると答えた学生はたった1%、金融業界も18%から6%に減少しています。いかに短期的に就職先を考えているかが顕著に現れている例です。

10年後に就きたいのは医療・保健業界

逆に、現在よりも多くの学生が10年後に就きたいと考えている業種もあります。例えば、医療・保健業界。Medical schoolに通ったのち医療従事者になる学生の割合を考えれば当然かもしれませんが、現在の4%から、10年後には15%に伸びています。芸術・エンタメ業界も4%から11%となっています。また、起業したいと考える人の割合も、2%から10%に増加しています。これは同級生の話を受けての個人的な推測ですが、短期的に主の3業種で稼いで資金を作るか大学院で学んで基盤を作ってから起業に取り組む人が多いからだと思われます。

今回は、ハーバードの学生の就職に対する考え方や実際の進路について紹介しました。日本の学生の就職観との違いがお分かりいただけたのではないでしょうか。次回は就職したハーバード卒業生のリアルな声をお届けします。どうぞお楽しみに。

※Summer in JAPANとは、英語教育・国際交流プログラム・地域における優良な教育機会の提供を3つの柱に、ハーバード生が講師の7日間英語サマースクールです。詳しくはこちらをご覧ください。

廣津留すみれ(ひろつる・すみれ)
 1993年生まれ、大分県立大分上野丘高校卒、米ハーバード大4年生。英語塾を経営する母親の影響もあり、4歳で英検3級に合格。3歳から始めたバイオリンで高1の時に国際コンクール優勝。大学では2団体の部長やオペラのプロデューサーなどを務める。2013年からハーバード大の学生らとともに子どもの英語力を強化し表現力やコミュニケーション力を引き出す英語セミナー「Summer in JAPAN」を大分で開催している。

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